レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「メッセージ」(2016)です。
言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)は、謎の宇宙船"殻"が世界12 箇所に現れたニュースを聞くが、それと当時に米陸軍ウェバー大佐の訪問を受け、謎の宇宙船"殻"の処へ連れて行かれる。知的生命体(7本足のタコに似た軟体生物の様な形でヘプタポッドと呼ばれていた)が搭乗しており、彼らと意思疎通することに協力を求められたのだ。表音文字を利用してルイーズは、物理学者イアンと共に取り組むがが上手くいかない。そこで表意文字を試してみたら上手く良き、徐々に彼らの訪問目的を探査するのだった。やがて、ルイーズは彼らの言語を理解するにつれて、未来を予測できるようになるのだった…
この手の映画は数多くあり、例えば「未知との遭遇」「地球の静止する日」「アビス」「コンタクト」「ソラリス」「地球に落ちて来た男」等ありますが、その中でもとても興味深い作品です。特に前半、彼らの円形を核とした独特の文字が面白くて、その辺りを丁寧に描写しているのが素晴らしいと思います。
寓話に満ちた物語で、ルイーズが段々と自分の未来を断片的に見るシーンがなかなか良くて、やがて猜疑心の塊の様な国がヘプタポットの来訪の目的を誤解して戦争状態になろうとするが、ルイーズの活躍で危機を免れる。が、自分に起こる不幸は避けることが出来なくて…と言う映画で、ある意味とても志の高い作品だと思います。
監督の知性がスクリーンからほとばしる様な感じで、個人的には、あの大作「デューン/砂の惑星」シリーズより価値のある作品だと私は思います。
又、この作品、音楽が素晴らしく、特にヨハン・ヨハンソンの「カンガルー」と言う無限ループを体現させるようなミニマル音楽が素晴らしい。堪りません。うーん、美しいです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘