レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「バイオレント・サタデー(オスターマンの週末)」(1983)です。
その昔、劇場で鑑賞した時、二本立てで同時上映は「密殺集団」(監督ピータ・ハイアムズ)、今日は、B級映画祭り大会そのものだと感動したことを覚えています。
映画は、ロバート・ラドラム(ボーン・アイデンティティー)の同名を映画化したものです。
CIA局員ファセット(ジョン・ハート)は、妻を殺害されその無念を晴らすべくCIA長官(バート・ランカスター)にある提案をする。暗号名オメガと呼ばれているKGBスパイ3名をテレビキャスター、タナー(ルトガー・ハウアー)の別荘で会わせて、そのうちの一人を二重スパイにする計画で、計画は承認され、タナーはCIA長官のインタビューを条件に提案を受け入れるのだが・・・
映画は、良く出来ています。「キラーエリート」の忍者軍団のようなビックリするような演出もありません。「コンボイ」のようなペキンパーらしからぬ作品でもありません。ただ、ペキンパー監督の個性は、エスピオナージスリラーにはアンマッチの様で、
師匠であるドン・シーゲル監督「ドラブル」「テレフォン」ようにスマートさに欠けます。
でも、映画中盤タナーの妻(メグ・フォスター)が、別荘のプールでアーチェリーとボウガンを用いて、CIAガンマンを倒すシーンは、あのペキンパータッチ復活で見ていて楽しくなります。
「荒野のガンマン」で劇場映画にデビューし、「ワイルドバンチ」でブレークしたペキンパー監督は「わらの犬」「ゲッタウェイ」「ガルシアの首」「戦争のはらわた」と作品を作り続け、この作品を撮り終えた一年後他界されました。享年59歳だったので、個人的にはあと10年ぐらい活躍して欲しかったと思います。
例えば、少し前にアンジェリーナ・ジョリ主演「ソルト」というエスピオナージスリラーがありました。この作品などペキンパーが監督していたら、もっともっと面白くなっていたでしょう。
最後に、この作品にはデニス・ホッパーが出ていますが、殆ど見せ場がなくて残念です。
このブログ作成に、DVD版を鑑賞しています。 八点鍾