レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「私は確信する」フランスで起きたヴィギエ事件を扱った映画と「スカイライン 逆襲」ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「私は確信する」(2019)です。

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法廷映画です。個人的に法廷映画はあまり好きではありません。あのシドニー・ルメット監督「12人の怒れる男」はあまり好きではありません。これは演劇ですよね。

 

ルメット監督は密室劇が好きらしく、あの「フェイルセイフ(未知への飛行)」(1964)も密室映画モドキで、あの「オリエント急行殺人事件」(1974)もその傾向がみられ、私はケネス・プラナー監督作品の方が好きです。但し、ポール・ニューマン主演「評決」(1982)とか「プリンス・オブ・シティ」(1981)は素晴らしいと思います。

 

この作品はとても良く出来ています。本当にびっくりするくらい。

大学の教授ヴィギエの妻スザンヌが失踪し、警察は夫を殺人で裁判で訴追する。

自分の息子の家庭教師をしてくれた父親ヴイギエが殺人事件で起訴されているので、女性シェフのノラ(マリナ・フォイス)は、著名な弁護士モレッテイのところに押しかけで弁護を頼み、モレッティから事件関係者の通話記録を受け取り、事件に関係があるところを拾い出し、モレッティに連絡する。

公判が始まり、証言から色々な事が浮かび上がり、スザンヌの愛人デュランデとベビーシッターの存在が・・・

 

監督は編集出身のアントワーヌ・ランボー、彼自身が脚本、脚色、原案を行っておりとても気合が入っているので並々ならない迫力がスクリーンから感じ取れます。まさに力作と言って良いと思います。弁護士モレッティの最終弁論も迫力があり、胸を打ちます。

 

今後、注目すべき監督の一人と言って良いと思いますが、この手の映画は成功を収めるかもしれませんが、別のジャンルでは少し不安を覚えそうな感じです。欲を言えばもう少し遊びが欲しいと思います。つまり、映画ファンが馴染みやすいシーンがあればもっと良いと思います。

 

例えば、このヴィギエ教授、ヒチコック映画好きということですが、作品では何の遊びもありません。が、何か欲しいなと思います。

裁判長から「あなたの立場を彼の映画から説明するとどの作品ですか?」言われても、何も言わずに、裁判長が「間違えられた男」ではと言うくらいではもったいないなと思う次第です。

 

いずれにしても力のある監督なので、今後注視はしたいと思います。 八点鍾

 

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www.unifrance.jp

 

追記

「わたしは確信する」を鑑賞する前に時間があったので新作「スカイライン 逆襲」を観賞。以下簡単に紹介します。

前作「スカイライン 奪還」の監督リアム・オドネルが担当していますが、「奪還」程面白さがありません。がっかりです。両腕と片足を失くして戦死したと思われた伝説のシラット使いヤヤン・ルヒアンも復活、再び参戦するが・・・

でも、この手の作品が好きな人は結構楽しめるかも。    八点鍾

 

 

wedplain15.hatenablog.com

 

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www.youtube.com