レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「エリジウム」(2013)です。製作費オーバー1億ドルのSF大作です。監督は「第9地区」で名を上げたニール・プロムカンプです。マット・デイモン、他にジョディ・フォスターが共演しています。
映画は、スラム化した地球と対照的に理想郷として軌道衛星上に建設されたスペース・コロニー「エリジウム」の確執を描いた物語です。ディストピアタイプのSF映画です。
こう書くと、なんだエドガー・アラン・ポー「赤死病の仮面」ですかと尋ねられれば、その通りと答えることになります。大まかなアウトラインはその通りですが、細かなディテールはかなり凝っており、その辺りがこの映画の見所になります。
延々と続く未来型スラム街、レイバンと呼ばれるV/STROLタイプの航空機、中にはエットーレ・ブガッティのロゴが付いたものがある。兵士たちが使用する高破壊力のライフル銃、手裏剣タイプの時限爆薬、携帯型電磁シールド等。そうそう改造版GT-Rもカッコよく登場します。
だから、「第9地区」でもそうでしたが、戦闘描写が迫力ありますが、かなりグロい。このような描写が好きな人はたまらないだろうが。
他に、デイモンが装着するエクソスケルトンと呼ばれる装置、映画の中では人の神経系に接合して使用するようになっています。現在、試作中の米陸軍のパワードスーツは装着タイプで、勿論日本でも介護施設用に開発されていたものが自衛隊用として開発されているとか。
最近、よく映画の中でお目にかかるので・・・「プロメテウス」「ロボコップ2」等
ディテールは面白いとしても、もう少しストーリーが・・・ 思うに最近の映像派監督は、あまりにも読書が少ないように思います。悪く言いたくありませんが。それ故、監督としての限界が、早く来るようにも思います。
この次の作品「チャッピー」も悪い作品ではありませんが、話として広がらなくて・・・ ウーン・・・
悪い作品ではありません。ディテールに凝っています。ですが、人間の描写は平板で・・・ジョディ・フォスターもアリシー・ブラガも可哀想な扱いで、もっと見せ場を作ってあげないと。
何も一人で脚本作らなくても、もっと上手い人と組んで共作でも映画が良ければOKだから。やはり、キューブリック監督が言うようにストーリー、良いストーリー。次は良いストーリーを作り上げて映画にして欲しいと思います。
最後に、デイモンが働く工場ですが、いくら地球全体がスラム化してもこんなに非安全な工場は問題だと思います。こんな工場で生産すれば、ろくなものが出来ません。
又、登場する仲間の作業者も安全作業に関する知識ゼロでこういう描写はいかがなものかと思います。
例えば、日本国内の従業員100名以上の会社、アセアンで稼働している日系会社にはこんな工場はありません。だから、工場側の非を出したいのであれば、もう少し別の方法で描写しないとまずいと思いますが。例えば、生体反応センサーの誤動作とか・・・
ちょっと今回は色々と書きましたが、作品としては悪くありませんので。次は、良いストーリーで素晴らしい作品をお願いします。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾