レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「フェイブルマンズ」スピルバーグ監督の幼少期から青年期までを描いた自伝的な作品…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フェイブルマンズ」(2022)です。

映画は、あのセシル・B・デミル監督「地上最大のショー」の一番迫力あるシーン、クライスラー・ニューヨーク・コンバーティブルが列車に衝突するシーンに目を奪われるフェイブルマンズ家の長男サミーは映画監督になりたいと思い、父親に8ミリカメラで色々な映像を撮り始める。なかには戦争映画もある。

やがて、仕事の関係でアリゾナへ引越し、そこでのファミリーキャンプでカメラを回すうちに父の友人ベニーと母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)との関係を感じ取ってしまう。そんな中、母との関係もギクシャクし、家族は再びカルフォルニアへ引っ越すことになるのだが…

スピルバーグ監督の自伝映画です。面白いし、良く出来ています。トリュフォー監督の重い少年期自伝映画「大人は判ってくれない」より明るく面白いと思います。でも、約150分はちょっとね。虐められるだけの高校時代を半分程度にしたらもっと楽しいと思いますが。

この映画、米国でのユダヤ人に対する差別、宗教的偏見、又彼らの考え方、例えば「ホビーより代数」等々結構教えられました。米国社会で生き抜くのは、結構大変なことが良く判りました。

でも、映画的に好いシーンは、冒頭のシーン、叔父ボリスのシーンそしてラストのジョン・フォードからアドバイス"画面の中央に水平線を持って来るな"を貰うシーンですね。言葉は汚いフォード監督のアドバイス、人生最良の瞬間ですね。もう、こんな瞬間は無いでしょう。うーん、美しいです。

対して、自分の人生を翻ってこんな経験はないですね。羨ましい人ですね、スピルバーグ監督は。これからも、映画ファンを楽しませてくれる良い映画を作ってください。そうそう次作は「ブリッド」とか楽しみに待っています。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。              八点鐘

 

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