レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「殺人捜査」エリオ・ペトリ監督の異様で多分に風刺的なサスペンス映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「殺人捜査」(1970)です。

 

 

殺人課課長(ジャン・マリア・ボロンテ)は、愛人アグスタ(フロリンダ・ボルカン)宅で彼女を殺す。その日は、殺人課課長から公安課に移動して公安部長に昇進した時だった。彼は、ネクタイの糸くずを殺されたアグスタの爪に絡ませたり、血痕のついた靴跡、彼女の宝石を盗んだりしてその部屋を出る。警察に殺人事件を通報し、のうのうと本部に戻り、殺人の一報が入ると部下と共にその愛人宅へ駆けつけるのだった…

日本では、あまり知られていないイタリア、エリオ・ペトリ監督の独特な味わいを持った推理サスペンス映画です。

いや、ジャン・マリア・ボロンテが最高ですね。私の世代で好きなイタリア男優と言えば、ボロンテですね。あの「荒野の用心棒」からメルヴィル監督「仁義」までうーん、美しいの一言です。この作品も、髪を七三に分けたサラリーマン風の容貌で、左翼学生の耳を引っ張りながら、あのイタリア語のマシンガントークでいたぶるシーンはうーん、素晴らしくて涙で出ます。

勿論、妖艶な魅力全開のフロリンダ・ボルカンも素晴らしく、この二人は性倒错者で殺人現場を死体を真似て写真を撮影する等当時としてはかなりキレた映画になっています。とても興味深く、非常に面白い映画に仕上がっています。加えて、あのスタンリー・キューブリック監督がこの映画を見て、エンニオ・モリコーネの音楽を惚れ込んだそうです。なるほど、いいスコアを書いています。

ペトリ監督は寡作の監督で、この作品以外に「華麗なる殺人」「悪い奴ほど手が白い」等数本公開されていますが、当時この作品が日本で一番評価されました。

このブログ作成にVODにて鑑賞しています。          八点鐘

 

 

追記 ずっーと再見したいとBD,DVDを探していたところ、クライテリオンで見つけて購入しようとしましたが、偶々アマゾンプライムで4K版を配信していたので、購入を止め鑑賞しました。画質が良く、とても良かった。興味を持たれた方は、ぜひ鑑賞して見て下さい。もう一つ、ボロンテが運転している車、アルファ・ロメオ2600スプリント、こいつもうーん、美しいです。

 

 

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          フロリンダ・ボルカンもうーん、美しい