レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「世紀の取引」(1983)です。
映画は、ほぼワンマンカンパニーと言っていい弱小の武器商人マンツ(チェヴィー・チョイス)は、南米サン・ミゲル共和国の田舎町の安ホテルで自殺した武器セールスマンを見つける。彼はラックアップ産業に雇われており、自殺後電話が鳴り、契約者のコルドサ将軍から連絡が入る。彼は自殺したセールスマンに成り代わってコルドサ将軍に会い、無人攻撃機"ピースメーカー"を売りつけ、取引を成功させようとするのだが…
この作品、「フレンチコネクション」「エクソシスト」で有名なW・フリードキン監督のこの作品、日本では未公開でかなり遅れてDVDが販売されたました。
ブラックコメディですが、あの「博士の異常な愛情」程出来が良い訳でなく、キャスティングもそう派手でないのでお蔵になったのでしょう。クレジットにW・フリードキンと書いてあれば、何でもいいと言う方にお勧めの作品です。因みに、私は嫌いではありません。自殺した男にスイッチするところはミケランジェロ・アントニオーニ監督「さすらいの二人」の様で。
但し、コメディでありながら、笑い不発のシーンが多く、フリードキン監督はどちらかと言えば、時代に対して鋭角的な映像を得意とする硬派なので、こういう作品は不向きの様に見えますし、時々投げて作っているような、チープなシーンも見受けられます。
無人攻撃機"ピースメーカー"は、現在活躍中の無人攻撃機プレデターのはしりの様な機体で中々興味深い。平たく尾翼がなくステルス性の高い前進翼で、現在でも通用しそう。ホンを練り直して、もう少し上手く作ればなかなか良い作品になったと思いますが。ラストの新鋭機F-19Xとピースメーカーとのドックファイトももう少しコストをかければ見栄えするでしょう。共演者はグレゴリー・ハインズ、シガーニー・ウィーヴァー等。
個人的には残念な作品だと思います。この辺りぐらいからフリードキン監督は、段々と調子悪くなり、以後、私がお薦めできるのは「L.A.大捜査線/狼たちの街」(1985)「英雄の条件」(2000)「ハンティド」(2003)ぐらいの作品でしょうか…
このブログ作成にDVDを鑑賞しています。 八点鍾