レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ザ・バンク 堕ちた巨像」メガバンクIBCCを舞台にしたノワールスリラーですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ザ・バンク 堕ちた巨像」(2009)です。

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IMDb

 

映画は、メガバンクIBCCの違法行為を告白する幹部証人から話を聞いた協力者が、インターポールのサリンジャー(クライブ・オーウェン)で急性心不全で倒れるシーンから始まります。ニューヨークからエレノア・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)も駆けつけるが決定的な証拠は見つからない。

 

ただ、このメガバンクがミサイル誘導装置を購入しようとしていることを知り、納入先の軍事メーカー社長で次期イタリア大統領候補カルビーニからこのメガバンクのことを色々と聞く。紛争国に融資をして、紛争を大きくして当事国を負債まみれにすることでその国をコントロールすると。

 

が、そのカルビーニも演説中に狙撃されてしまう。狙撃者はその場で射殺されるが、この事件、もう一人の狙撃者がおり、その男が狙撃したことが判り、追い詰めるがエレノアは犯人の車にひかれて、逃がしてしまうが、遺留証拠から犯人が義足であることが判り、米国に逃げていることを突き止める。犯人を拘束するために米国に飛ぶ二人だが・・・

 

この作品を劇場で鑑賞した時は、良く出来たノワールサスペンスと思いましたが、今回新たに鑑賞して、メガバンクIBCCはかって実在したBCCIをモデルにしていることを初めて知りました。

こんな銀行がかってあったとは。まったく恐ろしい話です。というより、誰かを隠れ蓑にして便利な金融機関を作り上げたようです。CIAとの関係もあったとWikiに書かれています。映画としては良く纏まっています。

 

少しネタバレになりますが、グッケンハイム美術館での銃撃戦はやり過ぎでしょう。悪くはありませんが、メガバンクの常軌を逸した違法行為の映画なのでバランスが崩れている感じがします。

クライブ・オーウェンも力が入り過ぎていて、こんな感じでは捜査が出来ないのではと思わせるほどです。もっとナオミ・ワッツを全面に押し出した方が映画としては良かったのではと思います。

監督はトム・ティクヴァ、あの「パフューム ある人殺しの物語」が有名です。

 

ブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記 しばらくするとドイツ銀行での中国政府高官のマネーロンダリングの映画が製作されるかもしれません。商業的にヒットするかどうか知りませんが・・・

 

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「シチリアーノ 裏切りの美学」マカロニ・ノワールですが、やはりコーザ・ノストラ実録映画です・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シチリアーノ 裏切りの美学」(2019)です。

 

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IMDb

マフィア映画ですが、監督があの「肉体の悪魔」のマルコ・ベロッキオなので、あまり期待しませんでしたが、この映画はなんと形容したらいいのでしょう、素晴らしい作品です。力作です、問題作です、こういうタイプの作品はそうめったに現れません。

 

この種の映画が好きな人は鑑賞した方が良いと思います。この映画を見れば、その傑作「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザーパートⅡ」が本当に良く出来たメロドラマに見えることでしょう。やはり、本場の味わいは深いと思います。

但し、「ノーカントリ」「トラフィック」「ボーダーライン」等を鑑賞した後に感じる絶望的な現実を突きつけられ、暫く打ちのめされることは間違いありません。

 

映画は、1980年シシリー島パレルモにマフィアのメンバーが集まり、何やら会合を行うが上手くいかず、仲裁役のトンマーゾ・ブシェッタはブラジルに行く。

映画が始まると、いきなり色々な面々が出てきて、名前が映し出されるが、顔と名前が一致しなくて、加えてあまり好きではない法廷映画の一種のような感じして・・・

 

でも、ブシェッタはブラジルでのんびりと過ごしていたが、シシリーに残してきた息子たちが一人また一人とやられて、シシリーに戻ろうとするとブラジル武装警官隊に拘束され、物凄い拷問。そしてイタリアに強制送還、そしてファルコーネ判事に今まで行った驚愕するような事実を話始めるのだが・・・

 

そう、少し前であれば、「シシリーの黒い霧」「コーザ・ノストラ」フランチェスコ・ロージ又は「悪い奴ほど手が白い」エリオ・ペトリ監督辺りが監督したことでしょう。ぴったしの題材です。でも、ご両人とも天国に召されているので、ベロッキオ監督がということだと思います。

 

「ゴッドファーザー」では、マフィアはイタリア移民の互助組織という位置づけですが、この作品を見ていると、ここに描かれている犯罪組織、コーザ・ノストラはシシリーの互助組織なんかではなく正確に伝えることは出来ませんが、文化、伝統と考えた方が良いと思います。

だから、この犯罪組織を壊滅することは無理だろうと。映画後半、ファルコーネ判事が自動車爆弾で爆死すると、シシリー人の喜ぶ様が尋常でないのに驚きました。

 

そして、シシリー島には独特の方言があり、そこに暮らした人でないと理解できない。裁判中に、被告が興奮するとシシリー方言で発言し、標準語で話してくださいと裁判長がたしなめるシーンがあります。これにも驚きました。この映画では驚くことが一杯です。

 

日本人が理解できないとてつもない世界がシシリー島にはあります。そこで生活しないと理解できないと思います。

 

特に、ブシェッタがある男を殺そうとするが、相手は察していつも自分の子供と一緒にいるので殺害できないが、その子供が成人、結婚して父親から離れたとたん、ブシェッタが現れ殺害するエピソードがこのコーザ・ノストラの組織の性格を表していますし、映画でもとても印象的に使用されています。         八点鍾

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全てはここから始まった

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「大侵略」こういうB級タイトルがたまりません・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「大侵略」(1969)です。原題は「Play Dirty」つまり、汚くやれ! Bっぽくたまらない題名です。

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IMDb

監督アンドレ・ド・トス、主演マイケル・ケイン、ナイジェル・ダヴェンポートの戦争アクションです。こういうタイプのアクション映画好きなら結構な拾い物映画と言って良いでしょうね。

 

第二次大戦、北アフリカ戦線。冒頭SASジープに乗るリーチ大尉(ナイジェル・ダヴェンポート)が"リリー・マルレーン"を聞きながら、沙漠を疾走しているが英軍占領地区に入ると"ユー・アー・マイ・サンシャイン"に変えて司令部に戻り、作戦は失敗でしたと報告する。

 

マスターズ大佐はブロア准将に報告し、又新たな作戦を実施したいと意見具申する。それは敵地奥深く侵入し、ロンメル指揮するアフリカ軍団の燃料基地を破壊する作戦だった。ブロア准将は認可して、一人の男がマスターズの元に配属されることになった。

 

ダクラス大尉(マイケル・ケイン)とリーチ大尉は、イタリア軍将校に化け、六名の部下と共に出発する。リーチ大尉も含めた7名は、すべて犯罪者で色々とやってくれます。些細なことでイタリア軍でないことがばれれば、ベドウィン隊を殺戮し、ドイツ軍医療車を奪えば、役に立たない奴を殺す。

 

この監督、あまりよく知らないのですが、この映画は中々見せてくれます。特に地雷の描写など鳥肌が立つぐらい良いと思います。目標の燃料基地に砂嵐に紛れて突撃するシーンも上手いし、この基地がダミーと判るあたりも大変上手いと思います。

 

やもう得なく、自力で司令部に帰還するために別の燃料基地を襲撃するのですが・・・

 

物凄く前に、劇場で鑑賞した時の記憶が殆どないので、スカスカの映画かなと思って再度鑑賞したら、意外に良い感じの戦争アクションで、戦争のドロドロ感、嫌らしさ、虚しさなども上手く表現されていました。

もう一つ、沙漠をジープで踏破するのでタイヤが傷むため、その辺りの簡潔な描写もこの作品の印象をさらに良くしています。

 

今回、マイケル・ケインよりナイジェル・ダヴェンポート(「フェイズⅣ」「グレイストーク」)が良かった。ちょっとリー・ヴァン・クリーフに似ているので、余計マカロニ・コンバットを思い出した次第です。二人がスペイン製スターZ45マシンガンを構えるシーンはとても決まっています。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鍾

 

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「ショートピース」オムニバスのアニメ作品ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ショートピース」(2013)です。

 

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このブログでは、少ないですがアニメ作品も紹介しています。この作品は、短編4編のアニメ作品です。日本製アニメは海外では有名ですが、例えば宮崎駿、新海誠、私はこちらのスタイルの方が好みです。あくまでも好みの問題ですが。

 

全体で70分程度の作品です。各篇15~20分程度の短編です。何れも実験的作りですがとても良く出来ています。特に第二話火要鎮の火災の表現力は素晴らしいと思います。

又、第四話武器よさらばの戦場描写も群を抜いています。近未来の戦場は、この作品が描いたようなものになるのでは思います。

 

第一話 九十九 森田修平監督

18世紀の日本、山中で道に迷った男が、雨をしのぐ為祠に入る。その祠に祭られていた傘、織物のお化けに男が悩まされるお話。

山中の描写、傘、織物のお化けの描写が素晴らしい。彩色も優れている。短編ながらとても良く出来ている。

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第二話 火要鎮 大友克洋監督

18世紀の江戸が舞台。幼馴染の男が火消しになり、その男のことが忘れられない豪商の娘お若が火事を起こし、その火消しと再会するが、火の勢いが強く二人とも焼け死んでしまう。

単純な物語だが、それがまた良い。特に、お若の描写に良く表れている。火災の描写がとても好く、このオムニバスの中では一番素晴らしいと思う。

又、音楽の使い方も和太鼓をつかった音楽で、武満徹「上意討ち」を思い出したほど。

 

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第三話 GAMBO 安藤裕章監督

16世紀の東北地方。鬼と呼ばれる異星人が村を襲い、若い娘を拉致する。白熊ガンホは鬼と戦い両者とも絶命する。

良く出来ているが、人物も話の展開も常識的で、このオムニバスの中では見所が少ない。但し、一般的なアニメの水準から見れば、とても良く出来ている。

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第四話 武器よさらば カトキハジメ監督

近未来の東京、新宿での兵士対自立型戦車ロボットの接近遭遇戦。

近未来におけるパワースーツを装着した近代地上戦、接近遭遇戦のディテールが素晴らしい。飽和攻撃による自立型戦車ロボット対決等見所一杯。但し、アニメ技術では、このオムニバスの中では一番平凡かもしれない。

 

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このブログ作成にBD版を鑑賞しています。     八点鍾

「カリブの熱い夜」あのノワールスリラー「過去を逃れて」のリブートですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「カリブの熱い夜」(1984)です。

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1947年に製作されたジャック・ターナー監督の「過去を逃れて」のリブート作品で、ファム・ファタール物と言って良いでしょう。

 

ブローガン(ジェフ・ブリッジス)は、プロフットボール選手だが往年の勢いはなく、チームを首になり、ナイトクラブの友人ジェイク(ジェームズ・ウッズ)の女友達ジェシー(レイチェル・ウォード)がメキシコ、コズメル島にいると思われるので捜して欲しいと言われ、その仕事を引き受ける。

 

ジェシーは見つけたが、その美貌に魅せられて、ブローガンは自分のものにしてしまう。そこにチームコーチがやって来るが、三人でもみ合いになり、ジェシーはコーチを撃ち殺し、逃げてしまう。ブローガンはコーチの死体を始末して、ジェイクのもとに帰るとそこにジェシー戻っており、ジェイクから別の仕事を依頼される。それは顧問弁護士スティーブの事務所からファイルを盗んでくれと。

 

日曜日の深夜、スティーブの事務所に忍び込むと、そこでブローガンが発見したものはスティーブの死体だった。本当の黒幕は・・・

 

全体に良く纏まっています。ポルシェ911SCカブリオレとフェラーリ328GTSのチェイスシーンから始まり、特に前半メキシコの熱い熱いシーンがとても好いと思いますが、後半、LAに戻ってから、スティーブの死体を発見する前後から展開が月並みになります。

「愛と青春の旅立ち」のテイラー・ハックフォード監督なのでサスペンスシーンに冴えたところを期待していましたが、ちょっと残念でしたと言ったところです。

 

が、ジェフ・ブリッジスは問題ありませんが、ファム・ファタール、レイチェル・ウォードが官能を刺激するくらいと素晴らしいともっと映える映画になったと思います。勿論、このブログでも紹介した「シャーキーズマシーン」よりは素晴らしいですが。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記 この作品にはオリジナル作品のファム・ファタールを演じたジェーン・グリアがジェシーの母親役として助演しています。

 

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フィル・コリンズ主題歌 「見つめて欲しい」

 

「誰かに見られている」リドリー・スコット監督の映像と音楽に凝ったちょっと贅沢なサスペンスミステリー・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「誰かに見られている」(1987)です。

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巨匠リドリー・スコット監督の小品ですが、映像と音楽に凝ったサスペンスミステリーです。「レジェンド」と「ブラック・レイン」の間に製作された作品で、時にはこういうシックで趣味の良い贅沢な映画を・・・

 

ストーリーは、友人がヴェンザに刺殺されたのを目撃したクレアを警護するNYPDのマイクは、クレアに惹かれはじめ、クレアも彼のことが気になるのだった。

ヴェンザは殺し屋を雇い、クレアを殺そうとするが、殺し屋は反対にマイクに殺される。仕方なく、ヴェンザはマイクの家族を拘束し、クレアをおびき出し殺そうとするのだが・・・

主演は「プラトーン」でブレークしたトム・ベレンジャーとミミ・ロジヤーズ。

 

ニューヨーク、クライスラービルの夜景を背景にスティング「サムオン・ツー・ウォッチ・オーバー・ミー」の歌がかぶさる素敵なプロローグ。

ミミ・ロジャーズ演じるクレアはまるで「ブレードランナー」のレイチェルのようにエレガント、その彼女が住んでいる超高級コンドミニアムもとてもリッチでゴージャス。

ヴェンザは時にエイリアンのようにも見え、サウンドトラック「ラ・ウリー」「メモリー・オブ・グリーン」「煙が目に沁みる」「ラクメ、フラワーデュエット」の使い方もとても上手い。

初期のスコット作品なので、画面には、特徴的なスモークと水面の反射光が多用されて懐かしい限り。

 

エンドクレジットに、ロバータ・フラック「サムオン・ツー・ウォッチ・オーバー・ミー」が流れてくる。エイリアンシリーズの様なビッグバジェットも良いが、こういう作品もとても上手い。あの「デュエリスト/決闘者」の様に。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

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「フェア・ゲーム」イラク戦争にまつわるプレイム事件の映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フェア・ゲーム」(2010)です。フェア・ゲームとは格好の獲物というような意味です。

 

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CIAエージェント、ヴァレリー(ナオミ・ワッツ)は大量破壊兵器拡散を調査する部門で働いており、マレーシアで非合法取引をしている会社幹部の協力を取り付ける。

 

彼女が働いている部門では、最近アルミ管の行方を調査していた。これらのアルミ缶はウラン濃縮の遠心分離機に使用されるため、もしこのアルミ管がイラクに持ち込まれた場合、核兵器製造に利用される。加えて、ニジェールからイエロー・ケーキ(ウラン含有量が高い粉末)がイラクに持ち込まれているとの情報もあり、彼女は元外交官の夫ジョセフ・ウィルソン(ショーン・ペン)に依頼して、その真偽を探るためにニジェールに飛ぶ。

 

同時にイラクの核兵器開発を探るために、ヴァレリーはイラク系米人をイラクに潜入させて、核兵器開発を探らせる。が、ブッシュ政権は2003年3月19日、イラクの自由作戦を発動される。イラクに大量破壊兵器はなく、ジョセフが激しく政権批判をしたため、政権側はジョセフの妻がCIAエージェントと、マスコミにリークするように利用して、ヴァレリーが工作していたすべての作戦が危機に陥ってしまい、マスコミから追及は厳しく、特にイラク核開発技術者達をイラクから脱出させることが出来なく、ヴァレリーは窮地に陥ってしまう・・・

 

監督は「ボーン」シリーズのタグ・リーマン、いつものエスピオナージアクションのようにテンポの良く前半を纏めてくれています。アクション派007シリーズとは別の、どちらかと言えば、ル・カレタッチの現代のシークレットエージェントの活躍、役割を紹介してくれます。地味な作業の積み重ねで、テログループの悪事を暴いていきますが、本当の敵は、政権中枢と視聴率至上のマスコミとは。

一番の貧乏くじは、CIAに協力したイラク核開発技術者達でしょう。映画もその後のことを説明していません。

 

映画後半は、政権中枢とマスコミとの闘いなので面白くありませんが、全体に良く出来た作品です。特に、ニュース映像と巧みに交錯された前半のタッチは大変良く出来ていると思います。

 

マスコミの人達、全体にもう少し勉強された方が良いと思ます。だから、マスゴミなんて言われると思うのですが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

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