レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シルク」(2007)です。
19世紀仏国、兵役を終えてきた町に帰って来たエルヴェ(マイケル・ピット)は、教師をしている恋人エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚する。その頃町の製糸産業は、蚕の微粒子病で壊滅的な被害を受ける。エルヴァは町の有力者の依頼で北アフリカで蚕の卵を買い付けて運ぶが幾ばくかの病気が起こり、仕方なく東の果ての日本で蚕の卵を買い付ける仕事をエルヴァに頼む。
彼は、キエフまで鉄道でそれから先は橇でウラジオストク、そして北前船で酒田に着く。最上川を上り信濃の原十兵衛(役所広司)に会い、蚕の卵の買い付けに成功するが、そこで魅力的な日本娘(芦名星)に出会い衝撃を受けるのだった…
アレッサンドロ・バリッコの同名の小説をフランソワ・ジラールが監督しており、とても美しい映画になっています。撮影監督はアラン・ドスティエ、音楽が最近亡くなった坂本龍一、いいスコアを書いています。
淡々とした語り口で、思っていた以上に日本側の時代考証が良く出来ており、芦名星のエキゾチックな異国の女性の魅力が良く出た映画になっています。但し、全体に薄味の演出なので人によっては物足りないと感じる方もいるかと思います。
久々に鑑賞して、あれから三年経つのだと思いました。何かあったのか知りませんが、やはりこの作品を見るのは悲しいですね… 役所広司、國村準意外に中谷美紀も共演しており、なかなか良い味を出しています。
今回DVDで鑑賞しましたが、出来れば高画質で鑑賞されることをお薦めします。BD版がないようなので配信が一番良いかもしれません。 八点鐘