レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ブラッド・ダイヤモンド」(2006)です。
1999年アフリカ、シエラレオネ内戦下。反政府勢力革命統一戦線(RUF)は、近隣の村を襲い少年を集め、洗脳し少年兵を政府軍との戦いに投入していた。漁師ソロモンは村を襲われて、家族は逃がしたものの自分はRUFダイヤ採掘場で強制労働を強いられるが、大粒のピンクダイヤを見つけ、上手くその場に隠すことに成功する。やがて、政府軍の攻撃を受け、彼は政府軍にとらわれる。
白人傭兵アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は、武器と交換したダイヤをRUFから受け取り、隣国リベリアに密輸するが政府軍に見つかり拘束される。そこには、ソロモンが捕らえられており、ピンクダイヤの話を聞きそのダイヤを手に入れる為、彼を留置場から解放し、RUFダイヤ採掘場へ向かうのだが…
以前、BBCニュースでアフリカでの少年兵ドキュメントを見たことがありますが、この世の者と思えない物凄い内容でした。そんな重い重い出来事をオブラートに包み込んで社会派サスペンスアクションに仕立て上げるハリウッドは本当に見上げたものです。
監督は「戦火の勇気」「ラストサムライ」等社会派物がお得意なエドワード・ズウィック、後半些かもたつきますが、うまく纏めています。
今回の場合、アーチャーを演じたレオナルド・ディカプリオが良いですね。金の為なら何でもやる様な男だが、引き際をよく考えており最後にはソロモンを助ける為に、自分が犠牲になってコルトCAR-15銃を追手に向かって乱射して時間稼ぎをするんです。あの名作「誰がために鐘は鳴る」のロベルト(ゲーリー・クーパー)の様に。うーん、美しいです。
最近、犠牲的精神を発揮するこの手の映画は殆ど亡くなりましたが、こんな形で甦るとは思いませんでした。涙がこぼれそうになりました。
この映画、紛争ダイヤがいかに血に染まっているかを正しく伝えていると思いますが、実際はもっともっと悲惨だろうと思います。ラストは、ハリウッド映画らしく甘いですが、それでも"神が見放した大地"と言われるアフリカの現状を適切に伝えていると私は思いますが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘