レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「狼よさらば」(1974)です。
NYマンハッタンに住むポール・カージ(チャールズ・ブロンソン)は、美しい妻と結婚したばかり娘に囲まれて幸せな生活を送っていた。ある時、彼の住んでいる高級マンションに不良グループが侵入し妻は撲殺、娘はレイプされるという事件が起る。やり場のない怒りを感じたカージだったが、ある時仕事の絡みでツーソンへ出張し、クライアントのジェインチルが警察で守ってもらうなんて信用できないから、ここでは皆銃を持っていると言う。朝鮮戦争では衛生部隊で活躍したカージだが、銃の扱いは父親に教えてもらって巧みだった。標的に向けてトリガーを絞ると、彼の中で何かが変わった。
ジェインチルは、餞別で彼に32口径リボルバーを渡した。NYに戻るとカージは、あのリボルバーを携帯し、夜な夜なチンピラ狩りに出かけるのだった…
当時、この作品を劇場出ましたが、ピーンとこなかった記憶があります。ベトナム戦争での厭戦、薬物等で世相は荒れ、NYの犯罪発生率は非常に高かったと聞いていましたが、それで夜な夜なチンピラ狩りなんて。
あの「脱走山脈」「追跡者」「妖精たちの森」で良いところを見せてくれたこの気鋭のマイケル・ウィナー監督、どうしたのかな? という感じの方が強かったことを覚えています。そして、ウイナー監督、この作品を境にして残念なことに、普通の職人監督になってしまい…
改めて、再見してテンポ良くうまく纏めており、当時のNYの世相を好く表現したいい映画になっていることを確認しました。暫く経つと"破れ窓理論"とか環境犯罪学が日本でも紹介され、こういうことなんだと体感出来る様になりました。
そういう意味で先駆的な作品です。この作品が米国で大ヒットしたので続編、続々編が製作され、ファンの為にブロンソンは大活躍しますが、私は60年代頃のブロンソンが大好きです。例えば「大脱走」「特攻大作戦」「バルジ大作戦」「さらば友よ」ですが。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 音楽をハービー・ハンコックが担当していますが、何か噛み合わないみたいで…