レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「完全なるチェックメイト」チェス世界チャンピオンボビー・フィッシャーを描いた作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「完全なるチェックメイト」(2014)です。

                   

チェス世界チャンピョンボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)を描いた映画です。6歳前後からチェスゲームに夢中になり、徐々に頭角を現して、米ソ超大国の代理戦争の様相を呈した1972年アイスランド、レイキャヴィークで行われた世界王者決定戦までを描いています。

私はチェスゲームに詳しくありませんが、この世界ってなかなかユニークなんだ、というより奥の深い世界と感じ入り、興味深く拝見しました。この映画で知ったのは、4手後のバリエーションは極端な話何億パターンという感じで、物凄い世界だということが理解でしました。だから、被害妄想と精神障害に陥るというのも成程と。いや、凄い世界です。

「ビューティフル・マインド」(2001)という数学者ジョン・ナッシュ、ゲーム理論が有名、を描いた映画がありました。彼も同様な被害妄想と精神障害に悩まされる映画ですが、何かこちらの方がもっと深い闇の様な物を感じました。

特にラスト、ソ連の王者チェスボリス・スパスキーとの対戦はなかなかユニークと言うよりあっけにと取られて、意表を突く展開になっています。そういう意味で大変面白い作品です。一般観客向きの映画ではありませんが、嵌ると結構良い映画だということが理解できると思います。

監督は「ラスト・サムライ」「ブラッド・ダイヤモンド」のエドワード・ズウィック、いい仕事をしていると思います。

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「まぼろし」マリーは何を見たのか…フランソワ・オゾン監督の人生ドラマ

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「まぼろし」(2000)です。

マリー(シャーロット・ランプリング)は、夫ジャン(ブリュノ・クレメール)とランド県リット・エ・ミシャ近郊へヴァカンスに出掛け、その浜辺で彼女が本を読んでる間に姿が見えなくなった。溺れたものと考えて捜索依頼たが、何も見つけることが出来ず彼女は一人パリに帰ってくる。彼が行方不明と聞いて友人ヴァンサンが彼女に近づいて、マリーも親しくなった。そんな時、警察からジャンのものらしい水死体の確認の電話を受けるのだが…

オゾン監督のサスペンス風ドラマと言った映画で、淡々とマリーの視点で夫ジャンが行方不明になった時点から自分に関わってくる人達を描いた作品です。ヒロインをシャーロット・ランプリングが自然体で演じており、これが良いんですね。うーん、美しいです。彼女が大学で英文学を教えていて、ヴァージニア・ウルフの小説「波」を紹介しているので、どうしてもあの「めぐりあう時間たち」を思い出します。

ジャンが行方不明になる前後の描写辺りは何か良いですね。美しい浜辺、どうしたらいいのか判らないマリーの表情、義母とのいけ好かない会話、警察で死体確認前後のマリーの表情、そしてラスト、まぼろしを見て駆け出すマリーの姿は何か痛々しくて…

フランス映画らしい作品で、一人の女性に訪れた悲劇を淡々と巧みに現した良い映画だと思います。

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追記 ジャンを演じたブリュノ・クレメールは「危険を買う男」フリードキン版「恐怖の報酬」に出ていた性格俳優でこの作品でもなかなか好い。

 

 

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「マッドマックス:フュリオサ」"マッドマックス"スピンオフシリーズ第2弾というクールな映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マッドマックス:フュリオサ」(2024)です。

ご存じの様に前作「マッドマックス 怒りのデスロード」のシャーリーズ・セロンが演じたフェリオサの前日談を映画にした作品です。映画は第五章に分かれており、第一章は、「母なる緑の地」で生活していたフェリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)が暴走集団「バイカー・ホード」の手に落ちるまでを、以後前作に登場したあの「シタデル(砦)」の覇権を巡って、ガスタウンと弾丸畑でのアクションを丁寧に描いたアクション映画になっています。

概ね、前作と同レベルのアクションシーンのつるべ撃ちですが、時にどうやって撮影したのか判らない様なショットもあり、この手の映画好きな方には必見の作品と言っても良いと思います。特に、重武装の補給タンク「ウォーリグ」を巡るアクションは前作同様素晴らしいと思います。フェリオサが「ウォーリグ」の車体下でプロペラシャフトと隣り合わせになりながらアクションをたっぷりと見せてくれます。うーん、美しいです。少し痛いシーンもありますが、アクション以外何もありません。クールなアニャ・ティラー=ジョイをたっぷり堪能して、是非劇場で楽しんで下さい。

この映画作家ジョージ・ミラーは、「ロレンツォのオイル」の様なドラマ映画も監督しますが、本流はこの"マッドマックス"シリーズの様なアクション派の監督です。もう80歳近いと思いますが、これからもご老体に鞭打って頑張って欲しいと思います。

マッドマックスは永遠に!!!                                          八点鐘

 

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「蜘蛛女」レナ・オリンが強烈な個性を発揮するB級ノワールスリラー…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「蜘蛛女」(1993)です。

 

巡査部長ジャック(ゲイリー・オールドマン)は、署内ではうだつの上がらない男だがマフィアへ署内の情報を垂れ込んで金を稼いでいた。美人の妻ナタリーがいるにも係らず若い愛人シェリーと二重生活を楽しんでいた。そんな時マフィアの女殺し屋モナ(レナ・オリン)が拘束され、そのセイフハウスの情報をマフィアから要求され渡すが、マフィアの刺客がセイフハウスに到着した時には、彼女は逃亡した後だった。ジャックはマフィア側、モナからも命を狙われる立場となって、妻ナタリーを脱出させるが、自分はマフィア側に拘束されて…

「存在の耐えられない軽さ」で有名になったスウェーデン女優レナ・オリンのファムファタールというか悪女演技が冴えるB級ノワールスリラーです。意外な拾い物とい感じの作品です。彼女演じるモナを楽しそうに演じています。うーん、美しいです。

この女優レナ・オリン、私は皆さんが知らないこのB級映画が一番が良いのではないか、と思います。トコトン性悪女を演じて登場する男女を悲劇の陥穽に落とし込んで、サバイバーするのですから。太股でジャックの首を絞めるレナ、マフィアのボス、愛人シェリーも殺してしまうモナ、うーん、美しいです。

本当に情けない巡査部長を演じるオールドマン、マフィアのボスを演じるロイ・シャイダー、妻ナタリーをアナベル・シオラ、シェリーをジュリエット・ルイス、他にウィル・パットン、ジェームズ・クロムウェル、ロン・パールマンと渋い脇が固めています。すこぶる好い出来の作品ではありませんが、何か引っ掛かる映画で好きな人は、映画を見ながらニヤニヤすること間違いありません。

ラスト、一人で人気の無い荒れた場所のダイナーで女を待つジャック、これぞB級フイルムノワール映画の醍醐味でしょう。うーん、美しいです。

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追記 監督はピーター・メデック、「チェンジリング」というホラー映画が有名ですが。

 

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「パリ、憎しみという名の罠」京都議定書が原因の社会派ノワールスリラー…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パリ、憎しみという名の罠」(2017)です。

アントワヌ(ブノワ・マジメル)は妻の父が起こした会社を経営していたが、法人税を払うことが出来なくなり倒産してしまう。そんな時日本で京都議定書が定められ、温室効果ガス排出量取引を巧く操作することで多額の現金を得ることを知る。アントワヌは仲間3人は贋身分証をでっち上げて、ダミー会社を創り上げてその排出量枠を売り出すビジネスを考える。当座の資金にアラブ系ギャング"ダリフ"から資金を借りたことで、事態は思わぬ方向へ…

映画は「スカーフェイス」と「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を足して二で割った様な作品です。後半はアラブ系ギャング"ダリフ"が美味しい話だと乗り出して来て、血みどろの抗争になり、アントワヌは悲劇の陥穽に落ちてしまう。似たような事件があったのでしょう。なかなか良く出来たノワールスリラーになっています。

監督は「あるいは裏切りという名の犬」で名を上げたオリヴィエ・マルシャス、手堅く纏めていますが、若干舌足らずでもう少し丁寧に描写して貰うともっと良くなったと思います。私達日本人はフランス社会のこと知っているようで知りませんから。

又、アントワヌの義理の父アロンをジェラール・ドパルデューが貫禄タップリで好演していますが、私がもっと驚いたのは、仲間二人の母親ドリーを演じたダニという女優、もともとは歌手らしいのですがなかなかの好演です。

終盤、特にダリフがしゃしゃり出て来て恐喝しフランス警察も群がり、義理の父アロンも警察に密告し、アントワヌが身動き取れなくなる辺りがとても良く描けています。そして、お決まりのラストです。

「スカー…」、「ウルフ・オブ…」の様な長尺映画では無く100分程度の長さなのも良いと思います。なお、この作品は劇場公開されずWOWOWで公開、その後DVDスルーと聞いています。

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「たたり」ロバート・ワイズ監督による幽霊屋敷ヒルハウスを舞台にしたホラーサスペンス…

レタントンローヤル(八重垣)館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「たたり」(1963)です。

    

マークウェイ博士(リチャード・ジョンソン)はマサチューセッツ州にある有名な屋敷"ヒルハウス"の超自然現象の研究を通して人類に貢献したいと考えていた。超能力者エレノア(ジュリー・ハウス)、テオ(クレア・ブルーム)と"ヒルハウス"の相続人ルークはマークウェイ博士の下、集められ"ヒルハウス"に滞在、その超自然現象の解明を実施するのだが、精神不安気味のエレノアが正体不明の屋敷の超自然現象に苦しめられるのだが…

この作品ですが、日本では巨匠ロバート・ワイズ監督の凡作と言う扱いでした。でも、気になる作品だったので、その昔VHSビデオで鑑賞しましたが、画面のトリミングが酷く作品の良さが感じられなく、今回もう一度DVDにて再見しました。

現在の目で見るとやはり特殊効果がいま一つですが、映画は何と言うか素晴らしいですね。見直しました。キャスティングも良いし、特にパン・フォーカスを主体にした撮影、ローアングル撮影、幽霊屋敷ヒルハウスの天井を設け閉塞感をもたらすセット、特殊音響の使い方、そのサスペンスの盛り上げ方等結構見せてくれます。いや、良く出来ているし、この作品勉強になるなと私は感じました。何かあのオーソン・ウェルズ監督「偉大なるアンバーソン家の人々」のような雰囲気もあって引き込まれました。

欠点として、ホラーサスペンスというよりエレノアがヒルハウスから受ける不安による心理サスペンスと言う感じが強く、余り怖くないことでしょうか。

でも、ヒルハウスの図書館の中に設置してある、天井に向かって伸びる螺旋階段のサスペンスは、セットの出来の良さも含めて素晴らしいと思います。うーん、美しいです。

個人的には、「サウンド・オブ・ミュージック」の様な秀作よりこの手の作品の方が私は好きですね。何かいぶし銀の様に輝いていると感じます。

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追記 似た様な映画で「ヘルハウス」と言う作品もあります。こちらも通俗的ですが良く出来ていました。

 

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  暫くすると、この映画の原作者シャーリー・ジャクスンの伝記映画も公開されます。






 

「素晴らしき飛行機野郎」黎明期の飛行機野郎を描いた航空コメディ映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「素晴らしき飛行機野郎」(1965)です。

1910年を舞台に、ロンドンーパリの架空の飛行機レースを描いた作品で、国際的なキャストと黎明期の飛行機、20世紀初頭の飛行場を当時としては破格の予算を組んで造り上げており、SFXが進化した現代の目からではその特殊撮影等若干プアなですが、当時としてはとても良く出来た航空映画でした。

物語は、パイロットの英国近衛兵メイズ(ジェームズ・フォクス)と英国新聞王ローンズリー卿の飛行機狂の娘パトリシア(サラ・マイルズ)のラブ・ロマンスを軸に、エアレースに優勝するためにありとあらゆる策を講じて賞金を手に入れようとするパーシー卿(テリー・トーマス)達をコミカルに描いた航空コメディ映画になっています。

久々に見て、エアレースが始まる迄の前半1時間強がやはり冗長ですが、やがて、飛行場から当時の航空機が飛び上がると、その特異なノスタルジックなスタイルの複葉機を眺めると何か顔が綻んできて、加えてドーバー海峡の上を飛行するシーンはやはりとても美しくて…くどい様ですが、うーん、美しいです。

もう一つ、この映画には石原裕次郎が優勝候補のヤマモトとして登場しており、結構見せてくれます。パーシー卿の妨害工作で唐獅子牡丹のイラストをあしらった複葉機は離陸後、遭えなく墜落してリタイアとなります。

監督はあの「バルジ大作戦」のケン・アナキン、クリストファー・チャリスの航空撮影が見所だと思います。楽しい作品なので、どこかで見つけたら是非鑑賞して下さい。飛行機好きな人であれば、楽しめると思います。

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