レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「天国と地獄」たまには邦画の犯罪サスペンス映画のご紹介も…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「天国と地獄」(1963)です。

 

映画は、製靴会社常務権藤(三船敏郎)宅に電話が入り、犯人から"子供を誘拐した、身代金3000万を用意しろ"と告げられる。が、子供は自宅に戻ってくる。犯人は間違えて使用人の子供を誘拐してしまう。権藤は神奈川県警に連絡を入れ、戸倉警部(仲代達矢)達がやって来る。やがて、"特急こだま号に乗れ"と犯人から身代金受け渡しの指示が入ってくる…

私にとって、邦画でサスペンス映画と言うと真っ先に浮かぶのがこの作品です。誘拐犯罪を扱った黒澤明監督作品で全編サスペンスたっぷりの犯罪映画です。十数年ぶりに鑑賞しましたが、サスペンスたっぷりで改めてとても良く出来た犯罪サスペンス映画だと認識しました。本当に、ホンが良いですね。

特に前半カメラは権藤邸から一歩も出ることなく、製靴会社での内紛、誘拐犯からの連絡と良く出来た室内劇の様相ですが、身代金受け渡し前後からの映画空間が大きく広がり、この辺りのサスペンスは凄いと思います。特にこだま号を使用しての身代金受け渡しのシーンは素晴らしいの一言。うーん、美しいです。

加えて、子供を取り戻してから、捜査中の刑事達が汚れた用水路近くを歩いていると犯人竹内がさり気なく近くを歩いて通り過ぎるシーン等ヒッチタッチをうまく活用して…

又、キャスティングも素晴らしいです。三橋達也、香川京子、木村功、加藤武、山崎努、富田富士夫、名古屋章等、加えて靴工場の工員に東野英治郎、病院の火夫に藤原釜足まで登場するのですから、楽しくなります。

今回、再見して特に黄金町でヘロインを受け取った後の中毒患者の巣窟辺りの描写が優れているなと感じました。犯人がミラーサングラスをかけて情け無用に女中毒者を殺害するシーンなどあのレクター博士を遥かに先取りしているのではないかと感じ入った次第です。当時、この辺りのシーン、評論家達に手厳しく批評されていましたが。

最後に、出来れば続編を作って欲しかったですね。犯人竹内が上手く刑務所から脱獄して逆恨んで権藤と戸倉をいたぶる様なドロドロの復讐劇、世間様からはひんしゅくを買うと思いますが、ホンさえ良ければ結構ヒットするのではと映画を鑑賞しながら思いましたが。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。              八点鐘

 

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