レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「エイリアン」ディレクターズ・カット版ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「エイリアン ディレクターズ・カット版」(2003)です。

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そうです。リドリー・スコット監督を一躍有名にした映画「エイリアン」(1979)が公開された時、こんな噂が広がりました。実はあの映画、大事なシーンが抜けているんだよと。

それは、船長ダラスと機関士ブレットがエイリアンに連れ去られ、繭にされているシーンがカットされたんだと。ふーんとそんなグロいシーンがあるんだと私はある雑誌から知りました。この作品、現在から見ればさほどではありませんが、当時はかなりグロく、あのケインの胸部辺りからチェストバスターが飛び出るシーンは目を覆いました。

 

ところがです、リドリー・スコット監督が2003年にディレクターズ・カットを販売、私は数年前それを購入しました。鑑賞するとそのシーンが出て来るんですね、うーんなかなか素晴らしい。まったく商売上手なスコット監督です。とても良く出来ています。これからはこのディレクターズ・カットが一番でしょう。

 

元々、SF映画は一部の作品、例えばフリッツ・ラング監督「メトロポリス」等を除いてB級映画扱いでした。但し、「禁断の惑星」「地球が停止する日」「宇宙戦争」等は良く出来てはいましたが、それでも「2001年宇宙の旅」「猿の惑星」が登場までは、普通のドラマ映画から一段低く見られていたことは間違いありません。

 

以後、SF映画は市民権を得て製作されました。この「エイリアン」は、SF仕立てのゴシックホラーと言って良いでしょう。とても良く出来ています。

「決闘者」(1977)で注目を浴びたCM監督出身スコット監督のセンスの良さ、光、スモークを多用した素晴らしい映像、エイリアン、宇宙貨物船ノストロモ号、宇宙船内部、宇宙服、遺棄船の造形の素晴しさ等が相まってとてもユニークな傑作SFゴシックホラー映画として誕生しました。

特にこの作品の場合、エイリアンデザインにH・R・ギガー氏を起用したことが成功の第一歩だったと思います。そして、シガニー・ウィーバーのカッコ良さが際立っています。うーん、美しいと思います。

 

BD版には特典映像として、製作当時の苦労を脚本家ダン・オバノン、コンセプト・アーテイスト ロン・コップが語っています。デザインをコンセプトに従って統一させることが一番大変だったと。

いや、映画製作は大変ですね、でもその成果はスクリーンから十分伝わってきます。良い作品を作って貰えば、誰かが見て評価します。私も及ばすながら、いい作品を見つけたら、皆さんにご報告したいといつも考えています。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

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問題のシーン1

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問題のシーン2

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問題のシーン3

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エイリアン コンセプトアート

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以上がロン・コップ氏コンセプトアートの一部

www.youtube.com

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シガニー・ウィーバー美しいです