レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「デュエリスト/決闘者」リドリー・スコット監督の気合の入った劇場映画第一作ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「デュエリスト/決闘者」(1977)です。

この作品は、内容が渋いので日本では「エイリアン」後の82年に公開されており、見逃した方もいるのではないかと思います。ジョセフ・コンラッド「決闘」という小説を映画化した作品です。

映画は、1800年フランス。ストラスブールで仏軍第七軽騎兵フェロー中尉(ハーヴェイ・カイテル)は、市長の甥と決闘し重傷を負わせる。偶々彼を知っていたデュベール中尉(キース・キャラダイン)は命令を受け、彼に謹慎を言付ける。が、些細なことからフェローはデュベールに決闘を申込み、戦う羽目になる。結果は引き分けであったが、それを逆恨みして、二人は会うごとに決闘する羽目になるのだった…

巨匠リドリー・スコット監督劇場映画第一作です。結構気合の入った作品で、スタイルは、あのキューブリック監督「バリー・リンドン」に似ていますが、貴族社会を描いたものではなく、ナポレオン戦争の軍人を描いた歴史物で丁寧に纏められています。ラストも気の利いたラストになっています。

決闘好きの軍人フェロー中尉をハーヴェイ・カイテルが演じて好い味出しており、最初の決闘はサーベル、二回目はフルーレ、三回目は再びサーベル、四回目は馬上でサーベル対決、最後はマスカット銃と趣向を凝らしており、当時の軍服など結構考証が行き届いております。

「バリー…」と同じように、特別に作られた明るいレンズF0.7程度で撮影されたようで同じような映像画質ですが、夜間室内撮影はやはりロウソクだけでなく、少しライティングしている感じです。主人公が軽騎兵将校の決闘が中心なので、やたら長い「バリー…」と比較しても見易く又上映時間も100分強なので助かります。

今回再見して、フランス革命後のフランスをかなり丁寧に描いているのに驚きました。理由は、百日天下後に謀略家フーシェ(アルバート・フィニー)が登場するのですから。流石にタレーランは登場しませんが。

共演は結構豪華で、前述したアルバート・フィニー、エドワード・フォクス、クリスティナ・レインズ、トム・コンティ等。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

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