レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ミルドレット・ピアース 幸せの代償」(2011)です。
この作品は映画ではなく、あの「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズが監督したTVミニシリーズで、5エピソードに分かれており今回はその2エピソードまでをご紹介します。その昔、WOWOWで2011年に放映されましたが見逃しており、今回アマゾンで配信されていたので鑑賞してみました。
エピソード1
夫バートが別の女と不倫をしているのを快く思わないミルドレット(ケイト・ウイスレット)は、喧嘩してバートを追い出してしまうが、二人の娘を抱えて生活に窮してしまう。プライドより胃袋と言うことで小さな簡易食堂でウェイトレスして働き始める。
エピソード2
ウェイトレスで働くミルドレットだが、長女に馬鹿にされ心を傷つけられる。が、それが転機になってレストランを経営したいと考え、食堂で出している味の悪いパイに対して、彼女が料理したパイを売り出したところ評判となり、又ビジネスの第一歩として店舗物件を探して、夢が段々と実現していく。金持ちのベラゴン(ガイ・ピアース)と知り合うが、次女レイは病気で死去してしまう。
前述したように、監督がトッド・ヘインズなので1930年代の米西海岸グレンデールの不況時代色が良く出ています。この辺りは50年代を描いた「エデンより彼方に」のようで、辛い時代を生き抜くミルドレット、ケイト・ウィンスレットの豊かな演技力がとても良いと思います。
バジェットも潤沢とこまでいっていませんが、かなり細かいところまで手が尽くされているようで楽しく鑑賞できました。美しいです。
この「ミルドレット・ピアース」は1945年にジョーン・クロフォード主演で映画化されていますが、ジェームス・M・ケインの小説からかなり逸脱したものらしく、本作はかなり原作に近いと聞いています。私は原作は読んだことがありません。
1,2エピソードを見て、ジョーン・クロフォード版はノワールスリラーと聞いていますが、この作品は少しノワール色がかった人間ドラマと言う感じです。
次回は、3,4エピソードをご紹介したいと思います。 八点鐘