レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「いぬ 」伝説の九分三十八秒のロングテイク、完全に準備された死・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「いぬ」(1963)です。原題 Le Doulos  "デュラス"とは、帽子のこと、但し隠語で、警察への密告者のことを言うそうです。

 

f:id:wedplain:20201008100555j:plain

この作品は、当ブログでも紹介している J=ピェール・メルヴィル監督(「仁義」「海の沈黙」「サムライ」)長編第七作になります。

メルヴィル曰く、

私はルキノ・ヴイスコンティの社交界ドラマをまったく信じていないんだよ。悲劇がタキシードとかレースの胸飾りに甘んじている。悲劇はひどく品位を落としたのさ。

悲劇とは、ギャングの世界で、あるいは戦争といった特殊な時代に遭遇する、完全に準備された死なんだ。

 

映画は、ピエール・ルスーの原作を映画化したもので、ギャングのモーリス(セルジュ・レジアニ)の猜疑心から引き起こされる悲劇を描いた作品で、モーリスは、出所後、妻の復讐の為、宝石仲買人を殺す。そして、ダチのシリアン( J=P・ベルモンド)から金庫破りの道具を借りると、仲間と仕事に向かうがタレコミがあり、警察に包囲されてしまう。

 

モーリスは仲間と逃げるが、サリニャリ警部に撃たれ仲間は死に、警部は倒すがモーリスも手傷を追うが、誰かに助けられる。モーリスはシリアンがタレコミをしたと思い、彼を捜しに街に出たところ、警察に宝石仲買人殺しの容疑で逮捕される。

 

シリアンはクラン警視の殺された警部と宝石仲買人殺しの件で執拗な尋問を受ける。

モーリスはシリアンが警察のいぬだと確信し、ある男にシリアン殺害の依頼をする。が、シリアンはモーリスを助けるため、一芝居を打ち、彼を留置場から出すことに成功するのだが、シリアンに殺し屋の魔の手が・・・

 

大変良く出来た暗黒映画(フィルムノワール)の古典です。彼は前述したように、普通のギャング映画ではなく、悲劇として、完全に準備された死を描くため、暗黒物(ミリュー)を題材としていたようです。

又、もはや伝説と化したシリアンとクラン警視との丁々発止のロングテイク、九分三十八秒のシーン等、この手の映画好きには、感涙ものと言って良いでしょう。このテイクは15回も繰り返したとメルヴィル自身が話しています。但し、15回目は14回目の補足として撮り上げたと。

もう一つ、この作品の助監督は、フォルカー・シエーンドルフ(「ブリキの太鼓」)が務めていることです。

 

ここにメルヴィルについて引用されていることは「サムライ  ジャン=ピェール・メルヴィルの映画人生  ルイ・ノゲイラ著 井上真希訳」から引用させてもらいました。メルヴィル作品が好きな人は、この本を持っていると更に勉強になるのではと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

f:id:wedplain:20201008100629j:plain

f:id:wedplain:20201008100718j:plain

f:id:wedplain:20201008100745j:plain

f:id:wedplain:20201008100816j:plain

f:id:wedplain:20201008100845j:plain

f:id:wedplain:20201008100917j:plain

f:id:wedplain:20201008100943j:plain

f:id:wedplain:20201008101031j:plain

f:id:wedplain:20201008101054j:plain

f:id:wedplain:20201008101120p:plain

f:id:wedplain:20201008101143j:plain

 

www.youtube.com

 

「イルマーレ」2006年2月14日には好いことが起きるような気がする・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「イルマーレ」(2006)です。

f:id:wedplain:20201007151627j:plain

この作品は、2006年韓国映画「시월애 (時越愛)」のリブート映画です。但し、私はこの作品は未見です。

対して、ハリウッド版「イルマーレ」(イタリア語で「海」)は、シカゴ郊外のメープル湖にH鋼とガラスと木材で建てられた、映画の中ではフランク・ロイドとル・コルビュジエを足したような、とてもモダンな「湖の家(レイク・ハウス)」の郵便受けが時空を超えて2004年と2006年が繋がっているとてもロマンチックな物語になっています。

 

2006年、シカゴで勤務医として働いているケイト(サンドラ・ブロック)は、レイクハウスから荷物を纏めてシカゴに引っ越しをする。

2004年、高名な建築家サイモン・ワイラーを父に持つ一戸建て販売会社の現場監督アレックス(キアヌ・リーブス)は父が建てたこのレイクハウスを購入し、引越しをする。

 

彼はひょんな事から、家の外にある郵便受けが2006年に繋がっていることを発見し、以前住んでいたケイトと郵便受けを介して文通を始める。

やがて、二人は互いに惹かれ始め、恋心を抱き始め、2006年2月14日、シカゴのレストランで会いましょうと連絡を取り合い、ケイトはそのレストランで待っているが、彼は現れない。彼は・・・

 

とても良く出来ています。郵便受けがタイムマシンとは、いいアイデアです。多分、そこの部分だけ、時空間が曲がっていて2006年に繋がっているのでしょう。

 

ちょっとフランス映画の様なロマンス映画です。キアヌとサンドラもとてもステキで恋人と鑑賞するには最適な映画だと思います。監督はアレハンドロ・アグレスティ、アルゼンチン出身です。うまく纏め上げています。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記

シカゴは建築の街です。行かれるのであれば、ぜひ建築美を堪能してください。

 

f:id:wedplain:20201007151714j:plain

f:id:wedplain:20201007151741j:plain

f:id:wedplain:20201007151811j:plain

f:id:wedplain:20201007151847j:plain

f:id:wedplain:20201007151918j:plain

f:id:wedplain:20201007151939j:plain

f:id:wedplain:20201007152009j:plain

f:id:wedplain:20201007152319j:plain

 

「イントルーダ 怒りの翼」たまらないB級味の邦題、加えて監督がジョン・ミリアス・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「イントルーダ  怒りの翼」(1991)です。

f:id:wedplain:20201006104650j:plain

IMDb

たまらないB級味の邦題通り、米海軍艦上攻撃機A-6イントルーダを主役にした航空映画です。タイプ的には、あの朝鮮戦争での敵橋梁攻撃の「トコリの橋」とかRAF(英国空軍)のダムバスター攻撃を描いた「暁の出撃」又、ノルウェーフィヨルド内のドイツ軍軍需工場攻撃を描いた「633爆撃隊」と同様の映画です。

 

加えて、監督が「風とライオン」「ビッグ・ウェンズデー」のハリウッド右派大物ジョン・ミリアスなので、かなりの仕上がりは期待できるところだと思います。

 

映画は、1972年、パリ和平協定前から始まります。トンキン湾にいる米海軍航空母艦インディペンデンスから発艦したA-6攻撃機のパイロット"クールハンド"大尉(ブラッド・ジョンソン)はハイフォン港外れのトラック集積場を夜間爆撃する。が、爆撃後、ベトナム軍兵士の小銃から銃弾で爆撃士は喉頭を撃ち抜かれ、クールハンドは返り血を浴び、何とか母艦に着艦する。爆撃士は絶命していた。

 

彼はフィリピン、スービックで休暇を取り、再び母艦インディペンデンスに戻り、コール少佐(ウィレム・デフォー)とペアを組み、対レーダーミサイルを搭載し、レーダーサイトの夜間爆撃を行い、見事レーダーサイトを潰すが、今度は僚機が撃破されてしまう。

 

クールハンドとコールは、不満を隠せず、次はハノイのミサイル集積所を攻撃する為、その場所を確認、回って来た夜間火力発電所攻撃後、ハノイに侵入しミサイル集積所にMk.82スネークアイ爆弾を投下して破壊する。

 

ハノイは爆撃対象外都市にも関わらず二人は爆撃した為、軍法会議にかけられるが、暫くするとラインパッカー作戦が始まり、不問に付される。

そして、イントルーダ攻撃隊は、カンパレリ中佐(ダニー・グローバー)自ら全機を率いて敵レーダーサイト、対空火器陣地攻撃に向かう。が、カンパレリ機は撃墜されてしまう。待機していたクールハンドとコールはA-6イントルーダに搭乗して、救出ヘリ援護に向かうが・・・

 

なんてことはないハリウッド製航空映画ですが、ディテールが良くて、又戦う為に生まれて来たようなコールがとても良くて、結構見せてくれます。本当にウィレム・デフォーが素晴らしい。

又、最後の母艦でのシーン等、まるでジョン・フォードの映画の様でと言ったら褒め過ぎでしょうか? 

 

ミリアス監督は、この映画を最後に劇場映画を撮っていません。そういう意味で彼の趣味思考を最大限に体現した映画だと私は思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 私はミリアス作品は、脚本では「大いなる勇者」「地獄の黙示録」映画作品では「風とライオン」「ビッグ・ウェンズデー」特に戦死した友人の墓前で酒を飲み、追悼するシーンが好きです。

f:id:wedplain:20201006104741j:plain

f:id:wedplain:20201006104811j:plain

f:id:wedplain:20201006104845j:plain

f:id:wedplain:20201006104923j:plain

f:id:wedplain:20201006104951j:plain

f:id:wedplain:20201006105034j:plain

f:id:wedplain:20201006105109j:plain

f:id:wedplain:20201006105139j:plain

f:id:wedplain:20201006105211j:plain

 

「愛人/ラマン」マルグリッド・デュラス自伝映画、貧困の為崩壊した家庭、母の悲しみを必ず小説にしてやる・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「愛人/ラマン」(1992)です。

f:id:wedplain:20201005093936j:plain

 

デュラス「愛人 ラマン」は、確か時間軸を壊した小説で、色々なエピソードが乱脈に登場するものだったと記憶しています。脚本は監督J・J・アノーとジェラール・ブラッシュ(ポランスキー作品の脚本を良く担当しています、例えば「テス」「袋小路」)

大変だったと思いきや、同じ題材でデュラスは「北の愛人」と言う作品があり、こちらは分かり易いと名作読書ブログに書いてありました。何だ・・・

 

映画は、仏領インドシナ(現在のベトナム)、家族が住んでいるサディク(現在はサデーク)からサイゴン(現在はホーチミン)に戻る"私"(ジェーン・マーチ)は、メコン河の渡し船の上で高級車ビュイック シリーズ90に乗っている中国華僑"実業家"(レオン・カーフェイ)と知り合う。そして、サイゴン迄送ってもらうことになる。

 

私はサイゴンの寄宿学校に住んでいるが、やがてリセに実業家のビュイックが現れ、私はその車に乗ってショロンにある彼の部屋を訪れ、深い肉体関係を結び始める。

 

ある時、私は実業家と共に母の深い悲しみの場所を訪れる。父の死後、かけなしの金で仏人の地方官史に騙されて、満潮になると沈んでしまう海岸縁の土地を購入し、何度も防波堤を作るのだが、やがて徒労に終わり、家庭は崩壊に瀕し、私は小説家になって、母の悲しみを書くのだと実業家に告げるのだった。

 

やがて、実業家は別の女性と結婚し、私は家族と共にフランスに戻るのだが・・・

 

映画は大変良く出来ています。特に、好ましいと思うのはジャンヌ・モローが、その深みのある少しかすれた声を生かしてナレーションを行っていることです。本当に味わいある音声で素晴らしいと思います。

又、当時、仏領インドシナの時代描写、街並み、ショロンの裏通り、サイゴン港、服装、バス、渡し船、古いシトロエン、高級車ビュイック、大型汽船等素晴らしいの一言です。

 

新人ジェーン・マーチは大変だったと思いますが、良く監督アノーの期待に応えた名演だと思います。特に、映画後半の母の悲しみの場所における静かな演技は中々好いと思います。ですが、彼女、この作品以後余り伸びなかったのは、残念なことだと思います。

 

アノー監督は、特に前作「薔薇の名前」で評価され、私はこの作品で更に評価が高まったものと思います。但し、デュラス自身はこの作品をあまり評価していないようですが、理由は主人公たちは綺麗すぎるとか、だって映画ですから仕方ないですよね。

最後に、ガブリエル・ヤレドが作曲した映画音楽も素晴らしいの一言。ぜひ、聞いてください。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾

 

追記 この十年程のベトナムの発展は素晴らしいの一言。元々教育制度が優れているので、外国資本が工業団地に工場を建てて、工業製品を生産するのに適していました。人口もほぼ1億と購買市場とみても優位性があり、暫くするとタイを追い超し、東南アジアの地域大国として浮上するのではないかと経済関係者は注視しています。

 

f:id:wedplain:20201005094028j:plain

f:id:wedplain:20201005094050j:plain

f:id:wedplain:20201005094116j:plain

f:id:wedplain:20201005094205j:plain

f:id:wedplain:20201005094134j:plain

f:id:wedplain:20201005094318j:plain

f:id:wedplain:20201005094339j:plain

f:id:wedplain:20201005094414j:plain

ここのシーンが忘れられない

f:id:wedplain:20201005094445j:plain

f:id:wedplain:20201005094514j:plain

f:id:wedplain:20201005094529j:plain

f:id:wedplain:20201005094557j:plain

リセの寮

f:id:wedplain:20201005094632j:plain

ホーチミン レタントンにある撮影に使用した建物 かなり変更されている 2018,11撮影

f:id:wedplain:20201005094845j:plain

ホーチミンにはこういう場所もあります

 

www.youtube.com












 

 

 

 

 

「Xファイル ザ・ムービー」シリーズファン待望の映画篇ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「Xファイル」(1998)です。

f:id:wedplain:20201003163602j:plain

IMDb

90年代、このXファイルは、超自然現象をFBI内Xファイル課に所属するモルダー(デヴッド・ドゥカバニー)とスカリー(ジリアン・アンダーソン)が概ね60分の枠内で解決するTV番組で、脚本の素晴しさが突出していたと思います。

 

TVシリーズではその予算が限られていたと思います。時にそのチープさが画面から見え隠れしていたのが欠点でした。

が、この映画は違います。TVシリーズのストーリーと同期しながら、かなりの予算を組んで映画化されているで、かなり良く出来た作品になっています。

このシリーズのファンは、映画館の大スクリーンでモルダーとスカリーの活躍が鑑賞できるので大満足でしょう。

 

映画は、紀元前3500年前の異星人によって持ち込まれた細菌に感染された少年、消防隊員がある組織集団に運び去られるところから始まります。

 

ダラスの連邦ビル爆破予告捜査の為、閑職にあるモルダーとスカリー(FBI Xファイル課は閉鎖されている)は、その前にあるビルに爆弾があるものと睨んで調べていると、案の定、自動販売機に仕掛けられた液体爆弾を発見する。が、爆弾解除時間が殆どなく、連邦ビルもろとも爆弾は爆発し、ビルは半壊してしまう。

 

モルダーがあるバーで酒を飲んでいると、父の友人カーツウェルという男に会い、彼がビル爆破で死亡した消防士と少年の遺体を調査せよと言い残して消え去る。

スカリーがその遺体を調査すると、爆破による死体ではなく、細菌感染等による死因のようだ。二人は死体がどこから運ばれたのか調べると、近郊の住宅街で、そこには隠蔽され、遊園地が作られており、大型トレーラーが何やら大急ぎで走り始める。

 

二人は、その大型トレーラーを追い、巨大ドームを発見、二人はそのドームに侵入するのだが・・・

 

こんな感じで、TVシリーズとは段違いなスケールで、映画は観客に訴えます。連邦ビル爆破、凄まじい爆発シーン、巨大ドーム、スカリーは謎の組織に拉致され、モルダーは南極大陸迄追跡します。

 

南極大陸の謎の基地、巨大UFO等出現して、テンコ盛りのテンコ盛りで、Xファイルのファンの皆さんは、感涙、歓喜の涙で大スクリーンを凝視することでしょう。

内容的にはなんてことありませんが、これだけテンコ盛りにした映画は、そうないのでは。

そして、最後はXファイル課閉鎖が解除されると。

 

個人的には、もう一本の映画、「Xファイル: 真実を求めて」の方がTVシリーズに近い味わいなのが好きですが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。           八点鍾

 

f:id:wedplain:20201003163645p:plain

f:id:wedplain:20201003164009j:plain

f:id:wedplain:20201003163711j:plain

f:id:wedplain:20201003163744j:plain

f:id:wedplain:20201003163814j:plain

f:id:wedplain:20201003163844j:plain

f:id:wedplain:20201003163910j:plain

f:id:wedplain:20201003163935j:plain

f:id:wedplain:20201003164038j:plain

f:id:wedplain:20201003164059j:plain








 

 

「ドラブル」ドン・シーゲル+マイケル・ケインのエスピオナージスリラー映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ドラブル」(1974)です。

f:id:wedplain:20201002094742j:plain

監督が「ダーティハリー」のドン・シーゲルです。ずっとB級作品を手掛けてきた職人監督ですが、スティーブ・マックィーン主演「突撃隊」辺りから頭角を現し始め、「殺人者たち」「マンハッタン無宿」「真昼の死闘」、そしてあの傑作「ダーティハリー」でブレークした監督です。

 

そのドン・シーゲル監督が初めて挑んだエスピオナージスリラーがこの作品です。マイケル・ケインが主役ですが、対する悪役があの「殺しの分け前/ポイント・ブランク」「トパーズ」「爆走!」「ダーティハリー」「突破口」に出演しているジョン・ヴァーノンです。

 

ストーリーは、現代のロンドンから始まります。対破壊工作局に勤務するタラント(マイケル・ケイン)は、テロ対策としてバロウズ(セリフィーヌ・セイリグ)に会ってマッキーの居所を聞き出そうとしている。そんな時、彼の息子が誘拐されたと連絡が入ります。

 

誘拐犯ドラブル(ジョン・ヴァーノン)は、局が対テロ工作に準備している50万ポンドのダイヤ原石を身代金として要求してきます。この身代金の要求から、タラントの上司はドラブルとタラントは芝居をしているのではと疑います。

 

当局は、身代金を支払わないと決定されたので、タラントはやもう得ずダイヤを盗み、ドラブルの指示に従ってパリに行く。バロウズがやって来て、ドラブルに会うタラントだが、すきを突かれて、ダイヤは盗まれ、殺されたバロウズの横に気を失って倒れていた。

フランス警察から英国情報部に引き渡されるが、ドラブルによって護送車が襲われ、事由のみになるが、反対に殺人犯として手配される羽目になる。

 

どうにかロンドンに戻り、妻と連絡をとりドラブルが漏らした言葉「子供は二つの珍しい風車の近くにいる」から場所を割り出し、ドラブルと最後の対決を行うのだが・・・

 

フランスに場面が移ってから少し鈍くなりますが、再び英国に戻るとあっという間に裏切り者を見つけ出し、イングラムMAC-10マシンガンを使用した銃撃戦はドン・シーゲル監督の真骨頂と言って良いと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

f:id:wedplain:20201002094816j:plain

f:id:wedplain:20201002094841j:plain

f:id:wedplain:20201002094910p:plain

f:id:wedplain:20201002094947j:plain

f:id:wedplain:20201002095018j:plain

f:id:wedplain:20201002095046j:plain

f:id:wedplain:20201002095131j:plain

f:id:wedplain:20201002095154j:plain

f:id:wedplain:20201002095312j:plain

 

www.youtube.com

 

「日曜日には鼠を殺せ」フレッド・ジンネマン監督による異色スペイン内戦後日談ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「日曜日には鼠を殺せ」(1964)です。(作品はモノクローム)

f:id:wedplain:20201001103922j:plain

IMDb

「真昼の決闘」「地上より永遠に」「わが命つきるとも」「ジャッカルの日」「ジュリア」等巨匠フレッド・ジンネマン監督の作品中、この作品は、最も不遇な作品だと思います。

 

スペイン内戦を扱った作品は多くありますが、最も有名なのはサム・ウッド監督「誰がために鐘が鳴る」でしょう。ハリウッド作品らしくリッチなメロドラマ仕立てでした。ほかにアラン・レネ監督「戦争は終わった」タルコフスキー監督「鏡」私は未見ですがケン・ローチ監督「大地と自由」があります。

 

この作品と似ているのはレネ監督「戦争は終わった」でしょう。「戦争は・・」は反政府活動家を主人公にしているのに対して、「日曜日には・・」は内戦に負けて、フランスに亡命した元共和国軍兵士を描いた異色作と言って良いでしょう。原作はあの「黒水仙」「赤い靴」のエメリック・プレスバーガーの同名の小説です。

 

映画は、1939年、内戦に負けた共和国軍兵士達がピレネー山脈を越えてフランスに亡命する処から始まります。歴戦の勇士マヌエル(グレゴリー・ペック)はフランス官憲による武装解除に腹を立てて、スペインに戻ろうとしますが、やむを得ずフランスに亡命します。

 

20年後、スペインからパコと言う少年がピレネーを超えて、フランス、ポーの町(ここには亡命スペイン人が多数暮らしていた)にいるマヌエルに会いに来た。

少年は「父を拷問で殺した警察署長ヴィニョラス(アンソニー・クィン)を殺してくれ」という。

 

ヴィニョラスは、マヌエルを逮捕すべく、彼の母が亡くなっていたのだが病院で危篤状態とうその情報を密告者カルロスに流し、病院に伝染病発生として、封鎖、狙撃部隊を配置し、罠を仕掛けていた。

マヌエルの母が亡くなった時、近くにいたフランシスコ神父(オマー・シャリフ)が母の最期の言葉、罠だから私に会いに来ないで欲しいと 。

フランシスコ神父は、その日の夜フランス、ルルドに出掛けることになっていたので、手紙を書き、渡そうとするのだが・・・

 

映画は、あのドキュメンタリータッチ「ジャッカルの日」に比較して重くなっており、母のこと、パコ少年の依頼、ヴィニョラス署長の仕掛けた罠、密告者カルロスの嘘、マヌエル自身の年齢による不安等払いのけて、戦友ペドロ(パオロ・ストッパ)と武器を掘り出しに行き、マヌエルは、単身ピレネーを超えて、ヴィニョラス署長に復讐に行く。

 

グレゴリー・ペックは、「アラバマ物語」でオスカーを得てから始まる、良い言葉で言えば重厚で、コクのある演技で中々好いと思います。特に、単身ピレネーを超えるシーンはとても美しく、良い味わいが出ていると思います。

 

最後の銃撃シーンは、この時代にしては中々迫力のあるものだと思います。マヌエルはどうしても裏切り者を許せなかったのでしょう。多分、次はペドロが、彼が倒れたらパコが、その志を継ぐものだと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鍾

 

f:id:wedplain:20201001104019j:plain

f:id:wedplain:20201001104046j:plain

f:id:wedplain:20201001104113j:plain

f:id:wedplain:20201001104137j:plain

f:id:wedplain:20201001104157j:plain

f:id:wedplain:20201001104223j:plain

f:id:wedplain:20201001104245j:plain

f:id:wedplain:20201001104321j:plain