レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「刑事キャレラ 10+1の追撃」(1971)です。
この作品は、エド・マクベイン「87分署シリーズ 10+1」をフランス、ニースに置き換えて映画化されたものです。キャレラ刑事をジャン・L・トランティニアンが演じます。監督は新鋭フィリップ・ラブロ。
ニースで連続狙撃事件が発生する。22口径消音付きライフル銃で女優サンドラ(ドミニク・サンダ)の継父フォレストが狙撃される。続いてホテルのプールで男が眉間を撃ち抜かれる。
翌日、星占師クラインベルグ(エリック・シーガル)が狙撃され絶命する。クラインベルグはスイス人で、殺された二人の男の投資サービスをしていた。キャレラは、殺されたフォレストのカバンから、手帳を発見し、その手帳に書かれた電話番号に少し前、一緒に休暇を楽しんだ恋人ロッカ(カルラ・グラビナ)を見つける。
彼女を自宅に呼び、色々尋ねると殺された男達は大学の同窓だという。が、彼女がキャレラの部屋を出ると、狙撃され絶命する。キャレラはライフルスコープの反射を確認するや否や、狙撃犯目掛けて2発発射するが、犯人に逃げられてしまう。
やがて、サンドラがから意外な事実を知るキャレラだったが・・・
「男と女」でブレークしたトランティニアンの活躍が凄かった。「殺しが静かにやって来る」「女性上位時代」「Z」「暗殺の森」「流れ者」「狼の天使の匂い」「離愁」「フリックストーリー」等主演作が目白押しでした。
この作品はとても良く出来ていましたが、小品だった為あまり知られていません。
レイモンド・チャンドラーに心酔しているラブロ監督のタッチもよろしく、
冒頭、レイモンド・チャンドラーからの引用で、
"我々は真実を追求する男の物語を書いている。主人公は冒険を避けることが・・・"
これだけでこの作品を期待してしまいます。
S&Wミリタリーを右手に持ち、ピーンと伸ばして、左手の親指をズボンに入れてバランスを取る射撃スタイルもハリウッド製ポリスアクションに比較して、何となく優雅でカッコ良く、加えて、恋人ロッカに、私に用があればこの笛吹いてと「脱出」のローレン・バコールの様な演技をさせるのも興味深い。
音楽は、先ほど亡くなられたマエストロ エンニオ・モリコーネ。そうそう、イタリアの女優、ラウラ・アントネッリも結構重要な役で出ています。
今でも時々鑑賞するお気に入り映画です。このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。
八点鍾