レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「結婚しない女」女性の自立を描いた良く出来た映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「結婚しない女」(1978)です。

 

 

ハリウッドは女性映画を量産していますが、例えば「グループ」「哀愁の花びら」等ありますが、女性の自立を描いた映画はこの作品辺りが初めてではないでしょうか。このブログでも紹介したことがあるジェーン・フォンダ主演「コールガール」という作品がありますが、どちらかと言えば社会派サスペンスの味付けなので。

映画は、結婚16年の美貌のエリカ(ジル・クレイバーグ)は画廊で働いて、一人娘パティ、ウォール街で働いている夫マーティンと共に何不自由の無い生活を満喫していた。ある時、夫から離婚して欲しいと言われて慌てふためく。ブルーミングデールズのシャツ売り場で若い女性教師と知り合い互いに好意を持ち、新しい生活をすることになったと。プライドを傷つけられ、又今後どう生計を立てていくのか分からないエリカは絶望の淵に落とされる。まだまだ美しいエリカには男達が言い寄って来る。不安で一杯の彼女は将来が見えず、セラピストにかかり自立の道を模索するのだが…

その昔劇場で鑑賞した時、よく理解できませんでした。何がそんなに不安なんだろうかと。でも、結婚して一緒に生活すると女性って物凄い心配性なんですね。

そんな彼女が、自立を道を選択してモラルも捨てて一歩一歩歩んでいく姿はなかなか感動的です。やがて、離婚経験者で抽象画家ソールと出会い互いに親密になっていく。全体に軽いコメディタッチなのでそんなに深刻さはありませんが、かなり志の高い作品になっていることは確かです。

ラスト、彼女は結婚という道を選ばず自立の道を選ぶ。ソールからのプレゼントである大きな抽象画を抱えて自分のアパートまで歩く姿は、自立する女性がいかに大変か表現しているようで、うーん、とても美しいです。又、それは今の時代でもあまり変わらないと思います。

主演ジル・クレイバーグはこの年のカンヌ映画祭女優賞を受賞しました。監督はポール・マザースキー、この作品と「ハリーとトント」が有名です。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

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ベルトリッチ監督「ルナ」より

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