レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「レッド・ドラゴン」あの記念すべきハンニバル・レクター博士登場する映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「レッド・ドラゴン」(2002)です。

映画は、FBI捜査官グレアムがレクター博士(アンソニー・ホプキンス)を逮捕するところから始まります。レクターを逮捕して手傷を負ったグレアムはFBIをやめるのだが、シカゴ近辺で新たな一家惨殺猟奇殺人事件が発生し上司クロフォードが事件解決の為、グレアムに捜査協力を依頼するのだが…

トマス・ハリスの長編第二作のこの小説、1981年に出版され86年にマイケル・マンが映画化、日本で原作が翻訳されすぐに読み、その異様なプロットに驚きました。元来主に犯罪は貧困から派生するものだと考えていましたが、ある種の主張と言うか哲学による快楽殺人を描いたこの作品、米国はこんな社会になっているのかと。勿論、日本もすぐにそうなりましたが。

18世紀の詩人であり画家ウィリアム・ブレークを巧くプロットに組み込んだことが成功の一因だと思います。そして犯人がとことん狂っているのが良いと思います。中途半端に狂っていると変に同情してしまいますが。この犯人"噛み付き魔"と独房に監禁されているレクター博士との連絡するあたりからサスペンスが盛り上がり、楽しめる作品になっています。

前述したようにこの映画の前にマイケル・マン監督が映画化しており、基本的には同じですがラストが違い、この「レッド・ドラゴン」はほぼ原作に忠実に映画化しています。更にレクター博士登場シーンを原作より多くしています。

又この映画の方がオールスターと言うか実力派俳優でがっちりと固められており、見ごたえがあります。エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、ハーヴェイ・カイテル何れも上手く演じています。ラスト、グレアムと"噛み付き魔"との対決もサスペンスたっぷりで良く出来ています。うーん、美しいです。

特に、レクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスは「羊たちの沈黙」からの当たり役でレクター博士と言えば彼でなければと言われる程で、役者冥利に尽きることでしょう。監督はブレット・ラトナー、コメディ作品が多いのですが、この少しグロいサスペンススリラーを手堅く纏めています。感心しました。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。             八点鐘

 

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追記 このブログでも紹介した「ブラックサンデー」もトマス・ハリス原作です。

ウィリアム・ブレーク「巨大な赤き龍と日を纏う女」

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