「太陽に灼かれて」二つの大戦の狭間、モスクワ郊外、夏の避暑地でのドラマです…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「太陽に灼かれて」(1994)です。

 

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1936年8月、モスクワ郊外の"芸術村"官舎9号のサロン、というかダーチャで起こる一日の出来事を淡々と描写した映画で、フランス製香水、薬の話とか、革命英雄コトフ大佐による農地でのBT戦車の演習を止めさせるエピソード、突然のデミトリ訪問、川辺でデミトリとコトフの妻マルーシャのエピソード、コトフと娘ナージャの会話、続く防毒マスク演習、住所が分からない荷物を運ぶ運転手、少年団の訪問、そして黒塗りの車の訪問と続きます。そして最後に意味ありげなスターリンの垂れ幕を吊るした気球の登場で。

 

この作品とてもユニークな作品です。だらだと展開が遅いロシア映画ですが、見ていると避暑地を描いたフランス映画の様で、その雰囲気が何とも言えず微笑ましく、こういうピクニックスタイルの映画で、最初から終わりまでカメラが別の場所に殆ど移動しない作品はこの映画くらいでしょうか。まるで演劇のような作品で。

例えば、ジュリエット・ビノッシュ主演「ショコラ」(2000)なんか同様なよく似た作品ですが、ちょっと味わいが違いますし、淡々と時代風俗を描いた作品だとルイ・マル監督「プリティ・ベイビー」がありますが、この作品は思想性があり違う味わいです。

 

時代が1936年の初夏なんです。判る人はピーンときますね、そうなんです。題名からは想像できませんが、スターリン大粛清が隠し味になっているんです。キーパーソンはデミトリなのです。

東の果てでは、帝国陸軍と張鼓峰事件、ノモンハン事件が勃発しようとしていた時期のほんの少し前のたわいもない避暑地の出来事が延々と続き、それを丁寧に描写していきます。最初は少し面食らいますが、このリズムというか流れに波長が合うと、これが結構いいんです。うーん、美しいです。

 

そういう意味で良く出来た作品です。監督はニキータ・ミハルコフ、革命英雄コトフ大佐も演じています。娘ナージャは自分の娘ナージャ・ミハルコフ。

そして、最後に登場人物の顛末が映し出され、その後各人々が56年に名誉回復と映し出され、映画は終わります。

なお、94年カンヌ映画祭グランプリ、アカデミ外国語映画賞を受賞しています。

 

更に面白いのは、この作品続編「戦火のナージャ」、続々編「遥かなる勝利へ」があるのです。実は、この続編、続々編をアップしたいので鑑賞したのですが。パラパラと予告編を見るとドロドロハレハレの世界で、そりゃ東部戦線だから…

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

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