レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ネクスト」勇ましいジュリアン・ムーアと2分先が見える男ニコラス・ケイジのサスペンススリラー映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ネクスト」(2007)です。

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ご覧になった方は、余りいないのではないかと思います。私も最近BDを購入し、鑑賞したばかりです。100分弱の作品なので、いま一歩なのかなと思い、鑑賞すると意外に良いんです。監督はリー・タマホリ、「007 ダイ・アナザ・デイ」「トリプルX ネクスト・レベル」が有名です。

 

映画は、核兵器共にLAに潜伏したテロリストを逮捕するために、FBIのフェリス捜査官(ジュリアン・ムーア)は、ラスベガスでケチなマジックで生計を立てているクリス(ニコラス・ケイジ)がある時、強盗殺人事件を未然防いだことに目を付け、彼が予知能力、二分先の未来を見ることが出来る、を持っていると確信して、捜査に協力させる。だが、テログループはクリスの恋人を拉致して、捜査を妨害し始めるのだが…

 

原作はフィリップ・K・ディックの「ゴールデン・マン」ですが、全く別物になっています。どちらかと言えば、ラリー・コリンズとドミニク・ラピエール共著「第五の騎手」からアイデアを頂いている様な感じさえします。

 

でも、「ハンニバル」で味をしめたのか勇ましいジュリアン・ムーアのバードボイル演技はなかなかイケます。結構死体の山を作ってくれます。又、ニコラス・ケイジも後半どっしり構えてとても良く、予知能力を最大限に活用し、テログループの仕掛けたトラップを外して追いつめていくところは見せてくれます。

 

ラストは意見が分かれるところです。このラストも悪くありませんが、やはり興行を考えるとストレートなラストの方が良いかと思いますが、量子物理学には、観測者効果と言う現象があり、観測者が観測することで未来に影響を及ぼすとか。うーん、難しすぎます。だから、こういうラストもあるのだと…

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。  八点鍾

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「ベイビー・ドライバー」この映画に登場するゲッタウェイ・ドライバーは、更なるドリフト野郎で…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ベイビー・ドライバー」(2017)です。

 

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ベイビー(アンセル・エルゴート)と呼ばれる若いドライバーは、叩き(強盗)の逃亡を請け負っている。腕は立つターマックスペシャリストと言って良い。サイドを引きカウンターを当てるドリフト野郎。へなちょこPC(パトカー)なんか怖くはない、警察ヘリもかわすものお手の物。車は小型で馬力のある4WDが好みだ、最近はAWDと言うのかな。だから、スバル インプレッサWRXなんて最高さ。気分はコリン・マクレーさ。

両親を自動車事故で亡くし、その時のトラウマで耳鳴りが酷く、iPodで音楽を聞かないと。ある時、レストランでデボラ(リリー・ジェイムズ)と言うウェイトレスに出会い、最近はとてもハッピーこの上ない。

叩きのボスはドク(ケビン・スペイシー)、最後の仕事に連邦郵便局を考えて、新しい仲間バッツ(ジェイミー・フォックス)加えたが、こいつが箸にも棒にもかからない奴で、すぐにトリガーを引く糞野郎で…

 

以前、このブログでも紹介したウォルター・ヒル監督「ザ・ドライバー」の21世紀バージョンと言って良い作品です。大変良く出来ており、車好き、特にラリー好き、WRC好きであればこの作品は最高の映画でしょう。冒頭のスバル インプレッサー爆走シーンはもう最高だと思います。丁寧なドラテク描写が光っていると思います。監督は「ホット・ファズ 俺達スーパーポリースメン!」のエドガー・ライト。

 

加えて、作品はポップな音楽で味付けされて、後半はバッツがのさばるので普通のギャング映画になってしまいますが、私は、やたら大型車を使用するジェイソン・ステイサムの「トランスポーター」よりこの作品の方が好ましいと思います。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。    八点鍾

 

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美しいリリー・ジェームズ GQ誌より

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「ブラック・ウィドウ」スカーレット・ヨハンソンが演じる世界最強の女スパイより私はレイチェル・ヴァイスの方が…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ブラック・ウィドウ」(2021)です。

 

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映画は、米国に潜入していたスパイ家族、ナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)達がキューバに脱出するところから始まります。その後、ノルウェーでひっそりと生活しているところ、ロシアのタスクマスターに襲われるが辛くも脱出。ブダペストに居る妹エレーナ(フローレンス・ピュー)と共にレッドチームのボス、ドレイコフの野望を砕こうとするのだが…

 

マーベルコミックから派生したスーパーヒロイン映画です。全体に良く纏まっていますが、この手の映画を始めて見る方であれば、大変楽しめる一編だと思います。が甘々のラストも含めて、アクションは迫力がありますが、私は少しばかりマンネリ気味に感じました。監督はケイト・ショートランド、こういうアクション映画を女性監督が撮っているのに驚きました。

 

ハンガリーのブダペストが一部舞台になるので、ハンガリー出身のレイチェル・ヴァイスが登場するのでしょう。「女王陛下のお気に入り」では、狡猾なマールバラ公爵夫人を演じてなかなかの存在感を発揮していましたが、残念ながら、この作品ではそういう見せ場はありません。

でも、彼女を眺めていると、何かほっとします。この作品とは関係ありませんが、レン・デイトン原作、世界最長のスパイ小説バーナード・サムソンシリーズが映画化されるのであれば、サムソンの妻、確かハンガリー出身のフィオーナを演じたらいいだろうなと思いながら見ていましたが。

 

前述したように、このシリーズを長く続けていくには新しい個性が必要な時期に来ているように感じるのは私だけでしょうか?         八点鍾

 

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    ハーパーズ・バザーズ誌のインタービューから

 

marvel.disney.co.jp

 

追記

<バーナード・サムソンシリーズ>

ベルリン・ゲーム

メキシコ・セット

ロンドン・マッチ

スパイ・フック

スパイ・ライン

スパイ・シンカー

最後のスパイ 信義

最後のスパイ 希望

最後のスパイ 慈愛

<番外編>

ヴィンター家の兄弟

デイトンが、第一次世界大戦から第二次世界大戦、ポーランド、ベルリンの壁崩壊までを綴った大河小説、エスピオナージスリラーサーガです。ご興味のある方はぜひお読みいただきたいと思います。(苦笑)

 

ja.wikipedia.org

実はこんな噂もあったんですよ。

moviewalker.jp

 

 

 

 

 

「シンプルな情熱」フランス映画の一番得意な分野なのに…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シンプルな情熱」(2020)です。

 

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映画は、エレーヌ(レティシア・ドッシュ)はあるパーティでロシア大使館セキュリティサービス、アレクサンドル(セルゲイ・ポルーニン)と知り合う。年下の既婚者なので、友人は「のめり込まないで」と注意するのだが、彼女は恋に生きる選択を選ぶのだが…

 

私はアニー・エルノーの原作を読んでいませんし、この作品を見る限りではとても読みたいとは思いません。原作はもっと詳しく書き込んであるように思いますが。

加えて、新作なのであまり辛辣なことを書きたくありませんが、この作品はどう見ても中途半端な作品になっています。

ラスト、ナレーションですましているこの作品、ここで手を抜いては駄目ですよね。この監督、この手の映画には不向きの様に思えます。

 人物描写もなおざりで、これだとレティシアが余りにも軽い、ベルトから下だけの女の様に見えますが、これでいいのでしょうか? 

 

監督はダニエル・アービッド、レバノン出身の女流監督ですが、この程度の腕前ではこの世界でサバイバルできないと思いますが。と言うより他の女流監督の道を閉ざしてしまうのではないでしょうか?

 

敢て書きますが、この映画を鑑賞するより、例えば「柔らかい肌」「花様年華」「ダメージ」「恋人たち」「わが愛は消え去りて」「マディソン郡の橋」「運命の女」「リトル・チルドレン」等を鑑賞した方が、皆さん多分満足されると思いますが…

 

この様な紹介で申し訳ありません。次作は、ガツーンと私の頭を度突き倒すような作品を期待しております。                      八点鍾

 

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www.cetera.co.jp

 



 

 

 

「ハドソン川の奇跡」2009年1月15日のに起きた飛行機事故のお話ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ハドソン川の奇跡」(2016)です。

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飛行機事故作品って色々あります。そうですね、あの大作「大空港」(1970)ぐらいからちょくちょく製作され始めたと思います。でも、映画会社は好んで製作したくないと私は思っています。理由は、飛行機内で上映されることが出来ない為で、高度1万メートル上空で飛行機事故映画を鑑賞するのもスリルがあって良いかなとも思いますが。私はご免ですが。

でも、2009年1月15日早朝に起きたこの飛行機事故、もう12年経つんだ。時の立つのがとても速いこと速いこと。

 

映画は、2009年1月15日に起こったエアバスA320飛行機事故、バードストライクによる両エンジン損傷、ハドソン川に緊急不時着水し、奇跡的に誰一人亡くならなかった事件とその後のNTSB(国家運輸安全委員会)事故調査委員会による査問を描いています。

 

クリント・イーストウッドが製作、監督したこの作品、大変良く出来ています。淡々と描写し、A320がハドソン川に不時着水し救助船に乗客を乗せ、機内を最後迄確認し、最後に救助船に乗り込んだサレンバーガー機長(トム・ハンクス)が妻(ローラー・リニー)に携帯で連絡するシーンが素晴らしい。

最後迄乗客の確認をして、救助船に乗り移る機長は、当たり前と言えば当たり前ですが、本当に素晴らしいと思います。実際、出来ない人もいるのですから(数年後、韓国で起きたセウォル号沈没では、真っ先に艦長が逃げている)。

 

こういう作品を見ると、私が常日頃鑑賞する作品とはすこし違いますが、たまにはいいものですね。とてもすがすがしい気分になれます。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。    八点鍾

 

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「ランボー」ベトナム帰還兵の結構重い映画に驚きましたが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ランボー」(1982)です。

 

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シルベスター・スタローンをブレークさせた「ロッキー」に続く、アクションスターとして位置付けた決定打の作品と言って良いでしょう。

でも、30年振りに鑑賞して見ると意外や重い作品であることに気付きました。ベトナム帰還兵としてあるトラウマを持った特殊部隊の一兵士の物語になっています。

ベトナム帰還兵の作品、「バニシングポイント」(1971)辺りが最初でしょうか? ハリー・キャラハンシリーズ第1作「ダーティハリー」で登場するスコルピオと言う男、監督ドン・シーゲルはベトナム帰還兵だと言っています。日本では理解出来なかったのですが、米国では大きな社会問題になっていたのでしょう。

 

映画は、ベトナム戦争後戦友を訪ね歩いているランボー(S・スタローン)が、ある町で保安官ティーズル(ブライアン・デネヒー)に絡まれ、浮浪罪で逮捕される。保安官事務所で取り調べ時に、ベトナム戦争時のトラウマが蘇り、保安官助手達をぶちのめして、山岳地帯に逃亡する。

ベトナムでゲリラ戦の名手だったランボーは、追跡してきた保安官達を愚弄し、果てはヘリコプターでランボーを狙い撃ちして来た助手を事故で殺してしまう。ティーズル保安官は州兵に助けを求めて、ランボーを亡き者にしようとするのだが…

 

 

女っ気無しの男臭い映画で、結構重いテーマをうまく纏めています。ランボーの上官としてリチャード・クレンナ(「砲艦サンパブロ」「リスボン特急」)がなかなか好い味を出しています。

いずれにしても、この作品は意外に重い作品で、続編とは全く別の味わいの映画になっています。特にラスト、ランボーが激白するブビートラップでバラバラになった戦友について告白するシーンはなかなかのものです。

監督はテッド・コッチェフ、個人的にはこの作品より次作「地獄の7人」の方が好きですが。この作品はベトナム政府が隠している米国捕虜を元軍人達が私戦を戦い、彼らを奪還するという映画ですが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。   八点鍾

 

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「ゴジラvsコング」ハリウッド版「キングコング対ゴジラ」皆さん、ご存知の様にもう一体登場しますが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ゴジラvsコング」(2021)です。

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多分、今年の夏公開される映画の中で一番の話題作でしょう。大作ですし、何よりも我が国発祥のキャラクター、ゴジラが登場するのですから。

 

 

映画は、地球空洞説を信奉している組織モナーク。南極大陸にあるエネルギー資源を手に入れるためにコングを大型タンカーを改造した輸送船で運んでいると、突然ゴジラの襲撃を受ける。

当然、予期されることなので1個空母打撃群で護衛していたが、あっという間にゴジラによって壊滅される。仕方なく気球を使用して、コングを南極へ。発見した空洞入り口にコングを運び、地球空洞部へ行かせようと。この辺り東宝映画「キンクコングの逆襲」と少し良く似ていますが。

巨大テクノロジー企業エイペックスは、香港であるプロジェクトに没頭しており、それが何なのか、前作のヒロイン、マディソンが暴こうとするのだが…

 

先ずは、私のブログを読んでも読まなくてもこの作品を鑑賞して欲しいと思います。

とても良く出来ています。特にSFXが素晴らしいと思います。戦後、ひ弱な日本を舞台に最大級の絶対悪として登場した「ゴジラ」、人によってはあのジョン・ヒューストン監督「白鯨」よりも素晴らしいと言われた本多猪四郎監督「ゴジラ」。

それがハリウッド映画として蘇り、本作で3作目。素晴らしいキャラクターとなって活躍しているさまを見ると嬉しくなります。加えて、スクリーン狭しと大暴れして、破壊の限りを尽くしてくれます。アクションはテンコ盛りのテンコ盛りになっています。

そして、ドルビー・アトモスで鑑賞したので、うーん美しいです。

物凄くテンポが速いので、あっという間の2時間だと思います。頭の空っぽにして十分に楽しんで欲しいと思います。本当に楽しめます。個人的には、もう少し味のある演出を期待していましたが、そんなものは必要ないのでしょう。監督はアダム・ウィンガード、主演者はアレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、小栗旬等。

 

映画にはこういう作品も必要だと思います。       八点鍾

 

追記 オールドファンとして宝田明、水野久美両氏がチラリと出ていたらもっともっと嬉しくなったと思います。

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