レタントンローヤル館

主に映画のお話

「地球の静止する日」ロバート・ワイズ監督同名の古典SF映画のリブートですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「地球の静止する日」(2008)です。

映画は、地球外生物学者ヘレン博士(ジェニファー・コネリー)のもとに政府のエージェントが現れ、ヘレンはある軍施設に招聘される。そこには多くの学者が集められていた。政府によれば、宇宙から正体不明の飛行物体がニューヨークに迫っていると告げられる。その対応のアドバイスを求められた。その球体の物体はセントラルパークに着陸して、中からヒューマノイド型生命体(キアヌ・リーヴス)とゴートと呼ばれる大きなロボットが現れるのだった…

第三種接近遭遇映画です。この手の作品で一番良く出来ているいるのは「未知との遭遇」とか「メッセージ」でしょう。この作品は、ロバート・ワイズ監督「地球の静止する日」(1951)のリブート作品で、CGを多用したSFXシーンは前作を遥かに超えて素晴らしいのですが、例によって例の如く前作を越えていません。登場するヒューマノイド型生命体がアバタースタイルを取っているのは良いのですが、その後の展開、つまりが門切り方で…

少しネタバレですが、この異星人の訪問は、前作では地球にいる人類に警告、今回も惑星地球を人類から守るため警告をしに来るんですが、ここからの展開が前作もリブート作品も好きではありません。はるばる宇宙の彼方からやって来るのにそんな平和の使者なんているのでしょうか、もっとえげつない奴等がやって来ると考えた方が普通なのではないでしょうか?

映画の中でレジーナ国防長官(キャシー・ベイツ)が言い放ちますが、「文明の衝突は負けた方が奴隷となる。それは歴史が証明している」と。だから、SF映画として私はこの作品より例えば「宇宙戦争」とか「オブビリオン」の方が現実的だと。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

追記 50年代のSF映画としてお薦めは「宇宙戦争」(1953)と「禁断の惑星」(1956)ですね。特に「禁断の惑星」は素晴らしいと思います。

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「渇きと偽り」エリック・バナがなかなか渋いサスペンススリラー…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「渇きと偽り」(2020)です。

オーストラリアの新鋭監督ロバート・コリノーによるサスペンススリラーです。主演は「ブラックホーク・ダウン」「ハルク」「きみがぼくを見つけた日」のエリック・バナです。最近見ていないのでどうしたのかなと思いきや、古巣オーストラリアで活躍していたのですね。

映画は、メルボルン連邦警察官アーロン(エリック・バナ)は、旧友ルークが家族を殺して自殺したと聞いたので、気が進まないが葬式に参列するのだった。その昔、アーロンの恋人エリーが池で溺れて死亡して、その容疑をかけられて町を出た苦い過去があったからだった。葬儀を終えて、帰ろうとすると殺された妻の両親から呼び止められ、本当に一家心中なのか調べて欲しいと依頼されるのだった…

この映画、サスペンススリラーですがどちらかと言えば、過去の恋人エリーの溺死に絡む人間ドラマを追っており、そういう意味では前半少し退屈ですが、後半殺された妻が小学校で働いており、その残された証拠のレシートに書かれた"グラント"という名前が登場する辺りからサスペンスが盛り上がり始め、その辺りからがぜん良くなります。

最後に、恋人エリーの溺死の真相も判明して…

ロバート・コリノー監督の映画は初めてですが、とてもうまく纏めています。そして、エリック・バナが渋くて、とてもいい味出しています。雨も余り降らない、オーストラリアの渇いた褐色の大地が印象的な映画になっています。     八点鍾

 

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「ダーク・ブルー」ナチスに併合されたチェコを脱出したパイロットが義勇兵としてRAFで活躍する映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ダーク・ブルー」(2001)です。珍しいチェコ映画です。

この映画はスタジオジブリ初の海外提供作品です。理由は、スピットファイアー戦闘機Mk.Ⅰ,MkⅤが登場するからでしょう。宮崎監督の趣味と言ったら怒られそうですが。

スピットファイアーの美しいこと、スピットに限らず蒼空を舞う航空機の美しいこと、それは誰もが同意してくれると思いますが。

映画は、1950年ミロフ労働キャンプで強制労働をさせられているスラーマ中尉の想い出から始まります。それはドイツによるチェコ併合前の恋人ハニチカとの思い出から始まり、チェコ空軍を抜けて友人カレル少尉と英国への亡命、RAF(英空軍)へ義勇兵として"バトル・オブ・ブリテン"に参加、ルフトバッフェ(ドイツ空軍)との参戦、被弾したカレル機は墜落し、スーザンと言う英国女性に助けてもらう。スラーマも同様に彼女と知り合うようになる。カレルは戦争の後半、海峡での事故で戦死する。

やがて、ドイツは降伏し、生き残ったスラーマはチェコに戻るのだが、そこで彼を待ち受けていたのは…

スピットファイアーを駆って大空を舞う二人の男、決して勇ましくもなく、淡々と空中戦を描くところがこの映画の見所です。ドーバー海峡の上で、あの楕円翼を持った美しいスピットファイアー戦闘機が敵戦闘機メッサシュミットを照準に捕らえ射ち落す。フランスではドイツ軍軍事物資を輸送中の鉄道車両の対地攻撃をして破壊する。この時期が、人生の絶好調だったに違いない。

ミロフ労働キャンプの元SSに所属していたブラシュケ医師が彼を嘲笑う。チェコに帰国してこんな扱いを受けるとは考えてもいなかっただろうと。ドイツ人は同胞にこんな扱いはしない。彼はプラハのコビリシの処刑に立ち合い、来る日も来る日も1ヶ月死体の調査をしたとか。このブラシュケ医師の存在がとても良い。

こういう人物が登場するから、この作品に厚みが増し、蒼空を舞うスピットファイアーのシーンが輝きを増す。そういう映画だ。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 この作品のドックファイトシーンの一部は、あの「バトル・オブ・ブリテン(空軍大戦略)」のショットを使用しています。だから迫力あります。

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「フランス軍中尉の女」カレル・ライス監督入魂の力作でしょうか…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フランス軍中尉の女」(1981)です。

映画は、1980年英国ドーセット州ライム・レジスで米女優アンナ(メリル・ストリーブ)と英男優マイク(ジェレミー・アイロンズ)が新作映画の撮影に入っていた。それは、「フランス軍中尉の女」と言う作品で、それとは別にアンナとマイクの恋愛模様も加えられており映画の撮影は進行していくのだが…

先にご紹介したジョン・ファウルズ原作「魔術師」を映画化した「怪奇と幻想の島」に続くジョン・ファウルズ原作「フランス軍中尉の女」の紹介です。

いや、今回鑑賞してさすがカレル・ライス監督、とても良く出来ており驚きました。この作品も劇中劇の映画ですが、何というか物凄く上手く映画劇と現代の二人の共演者の感情のすれ違いが、絶妙のタイミングでモンタージュされて、この作品と比較すると「怪奇と幻想の島」はやはり見劣りします。全体のまとめ方も上手いと思います。

又メリル・ストリーブが現代の女優アンナと役名サラをもの凄く上手く演じて素晴らしいの一言です。加えて、映画を見ると解りますがサラは"フランス軍中尉の女"を演じているので、正確に三役を上手く演じていることになります。

特筆すべきは、ビクトリア時代の描写、建物、道、化石発掘、農家、馬車、旅館等が素晴らしく、特に女性の地位の不平等、例えば、地方の貴族で働いていた教育のある女家庭教師が些細なことで解雇された場合、地方ではその貴族の影響力で仕事に就くことが出来ず、ロンドンに出て正業に就くことの難しさ等をさり気なく会話で説明しているところなど素晴らしいと思います。ポランスキー監督「テス」もその辺りをさり気なく映画にしていますが。だから、中盤医師クローガンが言う忠告が生きてくるのですが…

脚本をハロルド・ピンター(2005年ノーベル文学賞受賞)が担当しています。このピンターは時々脚本を書いていますが、「さらばベルリンの灯」「スルース」(2007)等はあまり面白くありませんが、この作品は素晴らしいと思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記 素晴らしいと書きましたが、やはりこの作品は観客を選びます。そこを間違いない様に。

 

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「トロン レガシー」前作「トロン」の28年ぶりの続編ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「トロン レガシー」(2010)です。

1982年に製作された「トロン」は世界で初めてGCを導入した映画でした。そんなに驚きはしませんでしたが、そういう時代になったんだと当時感じました。どちらかと言えばCGで作られた恐竜、「ジェラシックパーク」には驚きましたが。

この「トロン レガシー」は、プロットそのものはあまり変わり映えしませんが、そのCGが、前作と比較すると物凄い進化を感じることが出来ます。本当に凄いと思います。オリジナルを越えた続編と言っていいと思います、但しCGだけですが。

映画は、エンコム社CEOケヴィン・フリン(ジェフ・ジリェジス)が失踪してから約20年、息子サムはその行方を捜していた。父の友人アランが父からポケベルにメールを受け取ったと言い、そのゲームセンターに向かう。そこで、彼は偶然にもコンピュータ内の仮想空間グリッドに取り込まられてしまう。そのグリッドには父フリンが生存しており、父の力を借りてサムは、そのグリッドから抜け出そうとするのだが…

前作のCGは主にライトサイクルというオートバイでのゲームシーンだけでしたが、この作品では、まずグリッドの描写が大掛りでもの凄くて、勿論ライトサイクルのシーンも素晴らしく、おまけにCGシーンの多くはIMAXになっており、迫力が全く違います。ライトジェット、ソーラー・セーラーも追加されて、CGシーンはかなり見応えはありますが、プロットそのものが変わり映えしないのが欠点と言えば欠点ですが、そのCGシーンの迫力に鑑賞中は気になりません。

監督はジョセフ・コシンスキー、あの「トップガン マーベリック」の監督なのでがっちりと纏め上げています。キャストはジェフ・ブリッジス、オリビア・ワイルドが光っています。

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「ファイブ・イージー・ピーセス」ジャック・ニコルソン主演の隠れたニューシネマ映画の佳作ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ファイブ・イージー・ピーセス」(1970)です。

日本ではあまり有名ではありませんが、ボブ・ラフェルソン監督今年7月23日に亡くなっていました。不覚にも亡くなっていたことをまったく知りませんでした。

ラフェルソン監督追悼と言う意味で、今日は「ファイブ・イージー・ピーセス」を取り上げてみたいと思います。

チョッパーハンドルバイクのロードムービー「イージーライダー」という映画は、まあ映画好きの方はご存知だと思いますが、このニューシネマ作品、「ファイブ・イージー・ピーセス」は知っている人は知っていますが地味な内容で、派手さがないのであまり知られていないと思います。

ストーリーは、石油採掘現場で働くボビー(ジャック・ニコルソン)は、名門音楽一家の出身だがドロップアウトして、ウェイトレスをしているレイ(カレン・ブラック)と同棲している。ある時、友人エルトンはガソリンスタンド強盗の罪で警察に逮捕され、レイは妊娠したとボビーに告げる。さらに姉から連絡があり、父の状態が良くないと。仕方なく、ボビーはレイを連れて実家に戻るのだが…

タミー・ウィネットのカントリーソング「Stand By Your Man」が冒頭から流れるこの映画、好きな人には堪らないでしょう。又、神妙にニコルソンがショパン「前奏曲ホ短調作品28の4」を演奏するのも嬉しいかもしれません。

でも、ニューシネマにはこの手のヘンな男が主人公で、何が嫌でか好き勝手やっているのか余り分かりませんが、私個人は感覚的には判りますが、年齢を重ねるに従って、ただのわがままだったことを理解するはずです。多くの人がそれを乗り越えていると思います。

あの「イージーライダー」程重いラストではありませんが、苦いラストです。でも、ボビーならやり直せると思います。こういう作品を創り上げたラフェルソン監督は良くやり遂げたと思います。

 

遅れましたが、ボブ・ラフェルソン監督を謹んで追悼したいと思います。

 

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追記 この「ファイブ・イージー・ピーセス」は、ラフェルソン監督の代表作でしょう。私はこの作品も好きですがノワールスリラーの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の方が好きですが。

 

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カレン・ブラック

左がラフェルソン監督

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「グランド・マスター」カンフーは横か、縦か(相手は必ず倒せ)という映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「グランド・マスター」(2013)です。

映画は、1930年代中国南部佛山の武術家葉問(イップ・マン:トニー・レオン)の生涯を描いた作品で、彼が40歳頃東北地区の重鎮ゴン・パオセンの誘いを受けてその果し合いに挑み、勝利し"グランド・マスター"になる。が、彼の娘ルオメイ(チャン・ツィイー)は異議を唱えて後日イップマンと対決する。ルオメイが勝利するが、イップマンに何か惹かれるようになる。

支那事変が大きくなり、日本軍の佛山侵攻が始まり生活に窮するようになったイップマン家族。パオセンの武術を受け継ぐ弟子マーサンはパオセンを殺害、その流派八卦拳を手中にする。ルオメイはその復讐の為技を磨き始めるのだった…

映像派のウォン・カーウァイ監督作品です。彼にしては珍しいカンフーアクションなのです。ハリウッド映画「マトリックス」のような映像が多用されて、スローモーション撮影が多用されて、新鮮さではイマイチですが、それはそれで得意なモンタージュで見せてくれます。凡百のカンフー映画とは違います。

特に後半、小雪の舞う早朝、降り積もる雪の中で一人、八卦拳を磨くルオメイ。うーん、美しいです。空気感が違います。この辺りはカーウァイ監督の面目躍如ですね。

どちらかと言えば、「恋する惑星」「天使の涙」「花様年華」「2046」「マイ・ブルーベリー・ナイト」等男女のラブロマンス作品が多い作風のカーウァイ監督にしては珍しい作品ですが、前述したように切り込み方が違うので興味深く鑑賞出来ます。

少し気になるのは、この作品もっと大きな大河ドラマのような雰囲気もありますが、外国の人達には判り辛いだろうとカットされた様な雰囲気も感じられます。但し、この作品以後、彼の新作が出てこないのが寂しい限りですが。

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