レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ダンケルク」大英帝国の試練 1、ノーラン監督の意欲的実験作・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ダンケルク」(2017)です。

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IMDb

第一次、第二次世界大戦は共に覇権国英国に対する新興国ドイツの挑戦だった。ドイツは破れ、ヴェルサイユ体制とワイマール憲法の基、平和国家として再建されるはずであったが、ナチス党なる暴力団体に政権を乗っ取られ、再度、英国の平和(パクス・ブリタニカ)に挑戦してきた。

 

英国大陸派遣軍はフランス陸軍と協力し、ドイツ陸軍を迎え撃つ計画を策定していたが、ドイツ陸軍が策定した新しい軍事ドクトリン「電撃戦(ブリッツクリーク)」の前にあえなく敗北し、英国大陸派遣軍は狭いダンケルク閉じ込められてしまう。英国は、ダイナモ作戦を発動して、ダンケルクの英国将兵を救出する。

ダイナモ作戦は成功するが、大英帝国の試練続く・・・

 

前置きが長くなりましたが、映画はここから始まります。クリストファー・ノーラン監督作品らしく普通の戦争映画になってません。まず、映画は三幕、ダンケルクの海岸を逃げ回る英兵士の一週間、民間人による救援船活動の一日、そしてRAF(英国空軍)スピットファイアMk.Ⅰの海上護衛活動の一時間を上手く編集した映画になっています。

 

更に凄いのは、「ダークナイト」から始まったIMAXとシネマスコープ両サイズが混在する映画になっている。そして、それが映画を鑑賞する上での障害になっていない。とても自然な流れになっていることだ。ともすれば、監督の自己満足の様な技巧がそうではなく、映画を鑑賞する上で必要な技巧になっていること。これは大変素晴らしいことだ。

ラスト、スピットファイアMk.Ⅰを手前においてダンケルク海岸を俯瞰で撮影しているシーン等素晴らしいの一言。何気ないシーンだがとても手間と予算がかかったシーンさりげなく取り入れているところが何とも言えない。

 

こういう芸当が許されるのも、安定した興行収入を得られているからであろう。そういう意味で、彼は、現在最高のクラスの監督の一人と言って良いだろう。次の作品「テネット」も観客が待ち望む期待の一作だろう。        

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

ダンケルク 陸

ダンケルク 陸

 

ダンケルク 海

ダンケルク 海

ダンケルク 海

ダンケルク 空

ダンケルク 空

ダンケルク 空