レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シビル・ウォー」(2024)です。
憲法で禁じられている第3期目に突入し、独裁政権の様相を呈した連邦政府に対して他州は分離独立を行い米国は、事実上の第二次南北戦争に突入した。戦場カメラマンのリー(キルスティン・ダンスト)はNYの自爆テロで知り合ったジェシーと共にワシントンまで地獄巡りの旅に出るのだった…
この問題作の監督はあの「エクス・マキナ」「アナイアレイション/全滅領域」のアレックス・ガーランド、本当にもの凄い映画になっています。
冒頭のNYでの自爆テロから始まり、ガソリンスタンド裏での血塗れ略奪者の吊り下げ、古タイヤに拘束された黒人火炙り、裁判もなく捕虜の処刑、一番凄いのは予告編に取り上げられている「お前、何処のアメリカ人?」問うシーン等々、でも、終盤のホワイトハウスで繰り広げられる小火器による近接戦闘シーンはなかなかの迫力で驚愕の一言。
でも、あんな猛攻撃シーンでは戦場カメラマンは絶対シャットアウトされると思いますが。でも映画だから何でもありですが。
個人的な感想を言うと、トランプ嫌いのこの監督、何かその感情丸出しの様な演出で、見ていてちょっとねと考え込む感じです。でも、前作「MEN 同じ顔の男たち」よりこの作品の方がずっーと好ましいというか興味深いと思いますが。
普通戦場カメラマンというか従軍カメラマンは、こんな単独行動を取らず、軍に申請し指定される部隊と共に行動するのが一般的です。映画でも、途中ワシントンに進軍するWF軍に随行する従軍カメラマン達が描かれています。
軍にとって、戦場カメラマンの管理することは大変重要なことなので。ほら、ベトナム戦争時、南ベトナム軍将校がべトコン捕虜をサイゴンで公開処刑し、そのシーンを撮った写真が全世界を巡り抜けてベトナム戦争ってそんなに醜いのだと知れ渡ってから、どの軍隊もそのようなトラブルに対して物凄く注意しているのですから。たから、彼女達の写真は、間違いなく生々しくて"不許可"になるんじゃないかな…
でも、この秋一番の話題作である事には間違いないと思います。 八点鐘
追記 こういう映画を見ていると、色々な意味で先の世界大戦後に構築されたヤルタ・ポツダム体制崩壊を予見させます。
キルスティン・ダンストがいつもと違い渋いです うーん、美しい
戦場カメラマンを扱ったこの作品、私この作品の方が好みですが…
ケイト・ウィンスレットの新作、戦場カメラマン リー・ミラーの映画も公開されるのでは…