「黒衣の刺客」ホウ・シャオシェン監督の武侠映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「黒衣の刺客」(2015)です。

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唐の時代の中国。隠娘(スー・チー)は、嘉信の下で暗殺者の修行に励んでいた。腕は立つが情に流されるというのが嘉信の評価であった。

 

彼女に母方の従兄弟季安の暗殺を命じられて魏博に赴く。やがて、季安は隠娘がかっての婚約者だと知る。季安は、一人の役人を左遷して、その護衛に隠娘の父を護衛に付けた。彼らは刺客達に襲撃されるが、彼らを助けたのは隠娘であった。が、父は、彼女を暗殺者にしたのを悔いるのだった。その後、仮面の刺客に隠娘は襲われ、手傷を追う。その時助けてくれたの鏡磨きの日本人だった。

 

季安の妾が懐妊して、呪術師の呪いから彼女を救ったのも隠娘だった。隠娘は、嘉信に季安を暗殺することは出来なかった。季安を殺害しても後継者は幼く、混乱は必至だからと。

隠娘は、新羅に向かう鏡磨きの日本人に同行して、その地を離れるのだった。

 

「悲情城市」「珈琲時光」で有名なホウ・シャオシェン監督の武侠映画です。実は、私は、チャン・イーモウ監督「HERO」「LOVERS」等の誇大妄想的な映像により武侠映画はあまり好きではありませんでした。

ですから、ほとんど期待せずに鑑賞しましたが、この作品には驚きました。ホウ・シャオシェン監督ってこういう事もできるのですね。本当に素晴らしい監督です。

 

この作品、驚きの連続です。こんなに素晴らしい武侠映画初めてです。なんと言っても映像が素晴らしい。なんと言ったらいいのでしょう。やたらカメラを振り回すわけでもなく、小津安二郎監督の様にじっと固定している訳でもなく。ゆっくりと前後に動かしたり、左右に動かして物凄く奥行きのある映像をものにしています。又、美術、衣装、ロケ地も素晴らしくて文句のつけようがありません。

 

映像は余分な照明を当てずに、室内で被写体手前に燭台、蝋燭の炎、垂れ幕を通しての撮影、あばら小屋で焚き物の煙に浮かぶ男の顔、水面に佇む湖畔の霧、白樺の林の中での対決等本当にびっくりするような美しい映像で。

あのキューブリック「バリー・リンドン」、リドリー・スコット「決闘者」、ヨルゴス・ランティモス「女王陛下のお気に入り」と同程度、それ以上かもしれません。因みに撮影監督はリー・ピンビン(華様年華、珈琲時光、ノルウェイの森)。

 

この作品で、一番の弱点はある程度の中国史の知識が必要なこと、加えて、その複雑な人間関係でしょう。それさえクリアーできれば、この素晴らしい映画を満喫できるものと思います。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。          八点鍾

 

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