レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ファースト・カウ」インディペンデント系女性監督ケリー・ライカートのユニークな視点が冴える作品

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ファースト・カウ」(2019)です。

1820年オレゴンカントリー、クッキー(ジョン・マガロ)は、毛皮罠猟師達の料理係として働いていた。ある時ロシア人猟師を殺害し逃亡中の中国人ルーと出会う。クッキーはルーの立ち振る舞いから、逃亡の手助けをした。

やがて、クッキーは折り合いの悪い猟師達から離れて、小さな砦で再びルーと出会う。打ち解ける二人、そんな時この場所に初めて牝牛が一頭到着するのだった。それを見ていて、クッキーはあるアイデアをルーに話し始める。それはあの牝牛から乳を搾り、それでドーナツを作り販売しようというものだった…

淡々としていますが、丁寧な描写の映画です。前半、森林の描写等なかなか美しいショット散見され、センスの良い監督だなと思いました。又、西部の集落のセット等リアリズムたっぷりで、例えば「さすらいのカウボーイ」とか「男の旅立ち」を思い出しながらスクリーンに見入っていました。

真摯に作られたとても良い映画です。但し、地味な、とても地味な作品なので…

私はこの監督ケリー・ライカートについて全く知りませんでした。女性なんですね、視点はしっかりしているので、もっとビッグバジェットの作品を監督したらもっといい味が出てくるような感じがします。あくまでも私がの想像ですが、例えば少し前に「ザリガニの鳴くところ」という映画がありましたが、このケリー・ライカート監督が務めれば、もっともっと輝いたように思いますが。

今回、なかなか興味深い監督を知ったので「ナイト スリーパーズ ダム爆破計画」「ライフ・ゴーズ・オン/彼女たちの選択」「ミークス・カットオフ」辺りは鑑賞して見たいと思います。何か得る物はあると感じます。              八点鐘  

 

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