レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ナヴァロンの嵐」(1978)です。
あの英国冒険映画の傑作「ナヴァロンの要塞」の続編です。原作はアリステア・マクリーンですが、前作のような危機また危機のサスペンスアクション映画仕立てになっていません。若干緩い仕上がりになっています。
エーゲ海に浮かぶナヴァロン島の巨砲を叩き潰したマロリー(ロバート・ショー)、ミラー(エドワード・フォックス)両名はフォース10チームに転属、今度はバーンズビー中佐(ハリソン・フォード)が指揮するコマンド部隊と共にユーゴスラビアへ。ネレトヴァ川に架かるネレトヴァ橋を破壊する為に、アプロ・ランカスター爆撃機で潜入するが、メッサーシュミット戦闘機の攻撃を受け、部隊は大きな惨害を受ける。又、情報が漏れており、全員が拘束されてしまうのだが…
前作は1961年製作この作品は1978年、この17年は大きく時代を変えています。先の大戦に参戦された人も、苦い思い出がある人達も他界されたり、又、政治状況も変化しており、敵だった国も今では同盟国と。それにより、費用がかかる戦争アクション映画もコストパフォーマンスを考えると、厳しい描写で必要ではなく、緩い仕上がりになっていくのでしょう。個人的にはもう少し丁寧な描写が欲しかったと思います。
そういう意味で、この作品は戦争アクション好きな友人数名でお酒を飲みながら、ある時はプロットの辻褄の合わないところを、又ある時は緩いアクションをゲラゲラと笑いながら鑑賞するには最適な映画だと思います。お楽しみください。
この作品で、私が一番好きなのはロン・グッドウィン(「633爆撃隊」「空軍大戦略」「荒鷲の要塞」)のスコアです。いや、このマーチ曲が良いんです、好きなんです。
随所に英国風ユーモアもあり、前述したように友人とか、一人でのんびり見る分には最適な映画だと思います。共演はバーバラ・バック、フランコ・ネロ。監督はあの「007/ゴールドフィンガー」「パーマーの危機脱出」のガイ・ハミルトン。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記
この作品から暫くしてロバート・ショーは他界しました。戦う男を演じ続けてきた準主役級の脇役が多かったと思います。そういう意味でもこの作品は好きですが。
「007ロシアより…」/のグラント役でブレークして、米陸軍、ルフトヴァフェ、シカゴのコンメン、ジョーズ、パレスチナゲリラ、NYPD、ドイツ国防軍等々勝率は良くありませんが、作品を味わい深いものにしてくれました。