レタントンローヤル館(八点鐘)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)です。
1957年米国で非合法活動、特に原子力関係の秘密情報を入手していたソ連スパイ、アベルがFBIに拘束、逮捕された。その裁判を引き受けたのはドノバン弁護士(トム・ハンクス)だった。彼は巧みな法廷戦術でアベルの死刑判決をかわして懲役刑を下させた。冷戦下の今、彼はソ連との取引材料になると合理的な理由だった。
そんな時、高高度偵察機U-2がソ連上空で撃墜される事件が起きる。操縦士パワーズは生存しており、公開裁判で懲役10年の判決を受ける。ドノバン弁護士はCIAダレス長官直々の依頼により東ドイツに飛び、ソ連スパイアベルとパワーズの人質交換に尽力するのだが…
スピルバーグ監督前作「リンカーン」も良い映画ですが、我々日本人には南北戦争はなじみが薄く、リンカーンの狡猾さ、これは知りませんでしたが、だけが目立った作品でした。対して、この作品の一番の見所は地対空ミサイルでの高高度偵察機U-2の撃墜シーンですね。いや、素晴らしいシーンです。映画でも言っていましたが約高度2万メートル、これは成層圏を飛行中に撃墜されたということで、このような迫力あるシーン始めて見ました。うーん、美しいです。
映画はとても良く出来ています。撃墜シーンのみならず、一見人の好さそうなドノバン弁護士ですが、意外にもタフネゴシエーターでパワーズ操縦士だけでなく、東ドイツ側に拘束されたアメリカ人留学生プライヤーまで交換させるなど素晴らしい手腕です。
又、その後起きたピッグス湾事件での人質解放にも尽力したとのことで、なかなかのお人柄と共にタフなお方だと思います。ラストは、スパイ映画に登場するグリーニッケ橋が出てきます。東西冷戦を描いた作品では、この橋かチャーリーポイントが登場します。この映画では、両者とも登場しますが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘