レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ノートルダム 炎の大聖堂」(2022)です。
「トゥー・ブラザーズ」は動物映画なので見ていませんが、アノー監督作品は「スターリングラード」以来23年振りです。
映画は、2019年4月15日に発生したノートルダム大聖堂の火災を描いた作品です。発生直後から、火災場所を特定できず警報装置の誤作動と認識したため初期消火に失敗。海外SNSから火災発生を知り消火活動にあたるが、その建物の構造から思うように消火活動が出来ず、野次馬による消火設備遅延等で手こずる。建物内の文化財の移動、最後に崩落の危険がある為、このまま大聖堂を放置する決断をするが決死隊を送り込み北側鐘楼火災の消火に成功し、崩落を防ぐまでを描いた作品です。
映画は、時々分割画面を使い、CGと実写フィルムを巧く組み込んで、ドキュメンタリータッチのとても迫力のある作品になっています。端的に言えば「ターワリングインフェルノ」以来、消防士が大活躍する映画になっています。皆ヒロイックでカッコいい!!
更に、こういう歴史的建造物の消火がいかに困難かを教えてくれています。屋根に使われている鉛が溶けて消防ホースに穴をあけ、多孔性岩が崩れて落ちて消火活動を妨げる。建物構造も複雑なのでホースの水圧が足らなくてとか、マクロン大統領が消火活動を激励に来る時の対応とか…
そういう意味でこの映画は、教育映画の側面も併せ持っています。詳しく描かれています。日本でも福島原発事故も色々ありました。間一髪で何とか最悪の事態を免れましたが、首里城火災による焼失は色々と問題点を残したと思います。
知っている人は知っていますが、この様な色々な事故について検証を行っている方がいます。畑村洋太郎先生で本当に立派な方です。失敗学を提唱し失敗学会を立ち上げ、色々な事故の再発防止を提唱しています。陽の当たらないことを学問にする、これは大変なことだと思います。
興味のある方はサイトを張り付けておきますので、訪問して下さい。工学系の方は勉強になると思います。 八点鐘
このブログで紹介したアノー監督作品は以下の通りです。