レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ウルフズ・コール」(2019)です。この作品は2019フランス映画祭横浜で好評を呼んだと聞いています。
映画は、行き成りシリア沖で特殊部隊を撤収するフランス海軍攻撃原潜チタン(リュビ級)から始まります。が、イラン国籍のステルスフリゲート艦が現れ、対潜ヘリを発艦させる。「黄金の耳」を持つソーナー員ソックス(フランソワ・シヴィル)は、国籍不明の潜水艦の察知するが、なかなか認識できない。
グランシャン艦長自ら携帯対空ロケットランチャーで対潜ヘリを撃墜、事無きを得る。
原潜チタンは、ブレスト港に戻り、ソックスは地上勤務、グランシャン艦長は戦略原潜レフローヤブル(ル・トリオンファン級)に転属、ロシアがフィンランドに進行する兆しがあるので、牽制の為、出航する。
そんな時、ベーリング海のロシアのティムールⅢ型潜水艦からICBMがフランスに向け発射される。フランスは報復攻撃の為、戦略原潜レフローヤブルに発射命令通達するが、ICBMは非弾頭だということが判る。又、米軍からロシアが太平洋艦隊にある戦略原潜を1隻売却、中近東のテロ組織が購入、フランスとロシアを核戦争に突入させようとしていた。
艦隊司令とソックスは、戦略原潜レフローヤブルに発射中止させるため、近くにいる攻撃原潜チタンに向かうのだが・・・
おっと、物凄いタイムリーなテーマで映画が進むのかと物凄く期待しましたが、映画が進むにつれて期待は、萎んでいきました。
代わりに別のテーマが浮かび上がり、そうキューブリック「博士の異常な愛情」ルメット「フェイルセイフ」最近では「クリムゾン・タイド」と同様な映画に落ち着くのが惜しいと思います。又、最後、プロットにヒネリが欲しいと思います。映画は全体に良く出来ています。監督は新鋭アントナン・ボードリー。
20世紀フランス海軍は、全く冴えませんでした。第一次大戦でもあまり活躍することなく、第二次大戦もあっという間にドイツ軍に占領された為・・・
戦後は、航空母艦、戦略原潜と海軍を充実させ、ほぼ英国海軍と並ぶほどに成長しました。フランス海軍の攻撃原潜を舞台にした軍事サスペンススリラーは、この作品が初めてではないでしょうか。
ソックスは悲しんでいる場合ではない。ベーリング海に野放しになっているティムールⅢ型潜水艦を補足、撃沈する為、続編が必要ですね。日本に来るのであれば、大歓迎ですが・・・
この手の映画が好きな人は、鑑賞して損はないと思います。作品は9月25日から劇場公開しています。
追記
航空母艦の作品は、昔々航空母艦クレマンソーを舞台にした「頭上の脅威」(1964 監督イヴ・シャンピ;岸恵子の元夫)があります。