レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「太陽の果てに青春を」(1971)です。
この映画は、フリーシネマ運動の提唱者トニー・リチャードソン監督とローリングストーンズのギタリスト、ミック・ジャガーが主演した"ケリー・ギャング"を描いた作品です。
映画は、19世紀のオーストラリアで有名なケリー・ギャングを描いた作品で、ネッド・ケリー(ミック・ジャガー)はわずか17歳で馬泥棒の罪で3年の実刑を受け、出所したところから始まります。執拗な官憲の追及ででっち上げの罪で母が逮捕される。食べていくために密造酒を製造するがそこにも警官の追及がおよび、とうとうケリーは殺人を起こしてしまう。ケリー一味はお尋ね者として世間に知られ、やがて彼らはグレンローアンで最期を迎えるのだった。
1971年製作なので、ニューシネマの雰囲気を持った作品です。例えば「俺たちに明日はない」といった風情の作品ですが、意外と重く爽快感がありません。ミック・ジャガーの演技はまずまずといったところでしょうか。
ラスト、グレンローアンでの警官隊との銃撃戦は異様な迫力がありますが、トニー・リチャードソンとしては中位の出来で。その後、リチャードソン監督はどちらかと言えば、空回りする作品が多くなってなんだか冴えなくて。
例えば「蜜の味」「長距離ランナーの孤独」「トム・ジョンーズの華麗な冒険」「遥かなる戦場」のような味のある作品が出てくることなくて残念と思っていたらエイズで亡くなって、カレル・ライス、リンゼイ・アンダーソンの方がしぶとく頑張っていたなあと詰まらないことが脳裏に浮かびました。
そんなことを思い出しながらBD版を鑑賞していたら寂しくなってきて… 八点鐘