レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「薬指の標本」(2005)です。
イリス(オルガ・キュリレンコ)は、ある炭酸飲料工場で働いていて薬指の頭を切断してしまう。イリスは工場を辞めて、ある港町に行く。小さなホテルの部屋をシェアして仕事を探し始める。ある時3階建ての古い建物の前を通りがかった時、受付の仕事の募集をしていたので応募する。白衣を纏った「標本士」と面談して、少しばかり怪しい雰囲気であったが気にせず、彼女は仕事を得て働き始めるのだが…
時々ありますね、独特の雰囲気を持ったフランス映画。この作品を見ていて思い出したのはベネックス監督「溝の中の月」でしたが、あれ程お金掛かっていませんが同じような不条理ドラマの様な雰囲気を持つ作品です。
小川洋子さんのこの小説は読んだことはありませんが、映画は全体に単調で、もう少しアクセントが欲しいと思います。顧客が持ち込む標本にしたい物は思い出に決着を付けたい物と言う位置づけで、例えば、小さな茸、文鳥の骨、楽譜等こういう世界観が好きな人には堪らない作品になっていると思います。
最後に、いつもアクション映画の添え物ヒロイン役の多いオルガ・キュリレンコですが、この作品は良い雰囲気で素晴らしい。うーん、美しいです。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘