レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「あるいは裏切りという名の犬」パリ警視庁を舞台にしたノワールサスペンスですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「あるいは裏切りという名の犬」(2005)です。

パリ警視庁BRI(捜査介入部)主任警視ヴリンクス(ダニエル・オートゥイユ)とBRB主任警視クランの悩みの種は、最近多発している重武装強盗団の暗躍だった。数件に上る強盗事件で被害額200万ユーロ、死者9名と言う有様だった。そんな時、情報屋シリアンが週末外泊制度(こんな制度があるとは知りませんでした)を利用して刑務所から出て来て、ヴリンクス警視に会いたいと言ってくる。

ヴリンクス警視はシリアンと会い指定された場所で車を止めると、後ろに停車したメルセデスに向かって拳銃で撃ち、乗っていた男を殺す。殺された男は密告者だった。シリアンは、ヴリンクス警視に重武装強盗団の情報を与えて、俺のアリバイを頼むと言って姿を消すのだった。嵌められたヴリンクスだった…

原題を「オルフェーヴル河岸36番地」と言い、"パリ警視庁"のことを指します。なかなかユニークな展開から始まるノワールサスペンスです。正直驚きました。BRIと重武装強盗団との物凄い銃撃戦が始まるのかなと思いきや、ハリウッド映画と違い若干肩少し気味ですが、まあまあ面白いポリスアクションでした。どちらかと言えば、ヴリンクスとクラン両警視の警察組織内の泥臭い権力闘争と言うか、出世競争がメインになっていました。まあ、楽しめましたが。

例えば、もう少しヴリンクス警視が迫力たっぷりのタフガイ、例えばジェラルド・バトラー主演「ザ・アウトロー」の様な作品を考えていましたが、そこまでは弾けていませんでした。まあ、リキは入っていましたが。

この手の映画が好きな方は、まあ満足できる作品だと思います。特に、冒頭の現金輸送車襲撃のシーンはなかなか見せてくれます。だから、ラストももう少しアクションで盛ってくれると嬉しい映画になったものと思います。監督は元警察官と言う異色のキャリアを持つオリビィエ・マルシャル、非情なタッチで、うーん、美しいです。

最後に一つ、ヴリンクス警視は、劇中アルファロメオGT(937)を乗り回しています。ラストに乗るプジョー504クーペも渋い。この野郎 !! うーん、美し過ぎます。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。             八点鐘

 

 

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追記 このマルシャル監督、時々演技者として映画にも出ています。例えば、この「裏切りの闇で眠れ」等が有名ですが… そして、あのミレーユ・ドモンジョがひっそりと共演していました。良い感じでした。

 

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