レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「復活の日」(1980)です。
東ドイツの研究所から盗み出された「MM-88」というウイルスサンプルは、米軍工作員によつて回収されようとしていたが、別の工作員によってセスナ機で運ばされていた。が、セスナ機はアルプス山中に墜落してしまう。
やがて、欧州は謎の流感が発生して多くの人に感染し、それは全世界に広まる。人類は全滅の危機に瀕していた。ただ、南極大陸を残して。昭和基地観測隊員吉住(草刈正雄)は地質学が専門で、地震の研究をしており米国ワシントン近くで巨大地震が発生すること予測する。ワシントンにはARSと呼ばれる各自動報復装置が機能しており、その地震により核戦争が始まる可能性を示唆するのだった…
数年前のコロナ禍時、私が直ぐに思い出したのはこの映画でした。日本SF界を代表する小松左京著「復活の日」を角川春樹事務所とTBSが共同制作した映画です。
和製SF映画としてはまずまずの作品で、当時としては破格の製作費を投入した作品ですが如何せん小説のスケールが壮大なので、この程度の製作費では対応できないと思われます。極端な話、国際的なキャストを含めて、もっとこじんまりとした映画にして製作した方が良かったように思います。
加えて、深作欣二監督はこの手のSF映画向きではありませんし、昭和基地越冬隊員もヤクザみたいな仕草が目につくし、南極ロケも一部を除いて成功しているとは思えません。ジャニス・イアンの甘いテーマ・ソングもオリビア・ハッセーのキャスティングも悪くはありませんが…
私が一番好きなシーンは、南極を英国海軍原潜レネイド号がワシントンに向けて出港する辺り、南極ロケも効いて一番美しいと思います。あと、ボー・スベンソンがカッコいいね。そんなところかな… この手の映画としては、「コンテイジョン」の方が遥かに現実を捕らえていると思います。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 生瀬範義氏が描いたこの映画のコンセプトアートの様に映像化されていたら、素晴らしい作品になったと思います。
こちらは生瀬範義氏のコンセプトアート