レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「フェイズ Ⅳ」ソール・パス監督の異色SF映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック」(1974)です。劇場未公開作品です。

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監督がグラフィックデザイナーのソール・パスです。そうです、「スパルタカス」「グランプリ」「ウェスト・サイド物語」「めまい」「サイコ」「北北西に進路を取れ」のタイトルデザイン、視覚効果を担当したソール・パスが監督したSF作品です。そういう意味で物凄く多才な人だと思います。

 

この作品は、宇宙で発生した異常現象が地球の社会性昆虫アリに影響を及ぼしたことを英国の昆虫学者ハッブスは観察する。彼らはコミュニケーションを取り、従来とは違い行動を取り始めている。彼は政府を動かす。

 

フェイズⅠ

ハッブス(ナイジェル・ダヴェンポート)は、アリゾナ地区でアリが異常行動を取り始めていることを発見する。それは集団でアリの捕食生物を襲い、生態系を壊し始めている。付近の住民を避難させ、目視出来た巨大なアリ塚を発見し、近くに自立型の多面体構造の防御施設兼研究所を建設。もう一人、助手として言語学者、ゲーム理論のエキスパート、レスコ(マイケル・マーフイ)を迎えるのだった。

 

フェイズⅡ

アリはすぐさま攻撃を仕掛けてくると考えていたが、静観している。仕方なく、ハッブスはグレネードランチャでアリ塚を攻撃する。アリは避難の遅れた住民を攻撃する。彼らは、ガソリンで攻撃するが失敗して、防御施設に逃げ込むがアリに襲われる。

ハッブスは殺虫薬品"イエロー"でアリを抹殺することに成功する。二人は外に出て、住民の生き残り女性ケンドラを保護する。施設内では、電子機器にアリが侵入してくるが、忍ばしていた捕食昆虫カマキリが撃退する処、別のアリが襲い掛かり、カマキリは感電死する。

又、短時間で施設内の電子機器を不能にすべく反射塚を作り、施設を破壊しようとする。レスコはアリの嫌悪音を発信し、反射塚を壊す。そして、アリの原始言語の解読に成功する。

ケンドラは施設から逃げ、ハッブスは女王アリを抹殺すべく、女王アリ塚に向かうが、アリの陥穽に落ち、死亡する。

 

フェイズⅢ

レスコは、女王アリ塚を捜して忍び込むが、反対に捕まってしまう。

 

フェイズⅣ

そこの見た物は、砂から出て来るケンドラだった。二人の運命は・・・

 

アリの集団攻撃の映画はバイロン・ハスキン監督「黒い絨毯(1954)」が有名です。この「フェイズⅣ」は上映時間90分弱の小品ですが、それ以上に良く出来たSF映画だと思います。映像感覚も良く、どちらかと言えばロバート・ワイズ監督「アンドロダ・・・」に影響を受けているようにも思います。

 

でも、フェイズⅡ場面はサスペンス一杯で、特にアリが捕食昆虫カマキリに襲われる辺りは、カットの繋ぎがとても巧く、この辺りのシーンが、映画の白眉でしょう。本当に良く出来たSF映画だと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。                                 八点鍾

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「さすらいの二人」M・アントニオーニ監督の不条理サスペンス、ラスト7分のロングテイクが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「さすらいの二人」(1976)です。

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IMDb

この映画は、独特の映像スタイルを持つミケランジェロ・アントニオーニ監督後期の作品です。愛の不毛、孤独、不安などをテーマにした映画が得意な監督です。

 

この作品は、彼のフィルモグラフィーから見ると、「欲望(1967)」と共にサスペンス色の強い映画になります。

当時、人気絶頂のジャック・ニコルソン(カッコーの巣の上で)とこれまた話題のマリア・シュナイダー(「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の共演が話題を呼びました。

 

映画は、少しばかりポリティカルサスペンス風で、北アフリカで反政府ゲリラの取材をしていたロック(ジャック・ニコルソン)は、ジープを砂漠でスタックさせ、炎天下フラフラになってホテルに戻る。隣のロバートソンの部屋を訪れると、何故か彼は死んでいた。

何気なくロバートソンを見ると、意外と自分に似ていることが判り、彼はロバートソンになり、自分(ロック)を死んだことにしようと。加えてパスポートを偽装して。

 

ロンドン、ミュンヘンと戻り、彼が持っていた鍵でコインロッカーを開けるとロバートソンは不法な武器取引を生業としていたことに気付く。つけていた男達が資料を要求するので、コインロツクに保管してあった武器関係の資料を渡すと、男達は報酬を渡してくれた。彼は驚き、バルセロナに逃げるが、ここでも何者かが彼をつけ回していた。

又、ロックが死んだと知った妻も、死亡当時同じホテルにいたロバートソンの行方の捜索を警察に依頼する。

 

ロバートソンは、バルセロナ、カサバトリョで不思議な女性(マリア・シュナイダー)に出会い、マーキュリー・コメットを購入、一緒に逃げ始める。

やがて、謎の男達と警察両方から追われ、二人は別れて逃亡することに。タンジールのホテルで再会しようと約束するのだが・・・

 

少しルーズなところもありますが、なかなかサスペンス映画として纏まっています。

でも、サスペンス映画より愛の不毛、人の不安を描く監督なのでゆったりとした感じです。

でも、この映画の魅力はこういう正体不明な役をやらせると俄然輝くマリア・シュナイダーだと思います。決して間口の広い女優ではありませんが、こういう役は自然体でとても上手い。同時期の作品「危険なめぐり逢い」もとても良かったことを思い出しました。

 

そして、タンジールのホテルで二人は再会しますが、ここのロングテイクは、あのメルヴィルの「いぬ」のように素晴らしいの一言。謎の男達が現れ、警察もロパーソンを発見しますが・・・

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

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「おかしなおかしな大追跡」昔々、ニューシネマ最盛期の頃サンフランシスコに四つの赤の格子鞄がやって来ました・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「おかしなおかしな大追跡 (What's up, Doc?)」(1972)です。

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IMDb

監督があの「殺人者はライフルを持っている!」「ラストショー」で名を上げたピーター・ボクダノヴィッチ。当時、フォード・コッポラ、ウィリアム・フリードキンと共に若手の実力派の一人でした。が、プレイメイトのドロシー・ストラットンに絡むスキャンダルで作品の質が落ち始めて、往年の名声今いずこというより三人の中で、一番早く萎んでしまい残念です。

この作品は、私は未見ですがハワード・ホークス監督「赤ちゃん教育 Bring Up Baby (1938)」を上手くアレンジしたスクリューボールコメディです。結構、笑わせてくれます。

 

お話は、サンフランシスコに四人の男女がやって来る。一人は政府の機密文書を、宝石を持って旅をしている夫人、石器時代の音楽を学会で認めてもらおうと石を入れているハワード(ライアン・オニール)、そして百科辞典を入れて放浪の旅をしているジュディ(バーブラ・ストライサンド)。

この四人が同じホテルに宿泊して、カバンを取り違え、ジュディが色々と掻きまわすことで物語は、あらぬ方向に進み大騒動、大追跡になるのだが・・・

そのラストのあのセリフ "つまらないセリフだ" も決まったクールなコメディ映画です。

 

その昔、劇場で鑑賞した時は面白かったという記憶はありませんでした。私、バーブラ・ストライサンドが苦手で、そりゃ、歌は上手いのですが、あのお鼻が・・・

 

で、今回再見したら、彼女が歌う、タイトルロールに流れるコール・ポーターの「貴方が最高」からご機嫌で、加えて彼女のあのお鼻が気にならなくて、まるでバッグスバニーの兎チャンのようで、素晴らしいの一言・・・

 

ボグダノビッチ監督は、このコメディ路線で進むべきだったのでしょう。シリアスはともかく、ミュージカル路線はあまり成功しなかった・・・

ホント、もう少しと言わず、もっともっと活躍して欲しかったと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記 

このボグダノビッチ監督は、あのジョン・フォード監督の研究者でもあります。ジョン・フォード監督を研究するのであれば、ボグダノビッチ監督の著作又はリンゼイ・アンダーソン監督の著作を読んでください。「もしも・・」「孤独の報酬」「オー!ラッキーマン」のリンゼイ・アンダーソン監督も負けず劣らぬジョン・フォード監督の研究者です。

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「アンノウン・ソルジヤー」厳しいフィンランド継続戦争の重量級力作映画・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アンノウン・ソルジャー」(2017)です。

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この作品はフィンランド映画です。フィンランド映画を見るのは初めてですが、アキ・カウリスキマ監督が活躍しており、なかなか侮れない国だと思います。

この作品は、フィンランドとソ連との国境線変更、ソ連側の秘密基地設置を含む諸要求決裂後の武力闘争、冬戦争とその後の継続戦争を描いた作品です。日本では、私も含めて殆どの人が知らない国境紛争の歴史です。

 

映画は一言で言えば、重量級の力作、大変良く出来た作品です。戦闘シーンもハリウッド製とは違う独特の重みがあり、素晴らしいの一言です。監督はアク・ロウヒミネス、この作品で初めて知りましたが、なかなかの腕前を披露してくれます。

そう、サミュエル・フラー監督「最前線物語(ビッグ・レッド・ワン)」とかウォルフガング・ペーターゼン監督「Uボート」に近い味わいの映画です。 

 

映画は、マリック監督「シン・レッド・ライン」とは違い、冬戦争の生き残りで、継続戦争で再び召集された古参兵士ロッカ伍長(エーロ・アホ)と吃音の戦友スシの視点で描かれます。ロッカ伍長は、カレリア地方で農業を営んでいたが、ソ連に強奪され、その農地を奪い返すために戦争に命を賭ける。

 

独ソ戦が始まると、フィンランドは奪われた領土を奪還すべくドイツ共にソ連に宣戦布告、継続戦争が始まる。国境のソ連軍トーチカをカサパノス(収束爆薬)で木っ端微塵にしてフィンランド軍の進撃が始まる。ドイツ軍の軍備を借用して、鉄兜、軍服、手榴弾はほぼ同じものを利用して、陸戦、歩兵戦の戦いが始まる。

 

ロッカ伍長、歴戦勇士の男、面構えがなかなか良く、物凄く強い。と言うより戦場における戦いの勘所を知り尽くしている男で、バタバタと敵を倒していく。

特に、敵塹壕に戦友スシと飛び込み、スシが手榴弾を投げ、ロッカがスオミ短機関銃を乱射しながら制圧するシーン、雪中側面攻撃に来た敵1個小隊を一人で銃撃スシは給弾して、自分は頭に負傷しながらも敵を殲滅するシーンは、あの「鉄十字章(戦争のはらわた)」のサム・ペキンパー監督も顔色無しです。

 

フィンランド軍はカレリア地方を奪還すると、進軍を停止。そこに軍地構築を始める。が、やがてドイツ軍がスターリングラード、クルスク、又連合軍がフランスに第二戦線を構築始めると、ソ連軍の攻勢が始まり、フィンランド軍の後退が始まる。

 

ロッカが所属するコスケラ小隊は、負傷兵を抱え、マキシム重機関銃を担いで交代すのだった。撃たれた友軍兵士を担いで渡河中に撃たれたロッカ伍長は渾身の力を振り絞って進むのだが・・・

 

この作品、本当に気合が入った良い作品です。もっと地味を作品だと思っていましたが、意外にも大作で、フィンランドでは観客動員数100万人とのことですから、これはもう国民映画ということになるでしょう。

 

もし、あなたがフィンランドに興味があるのであれば、この作品は見ておいた方が良いと思います。北欧の小国フィンランドに襲い掛かった悲劇、悲哀を十分体感することが出来るでしょう。

そして、この映画を通して、ソ連の領土に対するの野心を見ていると我が国の北方領土は、平和的に返還されることはまずないのではと感じます。

 

このブログ作成にDVD版(上映時間132分)を鑑賞しています。IMDbにてこの映画を検索すると上映時間が180分になっています。故に、私が鑑賞したのは国際版だろうと思います。                           八点鍾

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ロッカ伍長

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頼りになる相棒スシ

 

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「ダークタワー」スティーブン・キング原作のファンタジーですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ダークタワー」(2018)です。

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スティーブン・キング原作の映画で、脚本家出身のニコライ・アーセル(「ミレニアム・ドラゴンタットーの女」)監督作品です。

 

私は、この原作が長編小説で全7部構成で構成されていることを映画を鑑賞するまで知りませんでした。元々、キングの小説は苦手で、あの傑作と言われる「シャイニング」もしつっこく同じ事を何度も何度も書き連ねて、閉口して上巻だけで諦めた記憶があります。そんな大河小説ですが、この作品の上映時間は95分なので・・・

 

映画は、主人公ジェイクがダークタワーを破壊しようする黒衣の男(マヒュー・マコノヒー)、ダークタワーを守る拳銃使い(ガンストリンガー:イドリス・エルバ)の戦いに巻き込まれる話ですが、映画を見ただけではどこにでもあるファンタジー物の域を出ない感じです。勿論、キング原作なので、あの"輝き"も出て来るのがご愛嬌ですが。

 

但し、かなりビッグバジェットの作品であること、テンポが良いので退屈はしませんが。後半、カスタム仕様レミントン1858ニューアーミー拳銃を使ったガンアクションのつるべ打ちになるので。

 

シリーズものになるのでしょうか? その辺りは良く判りませんが、大河小説の映画化にしては物足りないように思います。

映画としては、「ドクター・スリープ」の方が面白かったことを付け加えておきます。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

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「シン・レッド・ライン」テレンス・マリック監督の復活というのか異色戦争映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シン・レッド・ライン」(1998)です。ジェームズ・ジヨーンズの小説「シン・レッド・ライン」を映画化した作品です。

 

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この作品は、「地獄の逃避行」「天国の日々」のあの巨匠テレンス・マリック監督が、20年振りに撮り上げた作品なのです。

ですから、普通の戦争映画になっていません。視点が違います。普通の戦争映画ですと、例えば、同時期に公開された「プライベート・ライアン」では、米軍将校ミラー大尉(トム・ハンクス)を中心に物語が展開しますが、この作品は違います。

 

大自然の中で、米軍と日本軍の戦い、ここでは西太平洋ソロモン諸島ガタルカナル島の戦いをまるで"神の視点"の様に淡々と描いているのが特徴の作品です。

ジム・カヴィーゼル、ニック・ノルティ、ショーン・ペン、エイドリアン・ブロディ、ジョン・トラボルタそしてジョージ・クルーニまで共演しているオールスター映画ですが、敢て艶やかな作り方はしていません。

 

"細い赤い線"と呼ばれる生と死の間、両軍の兵士がバタバタと倒れます。日本軍の狙撃兵に撃たれる兵士、ベルトから手榴弾を取る時に安全ピンを抜いて自爆する兵士、米軍に撃れる銃剣突撃する兵士、残してきた妻を思い出す兵、地面に伏せ、真っ青な大空を見上げる兵士等全く普通の戦争映画とは違う視点から作られ、それが成功している映画だと思います。

 

但し、映画は3時間弱と長く、鑑賞するには少し難儀ですが、その価値はある作品です。なお、この作品はアンドリュー・マートン監督「大突撃(1964)」のリブート作品ですが、この作品は、特に取り上げる必要のない普通の戦争映画です。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記 

 

この作品の見所として、日本軍の描写が素晴らしいと思います。

 

丘の上にある日本軍の丸太と土を使って偽装したトーチカ、中には発射速度が遅いが、射程が長く威力のある92式重機と発射速度が速いが、それほど射程が長くない99式軽機が鎮座して応戦、近接して来た米軍兵士には銃剣突撃で制圧するという描写。

こういう描写は始めて見ました。出て来る日本兵も日系人ではなく、日本人らしい顔をしており、セリフも違和感がありません。機関銃の発射音も含め、細かいところまで手を尽くした映画です。

 

映画は、歴史的事実に基づいて製作している訳ではありませんが、今回再見して、多分日本軍は米軍上陸に驚いて山中に逃げた飛行場設営部隊、どちらかと言えば警備隊との米陸軍部隊との交戦の様に思われます。米陸軍部隊のスタロス中隊長は元弁護士との設定で、戦い方も拙劣で、同様に日本軍も戦いなれている歴戦の部隊という感じはしません。例えば、「プライベート・ライアン」のミラー小隊、「鉄十字章(戦争のはらわた)」のシュタイナー小隊が攻撃すれば、あっという間にやられてしまうでしょう。

 

映画とは離れますが、この時の設営隊長岡村徳永少佐は中々ユニークな人物で、設営部隊を多数引き連れてトラック島に引き上げています。興味のある方はWikiを読んで見て下さい。面白いお人です。

 

後半、上陸してくる日本軍は装備もしっかりしており、戦い慣れしている感じがします。逃げるウィット二等兵を追跡する移動撮影、編集はとてもスピード感があります。

 

となかなか見所のある素晴らしい作品です。

 

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「The Cave(ザ・ケイブ)」ご紹介・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「The Cave(ザ・ケイブ)です。

 

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この作品については、以前ご紹介しているのでリンク先を下記ご紹介します。

良い作品です。但し、派手さはありません。このジャンルの好きな方は鑑賞して損はありません。

 

2020年は、本当に大変な年になりました。予定されていた大作映画は、2021年に持ち越されて、映画ファンは辛い辛い年でした。大作映画で公開されたのは、「テネット」「1917」ぐらいですね。

 

来年こそ、コミック映画も007映画も劇場で鑑賞したいものと思います。 八点鍾

 

 

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