レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アシャンティ」(1979)です。
デビッド(マイケル・ケイン)とアナンサはWHOに勤める医師で夫婦で、二人が西アフリカのある部落で医療活動をしている時、アナンサは奴隷商人スレイマン(ピーター・ウスティノフ)に誘拐されてしまう。デビッドは奴隷制反対同盟のメンバーのブライアン(レックス・ハリソン)に会い、傭兵崩れのヘリパイロット、ジム(ウィリアム・ホールデン)を紹介してもらい、スレイマンを追跡するのだが…
レアな作品です。日本で見た人は少ないのではと思います。が、日本でも公開されており、勿論スプラッシュ公開でした。プロットは、あの「96時間」のハシリの様な感じですが、今日でもこのようなことが起きっている様に思います。
と言うのは、映画の中でスレイマンは先祖代々この仕事で飯を食べてきたというような事を言っていますし、拉致された婦女子は紅海を越えて中近東の富裕層に売り捌かれるプロットになっており、その富裕層の顧客としてハッサン王子(オマー・シャリフ)がラストに登場します。そういう訳で今日的なテーマを持った志の高い作品ですが。
監督が「海底二万浬」「ミクロの決死圏」「絞殺魔」「トラ・トラ・トラ!」のリチャード・フライシャーなので無難に纏まっていますが、かなり緩い作品になっています。でも、キャストが結構充実しているので私は楽しく鑑賞できました。
見所は、スレイマンが誘拐した婦女を鎖で繋いでサハラ砂漠を横断する辺りですね。美しい砂漠の風景と奴隷商人スレイマンの命を狙うインド人マリク(カビール・べディ)の助けを借りて追い駆ける辺りがサスペンスフルで見せ場ですが…
この作品の英語版Wikiを見ると、当初リチャード・C・サラフィアン(「バニシングポイント」「荒野に生きる」)が監督でしたが、トラブルが有って降板したそうです。だから、あのマイケル・ケインも些か精彩が無くて…
反対にピーター・ウスティノフとカビール・ベディのお二人がなかなか活けますがね。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 DVD版の画質もいま一つ悪く、もっと良ければ印象が良くなるかもしれませんが…