レタントンローヤル館

主に映画のお話

「赤い航路」この作品はポランスキー監督得意のSMチックな愛憎映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「赤い航路」(1992)です。

映画は、ナイジェル(ヒュー・グラント)とフィオナ(クリスティン・スコット・トーマス)は結婚7周年と言うことで地中海クルーズに。そこで出会ったオスカー(ピーター・コヨーテ)とミミ(エマニュエル・セニエ)というカップルに出会い、互いに興味を持った。

オスカーは、ナイジェルにミミとのなり染めとその後の過激な性生活を話しだし、ナイジェルもミミに興味を持ち、その話に聞き入るのだった…

少し前ご紹介した「テナント/恐怖を借りた男」は余りいただけない作品でしたが、こちらは違います。強烈且つドロドロな愛憎劇で、若干観客を選ぶ作品ですが、好きな人には堪らない作品になっています。うーん、美しいです。

観客を選ぶ映画で、こういう言い方は失礼ですがある程度齢を重ねないと分からない作品でもあると思います。私も若い時に劇場で鑑賞しましたが、あまり理解できませんでした。でも今回は凄く面白かった。

こういう有りそうであり得ない男女関係、例えば「妖精たちの森」「ラストコーション」「ラストタンゴ・イン・パリ」「危険な情事」等と同じくらいに良く出来ていますが、今一つ話題性に欠けるのがこの作品でしょう。

ポランスキー監督の演出は正統派で良いのですが、「ラストタンゴ…」のようにもう少し過激性があれば、話題性も盛り上がりもっと良かったと思います。

「フランテック」では只のセクシー女優のエマニュエル・セニエがさらに大胆に、ピーター・コヨーテ、クリスティン・スコット・トーマスもなかなか良く、この手の映画好きには楽しめる作品になっています。

音楽が「ブレードランナー」のヴァンゲリス、それとは違うしっとりとしたスコアー書いています。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。          八点鍾

 

追記 この作品、BDで鑑賞した時、映像も音響もとてもクリアで、劇場で鑑賞した時よりも印象が良い感じがしました。時々ありますね、こういう事。

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悩ましいセニエさんのセクシーショット 映画とは無関係です



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番外編 年末年始に公開される作品について

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日は秋口から年始に公開される作品、特に古い作品についてご紹介したいと思います。

色々な作品が公開されますが、結構古い作品が多いので驚きます。これもコロナ禍の影響でしょうか? 2020,21年頃コロナ禍で映画製作が出来なかったことがなのでしょう。

まず本日からニコラス・ウィンディング・レフン監督作品が公開されます。

まあ、個性派の監督なので「ドライブ」を鑑賞して波長が合えば「オンリー・コッド」を。初期の作品も公開されるようですが、そちらは見ていないので何も言えませんが、予告編を見た限り重そうなので…

 

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9月16日からですがIMAX上映で「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズも公開されています。

10月21日からはポール・ニューマンの名作「明日に向かって撃て」「熱いトタン屋根の猫」「ハスラー」「暴力脱獄」が公開されます。重い「熱いトタン屋根…」以外は名作なのでお時間があれば鑑賞願いたいと思います。

 

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11月にはチャップリンの名作が公開されます。そちらは別のブログで紹介されると思いますので割愛させて頂き、年始からの分をご報告します。

1月「ラストエンペラー」

4月「薔薇の名前」

7月「クライングゲーム」等が予定されています。

何れも名作なのでお時間があれば是非ともご鑑賞いただきたいと思います。  八点鍾 

 

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追記 ポール・ニューマンは「動く標的」「新・動く標的」「マッキントッシュの男」「ロイ・ビーン」等を公開して欲しいと個人的には思いますが…

 

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折角ですから「明日に向かって撃て」について少しだけ。セピア色シーンが印象的な西部劇映画です。ニューマンとレッドフォードのとぼけた感じが良く出て、ラストだけ重いコメディタッチの西部劇です。少しリチャード・レスター映画の味わいがあり、バート・バカラックの音楽が軽妙で…

鑑賞していない方は是非この機会に。

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「アメリカの夜」映画作りってある意味こんな風なんですね…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アメリカの夜」(1973)です。

「パメラを紹介します」という映画、息子が連れてきた恋人と息子の父が深い仲になる映画の様で、あのルイ・マル監督「ダメージ」のような映画らしい、を製作しているフェラン監督(フランソア・トリュフォー)は大忙し、映画監督と言うのは名ばかりで、色々な雑務に追われる有様。女優セブリーヌがなかなかセリフを覚えられなくて気を使い、登場する子猫が思い通りに動いてくれないことや、ありとあらゆる人間模様をフランス映画らしくスケッチするように描いた映画で…

映画製作を映画にした作品です。有名なフェリーニ監督「81/2」は全体に重苦しい作品ですが、こちらはそんなに重くなく、トリュフォー監督作品なので、ゴシップ的な要素というか映画愛に溢れているので楽しく鑑賞出来ます。映画が好きな人なら、本当に楽しく鑑賞できると思います。映画製作って大変だけど、結構楽しいんだと。

この映画を見ていると、監督って雑務をするのが仕事の様で、又製作者がこの映画の様に撮影現場にあらわるとは知りませんでした。

例えば、キューブリック、黒澤監督の撮影現場は、もっともっと緊張している様な様ですし、リドリー・スコット監督は1日30ショットぐらいは撮るよと物凄い早撮りで、俳優の演技なんて二の次のような印象を受けますが。というよりそういう映画の作り方をしないとハリウッドでは生き残れないと言っているようで。

トリュフォー監督のこの作品、全体に軽く明るい感じでとても良く出来ていると思います。「ピアニストを撃て」「私のように美しい娘」のユーモアが好きですね。この映画に出て来るエピソードの実際にあったようで…

そうそうフェラン監督が見る夢が面白い。深夜、場末の映画館に行き、その前に張り出してある「市民ケーン」のスチール写真を盗む夢なんですから。

でも、わかるな。僕も欲しい。机の中にしまって宝物にしたいですね。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

追記 書き忘れましたが、この作品に主演しているジャクリーン・ビセット、とても良いと思います。美しいし品があり、気負って演じていない、さらりと演じているのが良いと思います。共演しているナタリー・バイも二重丸ですが。トリュフォー監督、もっと長生きしてもっと映画を撮って欲しかった。残念です。

 

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「テナント/恐怖を借りた男」おっと、この作品はいけませんね…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「テナント/恐怖を借りた男」(1976)です。

映画は、ポーランド系フランス人トレルコフスキー(ロマン・ポランスキー)が部屋を借りにある古風なマンションの一室を訪れるところから始まります。数日前シモーヌと言う女性が投身自殺を図ったという部屋ですが、彼はそんなことを気にせずに契約します。引っ越し祝いで友人を呼んで騒ぐと他の入居人から叱責を食らいます。

気にせず暮らしますが、部屋の家具を移動中に壁の穴から見つかる人間の歯、空き巣に入られTV等盗難に遭ったり、部屋の反対にあるトイレに入っている住人からの視線等によりトレルコフスキーは段々と自分の意識が変化するのに気付くのだが…

この作品、不条理スリラーで、日本では未公開でビデオスルーされました。だから、一抹の不安はありましたが、作品は真摯に作られていますが余り面白くありません。

あの「袋小路」「ローズマリーの赤ちゃん」の男性版のようなお話で、何か物足りません。と言うか、監督自身が主演していますが、あの「ポランスキーの吸血鬼」の様に脇に回った形であれば良いので、主演としてはイマイチ魅力に欠けます。華やかさがありません。加えてラストも暗いのがね。

全体にテンポが遅く、何かアントニオーニ監督作品のような味わいもあるのですが、そんな感じでもない。例えば、監督が主演をするのではなく、ジェラール・ドパルデューが主演してラストをもう少し変えれば、かなり印象が変わる映画だと思いますが。イザベル・アジャーニが共演していますが、見所無しで。観客に気を使ってもう少し見所を作らないとね。

ポランスキー監督は、ハリウッドでハードボイルド物「チャイナタウン」を監督して、あの未成年者姦淫事件頃の作品なので、諸事情の結果、こういう中途半端な作品になったように思います。

彼は、あのシャロン・テート事件から80年代中頃まで作品の出来、不出来が激しくて、以前このブログで紹介した「フランテック」辺りから調子を取り戻します。だから、ポランスキー監督研究者のような人は鑑賞した方が良いかもしれませんが、普通の映画ファンは避けた方が良いかと思います。でも、古風で高級なマンションで得意の異常心理描写等は中々見せてくれますが。

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「プレステージ」ノーラン監督作としては評価の別れる作品でしょう…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「プレステージ」(2006)です。

監督はあのクリストファー・ノーラン、面白い題材の映画です。こういうタイプの映画、奇術師が主人公の映画は初めてなのでは。

映画は、19世紀末のロンドンから始まります。二人の奇術師、ボーデン(クリスチャン・ベール)とアンジャー(ヒュー・ジャックマン)はかっては親友、今は互いにライバルだが、有る事件を境により激しく競い合うことになった。それは、アンジャーの妻の水槽脱出マジックでボーデンの縄の締め方がキツかったので、脱出マジックが失敗し妻が死亡してしまったのが原因だった。復讐の鬼となったアンジャーはボーデンの弾丸受け止めマジックで弾を抜かず拳銃を渡して彼の右手の指2本を吹き飛ばした。

が、ボーデンが瞬間移動のマジックで名を上げれば、どうしても彼に勝たないとアンジャーは治まらない。彼は天才科学者ニコラ・テスラの処へ行き、瞬間移動機を造り上げて欲しいと頼み込むのだが…

この作品、劇場で見た時ちょっとねというのが偽らざる感想でした。確かにテスラはエジソンを遥かに超える天才でしたが、瞬間移動機は作り上げていません。だから、人によってはバランスの取れていない作品ということで、評価が高くないと思います。

今回再見して、映画としてはとても良く出来ており、サスペンスの盛り上げ方本当に素晴らしいと思います。だから、ファンタジー映画として鑑賞すれば、いや本当に面白い作品だと思い直しました。

又、コロラドスプリングスのテスラ実験室の造形、瞬間移動機のデザイン、当時の刑務所、劇場の造りなど時代色たっぷりで良く出来ていると思う次第。だから、興味を持たれた方は、見所一杯のこの作品是非鑑賞して欲しいと思います。良い映画ですから。

そして、マジックのトリックの考案開発を行うカッターを演じるマイケル・ケインがとても良い、何か画面に登場するだけで引き締まるような感じで。うーん、美しいです。

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「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」シャーロッキアンがほくそ笑む映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」(1976)です。

シャーロッキアンとはシャーロック・ホームズの熱狂的なファンのことで、例えば、小説家島田荘司さんはシャーロッキアンですが、その中の一人ニコラス・メイヤーが執筆した小説を映画化した作品です。

ホームズ物は世界的にとても有名な作品なので、前回紹介した武闘派ホームズ映画もあれば、ビリー・ワイルダーが創作したホームズ映画もありますが、この作品は正統派ホームズ映画に近い味わいを持っています。

映画は、1891年倫敦から始まります。ホームズ(ニコール・ウイリアムスン)はコカイン中毒により幻視を見るようになりモリアーティ教授に付きまとうようになっていた。心配になったワトソン(ロバート・デュバル)と兄マイクロフトの協力を得て、欧州ウィーンでフロイト博士(アラン・アーキン)の治療を受けることになった。それは、フロイト博士得意な催眠術とコールドターキー法(禁断症状)を組み合わせた物であったが、ホームズは何とかコカイン中毒を脱し、フロイト博士の患者ローラ(ヴァネッサ・レッドグレーブ)の自殺未遂の原因を調べ始めるのだった…

演出はハーバート・ロス、古風なスタイルで若い方には馴染みにくいのかもしれませんが、原作には一番近いのではないと思います。美術ケン・アダム、音楽ジョン・アデソン、撮影オズワルド・モリスとスタッフの方々は実力派の方々がそろっており、好きな人には堪らない映画だと思います。

そういう訳ですが、やはりこの作品も女優の魅力が少し欠けており、チラリと登場するサマンサ・エッガーをローラの役柄に変更した方が良かったのではと思いますが。

でも、とても楽しいホームズ映画になっていることには間違いありませんが。

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「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」あの武闘派ホームズ映画第二弾…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」(2011)です。あの武闘派ホームズ映画第二弾です。

ようやく戻ってこれました。伝記映画よりこちらのサスペンス映画の方が、当ブログの性格から合っていますので。

この映画は、以前アップした武闘派ホームズが活躍した「シャーロック・ホームズ」(2009)の続編になります。あのコナン・ドイル原作のスタイルを上手く借りたアクションたっぷりパスティーシュ(模倣作)です。

映画は、英国ロンドンで爆弾テロが頻発して、どうもその陰にある人物が糸を引いているとホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は考えている。政府高官の兄マイクロフトは独国と仏国の仲が怪しいと言うし、前回の失敗の責を取ってアイリーン(レイチェル・マクアダムス)は毒殺される始末。

ワトソン博士(ジュード・ロウ)はメアリと結婚することになり、ホームズは殺害されたホフマンスタール医師から手に入れた手紙の宛先である占い師マダム・シムザ(ノウミ・ラパス)に会い手紙が彼女の兄からのものと知る。ホームズは、何やら不吉な物を感じ、シムザと共にその陰に潜む宿敵モリアーティ教授との対決を決意するのだが…

この作品も同じスタイルで、それ以上のアクションが注ぎ込まれ戦争アクションさながらで、特にモリアーティ教授が所有しているラインハルト武器工場からホームズ達が脱出するシーン等、まるで戦争映画さながらでモーゼルM712、ザスタヴァM56機関銃、モデル1874ガトリング銃、迫撃砲などが登場して少しやり過ぎの感があります。もう少し冴えた頭脳による推理、頭脳戦を前に出して欲しいと思います。

この作品ではあのモリアーティ教授が登場します。ジャレッド・ハリスが演じてます。とても存在感のある演技で。いや上手いですね。経歴を見ていたらお父様があのリチャード・ハリスなんですね。いや、お父様より上手いぐらいで驚きました。

監督はガイ・リッチー、新鮮さはありませんが手堅く纏めています。一つだけ注文を付けると、女優のキャスティングが弱い様に感じます。ノウミ・ラパスでは色気を感じません。そういう意味で前作のレイチェル・マクアダムスは良かったと思います。

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この作品では、モリコーネ作曲「真昼の死闘」が一部使用されています。うーん、美しいです。

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 個人的には、ワイルダー版の方が好きですが。

 

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