レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「パリ、憎しみという名の罠」京都議定書が原因の社会派ノワールスリラー…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パリ、憎しみという名の罠」(2017)です。

アントワヌ(ブノワ・マジメル)は妻の父が起こした会社を経営していたが、法人税を払うことが出来なくなり倒産してしまう。そんな時日本で京都議定書が定められ、温室効果ガス排出量取引を巧く操作することで多額の現金を得ることを知る。アントワヌは仲間3人は贋身分証をでっち上げて、ダミー会社を創り上げてその排出量枠を売り出すビジネスを考える。当座の資金にアラブ系ギャング"ダリフ"から資金を借りたことで、事態は思わぬ方向へ…

映画は「スカーフェイス」と「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を足して二で割った様な作品です。後半はアラブ系ギャング"ダリフ"が美味しい話だと乗り出して来て、血みどろの抗争になり、アントワヌは悲劇の陥穽に落ちてしまう。似たような事件があったのでしょう。なかなか良く出来たノワールスリラーになっています。

監督は「あるいは裏切りという名の犬」で名を上げたオリヴィエ・マルシャス、手堅く纏めていますが、若干舌足らずでもう少し丁寧に描写して貰うともっと良くなったと思います。私達日本人はフランス社会のこと知っているようで知りませんから。

又、アントワヌの義理の父アロンをジェラール・ドパルデューが貫禄タップリで好演していますが、私がもっと驚いたのは、仲間二人の母親ドリーを演じたダニという女優、もともとは歌手らしいのですがなかなかの好演です。

終盤、特にダリフがしゃしゃり出て来て恐喝しフランス警察も群がり、義理の父アロンも警察に密告し、アントワヌが身動き取れなくなる辺りがとても良く描けています。そして、お決まりのラストです。

「スカー…」、「ウルフ・オブ…」の様な長尺映画では無く100分程度の長さなのも良いと思います。なお、この作品は劇場公開されずWOWOWで公開、その後DVDスルーと聞いています。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。             八点鐘

 

 

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