レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「世界最速のインディアン」(2005)です。
映画は、ニュージランドのインバーカーギルに住むバート・モンローは67歳の叩き上げのバイク職人。自身所有する1920年製インディアンモーターサイクルを日々改造して、米国ユタ州ボンネヴィルでモーターサイクル最高速度トライアルで世界最高速を達成したいと考えていた。
その為、皆から色々と助けてもらい、所有地を抵当に入れ、渡航費を作り、米国に渡り、ボロ車を買い、トレーラーを自作し、ボンネヴィルまで到着する。が、彼は出場登録をしていなく、且つ彼のモーターサイクルはレギュレーション違反だった。
でも、皆が一度テストランだけさせようということで、彼はトライアルに挑戦すると・・・
監督はロジャー・ドナルドソン、ニュージランド出身の監督です。日本では、アンソニ・ホプキンスがブライ艦長を演じた「バウンティ/愛と反乱の航海(1984)」が日本での初公開作品になります。なかなか良く出来た海洋冒険映画だったと記憶しています。
この作品も含めて、「追いつめられて」「カクテル」「スピーシーズ 種の起源」「13デイズ」等9本鑑賞していますが、サスペンス物からコメディ、SF、政治物までそつなくこなす腕のいい職人監督です。もう少し個性があるとピータ・ウィアー監督の様になれたかもしれませんが。
特にこの作品は、製作まで担当しているのでとても思い入れのある作品なのでしょう。大変良く出来ています。まあ、登場する人物すべてが善人で、主人公バート・マンローは、色々なトラブルに遭いますが、いい方いい方に流れていき・・・ここで面白いのは、ニュージランド独特の映画の発音が米国でなかなか理解されなくて。
実話を基にしているそうですが、ちょっと見ていて恥ずかしくなるぐらい。でも、トライアルのシーンは中々の迫力です。
あの「八点鍾が鳴る時」からのご贔屓アンソニー・ホプキンスが、バイク一筋の好々爺として本当に良い味わいで、冷徹な殺人者も演じたり、こういう変わり者の老人もさりげなく演じることが出来る、やはり演技者はこうでなくては。
私は、ほんの少しですがあの「ライト・スタッフ」を思い出しました。あちらは国家プロジェクトでしたが、こちらは自分の存在意義を賭けた挑戦です。
本当に美しいと思いました。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾