「ビッグ・レッド・ワン(最前線物語 再構築編)」サミュエル・フラー監督作品 奥行きのある戦記映画に変身ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ビッグ・レッド・ワン(最前線物語 再構築編)」(2004)です。ビック・レッド・ワンとは米国陸軍第一師団の意味です。

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IMDb

この作品は、映画評論家リチャード・シッケル氏が残っていたシナリオ・絵コンテから「最前線物語」(1980)に削除されたシーンを追加しより完全なものにした作品です。よくある完全版とはちょっと違います。概ね40分程度追加されています。作品はDVDにて鑑賞しています。

 

サミュエル・フラー監督は、日本で「東京暗黒街 竹の家」を撮影中、カチンコを代わりに拳銃を上に向けて撃つ監督だと確か双葉十三郎氏の批評で読んだことがあります。どちらかと言えば、戦争物、ハードボイルド物を得意とし、米国よりフランスで評価の高かった人です。私は「地獄と高潮」「陽動作戦」とこの「最前線物語」しか鑑賞していません。バブル時に、日本で再評価されて色々な作品が鑑賞することが出来たと思います。

 

「最前線物語」は低予算の戦記映画乍ら、戦場で生き残ることテーマをハードボイルド風味で作り上げた映画で大変良い作品だと思います。

 

映画は、第一次大戦停戦後にドイツ兵を刺殺した軍曹(リー・マーヴィン)が、第二次大戦の為、第一師団に入隊、四人の部下と北アフリカ、シシリー、イタリア、フランス、ベルギー、チェコと転戦する話だが、この「ビッグ・レッド・ワン(最前線物語 再構築編)」は、40分も追加されているので作品の味わいが変わっています。

 

大きくはドイツ国防軍シュローダー軍曹(ジーグフリート・ラウフ)の扱いが大きくなっています。前作だと2シーン程度しか登場しないのですが、野戦病院、イタリア戦線、ベルギーと登場シーンが増えています。

フランス騎兵シーン、ヒトラーユーゲントのシーンの追加、その他各シーンに色々と追加ショットが加えられ厚みが増しました。報道カメラマンとして監督自身が登場しています。

 

全体の印象として、奥行きのある映画になっていますが、少しばかり長いのではと思います。作品のスケール感は大きくなったと思います。

私としては、こちらの作品の方が好きです。それはシュローダー軍曹登場シーンが多くなったことで戦闘シーンの流れが判り易くなり、例えば、前作だとチェコでリー・マーヴィン扮する軍曹に刺される場面も、彼だと判りにくいのですが、この作品は追加ショットの為、大戦末期のドイツの状況も含め、作品全体が良く判るようになっている為です。

 

このジーグフリート・ラウフという俳優、ハリウッドでドイツ人役を中心に「栄光のルマン」「鷲は舞い降りた」「パットン大戦車軍団」「オフサイド7」等活躍していましたが、2018年に85歳で他界していることを最近知りました。

 

よりフラー監督の世界観を知りたいのであれば、この作品を見た方が良いと思います。

                                八点鍾

 

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シュローダー軍曹(ジーグフリート・ラウフ)

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