レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」シャロン・テート事件を扱ったあのタランティーノ監督作品…

 

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)です。

1969年8月9日チャールズ・マンソンによって惨殺されたシャロン・テート事件を描いた作品で、当初私は、リチャード・ブルックス監督作品「冷血」の様な作品をタランティーノ監督がてっきり製作するものだと思っていました。

その昔、ベトナムの映画館でこの作品を見て吃驚しました。事実と違う終わり方をした

暴走映画だったからです。まあ、こういう映画もあって良いでしょう。所詮、映画だから。映画は、いつものタランティーノ全開映画でとても面白く拝見しましたが。

今回、BD版にて再見してその感を新たにしました。約3時間の長尺作品ですが、いつもの通りタランティーノ監督は巧く纏めています。全体に60年代後半のハリウッドの雰囲気を良く醸し出しており、マット・ヘルムシリーズ「サイレンサー/破壊部隊」「ジョアンナ」「哀愁の花びら」「大脱走」TVシリーズ「FBI」等々とスクリーンを埋め尽くすが如く、うんちくを垂れ流して、その時代を知っている人には驚くべき作品になっています。一応、私は中学二年生だったのでおぼろげながら記憶にあります。シャロン・テート事件はその残忍さにおいて日本でも大きく報道されました。

この映画は、どちらかと言えばラストの衝撃シーンより当時のハリウッドの雰囲気がとても良く出ており、その楽屋落ちを見せる映画のように思います。例えば、ブルース・リーが尊大な態度を取っていたことや劇中にスタントマンに喧嘩を売られたこと投げ飛ばされたこと、フォックス・ブルー・イン・シアターを訪れたシャロン・テートの扱いとかスパーン映画牧場辺りの描写はとても興味深いと思います。

少しバランスが崩れた映画ですが、良く出来ていると思います。前回「ローズマリーの赤ちゃん」を紹介したのでこの作品を取り上げてみました。少しグロいシーンもありますが、タランティーノ監督らしい面白い映画です。ぜひご覧下さい。

鑑賞済みの方はもう一度見ても面白いと思います。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 ポランスキー監督はこの事件を境に作風が変わりました。71年「マクベス」は血塗られた作風の映画になりました。この事件が無ければ、多分あの「マクベス」は製作されなかったと思います。彼の「マクベス」は大好きですが。

89年に「フランティック」に主演したエマニエル・セニエと結婚し、作品は以前の様なスタイルに戻ったようですが。

 

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