レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アメリカン・ジゴロ」(1980)です。
この映画は、ハリウッド映画としてはかなり味わいの違う作品です。監督がポール・シュレーダーで、脚本家出身です。脚本家としてはあの高倉健主演の「ザ・ヤクザ」「タクシードライバー」「愛のメモリー」このブログでも紹介した「ローリング・サンダー」「レイジング・ブル」「キャット・ピープル」そして私は未見ですが、三島由紀夫の生涯を描いた異色作「ミシマ」(1985)があります。
この作品は、LAの歓楽街に息づく男性エスコートサービスの生態をサスペンスタッチで描いた作品です。
冒頭、甘いマスクのジュリアン・ケイ(リチャード・ギア)がアルマーニのスーツに身を包み、漆黒のメルセデス450SLを乗り回し、バックにデボラ・ハリーの歌「コール・ミー」が被さるシーンはとてもセクシー。身体を鍛え、ファションセンスは抜群、女性を楽しませるユーモアもあり、5~6ヶ国の言語を話す。
ホテルで待ち合わせをしていると、一人の若い女性と目が合い、親しげに声を掛けるジュリアン、彼女は上院議員夫人ミシェル(ローレン・ハットン)、夫と上手くいっていなく、ジュリアンとねんごろになってしまう。
ジュリアンはエスコートサービスのアンの指示で、仕事をするのだが、ある時友人リオンの頼みで、ある婦人の過激なサービスを依頼され、気が進まなかったが引き受ける。
暫くすると、その婦人が遺体で発見され、当日別の婦人とのサービスを行っていたジュリアンは、その婦人がアリバイを証明してくれなく、窮地に立たされる。そして、ジュリアンはLA警察に拘束され・・・
映画のタッチはハリウッドスタイルではなく、フランスタッチでサスペンススリラーと言うよりMTVスタイル、ジュリアンのライフスタイル描写を中心に話が進んでいきます。登場する人物の部屋のインテリア、配色、そのオブジェ等なかなか興味深い。
加えて、音楽がジョルジオ・モロダーでディスコ・ポップ風でとても懐かしい。
作品の質も「ザ・ヤクザ」「タクシードライバー」「レイジング・ブル」と比較すると若干軽い作品になっています。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾