レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「マッチポイント」ウディ・アレン作品には珍しいシリアスな犯罪物ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マッチポイント」(2005)です。

 

アイルランド出身のプロテニス選手クリス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、ロンドンでテニススクールに働き始めると上流階級のトムと親しくなり、妹クロエとも親密になっていく。そんな時、トムのガールフレンド、ノラ(スカーレット・ヨハンソン)とも関係を持ってしまう。クリスはクロエと結婚する。クロエの父の会社で働くクリスは、無難に仕事をこなして父も彼を評価するのだが、米国に帰っていた筈のノラが現れて、クリスの心に再び昔の想いが燃え上がり、関係を持ってしまうのだが…

私にとって、アレン監督はあの「何か良いことないか子猫チャン」「007/カジノ・ロワイヤル」からなので、あのコメディアンの映画なのかということで、あまり興味がありませんでした。あの「アニー・ホール」も面白い好い映画という感じで…

でも、この作品はアレン監督には珍しい犯罪映画で、良くある話ですが好いんですね。人物描写がとても緻密で、特に煮え切らない男クリスの行動を見ていると、見ているこちらがイライラするくらい上手く描写しています。止むに已まれず、犯罪を犯してしまう辺りの描写もサスペンスたっぷりでなかなか見せてくれます。アレン監督こういうことも出来るのですね。うーん、美しいです。

この映画で、最も従来のアレン映画らしい人物は、スコットランドヤードのダウド、バナー両刑事でしょう。コミカルで良いんですが、もうちょっと頑張って貰わないといけませんね。

いずれ、夢の中で「第一容疑者」で名を上げたテニソン警視、こ存じですね、が登場し、「あなた達何をやっているの ?  当日のクリスの行動の裏はとったの ?  義父の猟銃の調査はしたの ?  奥さんのクロエに当日のオペラ鑑賞にクリスが大きなカバン持っていたか、又それをクロークに預けていたなら、係員に確認したの ?」と、間違いなく大目玉食らうことでしょう。

そんなシーンがあったらと思いながら見ていましたが。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

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