レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「12日の殺人」もう少し観客に寄り添って欲しいと思う犯罪映画、ある意味フランス映画らしいのですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「12日の殺人」(2022)です。

 

 

フランス、サン・ジャン・ド・モーリエンヌで深夜友人宅から帰宅中に男からガソリンの様な燃焼加速剤を浴びせられ焼死事件を描いた作品で、どちらかと言えばグルノーブル司法警察の犯罪課?の活躍を描いています。全体にガッチリと纏めていますが、犯罪捜査というより捜査員の人間性を描いた作品になっており、捜査プロセスを丹念に描いた作品とは少し違うように感じます。

この映画を見ていると、フランス警察つてこんなの? と私は思いますが。主人公ヨハン(バスティアン・ブイヨン)の相棒マルソー(ブリー・ラナーズ)なんて酷過ぎる、私なら上司に言って外してもらいますがね。

映画が面白くなるのは、捜査が進展しなくなりマルソーが捜査判事(アヌーク・グリーンバーグ)に呼び出されて色々と捜査状況を説明しあるアイデアの下、シャープな女性捜査員ナディア(モウナ・スアレム)が加わってからグーンと面白くなりますが。でも、監督は面白い犯罪映画を作ろうとは考えていないみたいで、やはり容疑者をもう少し泳がせないとね…

この手の映画は、個人的にもう少し観客に寄り添って欲しいと思いますし、何よりも地方のフランス司法警察はこんな奴ばかりかと、コピー機のトラブルも直せない、自分で直せないならメーカー呼んで直さないと… こんなところを犯罪者が見たらシメシメと思ってしまいますよ。このグローバルな時代それはまずいと思いますが…   八点鐘

 

追記 この映画の美点はサン・ジャン・ド・モーリエンヌの風景ですね。山々に囲まれた盆地の様な所で素晴らしい自然に囲まれています。ここは美しいと思いましたが。 

 

12th-movie.com

 

全く関係ありませんが、上映前にマイケル・マン監督新作「フェラーリ」の予告編を上映していました。ゴメンナサイ、本音を言えばこちらの方が私に合うな。

 

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番外編 エイリアン新作「ALIEN: Romulus」予告編の紹介

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介するのはあのエイリアンの新作映画予告編です。題名を「ALIEN: Romulus」といいます。

 

 

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監督はリドリー・スコットではなく、あのホラー映画「ドント・プリーズ」の監督フェデ・アルバレスです。米国では8月16日から公開、いつも通りの映画ですが、楽しめそう。うーん、美しいです。皆さん、期待して下さい。

                                 八点鐘

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」シャロン・テート事件を扱ったあのタランティーノ監督作品…

 

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)です。

1969年8月9日チャールズ・マンソンによって惨殺されたシャロン・テート事件を描いた作品で、当初私は、リチャード・ブルックス監督作品「冷血」の様な作品をタランティーノ監督がてっきり製作するものだと思っていました。

その昔、ベトナムの映画館でこの作品を見て吃驚しました。事実と違う終わり方をした

暴走映画だったからです。まあ、こういう映画もあって良いでしょう。所詮、映画だから。映画は、いつものタランティーノ全開映画でとても面白く拝見しましたが。

今回、BD版にて再見してその感を新たにしました。約3時間の長尺作品ですが、いつもの通りタランティーノ監督は巧く纏めています。全体に60年代後半のハリウッドの雰囲気を良く醸し出しており、マット・ヘルムシリーズ「サイレンサー/破壊部隊」「ジョアンナ」「哀愁の花びら」「大脱走」TVシリーズ「FBI」等々とスクリーンを埋め尽くすが如く、うんちくを垂れ流して、その時代を知っている人には驚くべき作品になっています。一応、私は中学二年生だったのでおぼろげながら記憶にあります。シャロン・テート事件はその残忍さにおいて日本でも大きく報道されました。

この映画は、どちらかと言えばラストの衝撃シーンより当時のハリウッドの雰囲気がとても良く出ており、その楽屋落ちを見せる映画のように思います。例えば、ブルース・リーが尊大な態度を取っていたことや劇中にスタントマンに喧嘩を売られたこと投げ飛ばされたこと、フォックス・ブルー・イン・シアターを訪れたシャロン・テートの扱いとかスパーン映画牧場辺りの描写はとても興味深いと思います。

少しバランスが崩れた映画ですが、良く出来ていると思います。前回「ローズマリーの赤ちゃん」を紹介したのでこの作品を取り上げてみました。少しグロいシーンもありますが、タランティーノ監督らしい面白い映画です。ぜひご覧下さい。

鑑賞済みの方はもう一度見ても面白いと思います。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 ポランスキー監督はこの事件を境に作風が変わりました。71年「マクベス」は血塗られた作風の映画になりました。この事件が無ければ、多分あの「マクベス」は製作されなかったと思います。彼の「マクベス」は大好きですが。

89年に「フランティック」に主演したエマニエル・セニエと結婚し、作品は以前の様なスタイルに戻ったようですが。

 

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「ローズマリーの赤ちゃん」あの有名なダコタハウスを舞台にしたオカルトホラー映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)です。

ローズマリー(ミア・ファロー)は売れない役者の夫ガイ(ジョン・カサベテス)とニューヨークの古いアパートに引っ越してくる。隣人ローマン夫妻は好い人だが少々お節介、ローズマリーは子供が欲しくて少しばかりイライラしていた。

そんな時、ローズマリーは人とも野獣とも思えない獣人に犯される夢を見た。そんな時、妊娠していることが判りローズマリーは喜びの絶頂に浸るのだが、やがてつわりが酷くなって…

有名なアイラ・レヴィンの同名小説をあのロマン・ポランスキー監督が映画化しました。もはや古典的な名作と言って良いでしょう。とても良く出来たオカルトホラーです。映画は原作を改変していません。珍しいことに殆どそのまま映画化しています。

ポランスキー監督は丁寧に演出しており、現在の目で見れば、ローズマリーが夢見るグロテスクな夢がいま一つと映ることでしょう。

今回再見して、特にキャスティングと音楽が優れていると感じました。ミア・ファローとジョン・カサヴェテス、特にカサヴェテスが何を考えているか分からないような暗い影がある様で良いんですね。勿論、ミア・ファローもヴィダル・サスーンで髪をショートにしてから何やら不気味な様相になって、うーん、美しいです。

加えて、クシシュトフ・コメダの少しグロテスクな音楽で怖さを盛り上げてくれます。そして、ダコタ・ハウスを舞台にしているのがより怖さを増幅させてくれ…

妊婦の妄想被害の様に思わせてあの戦慄のラストに持っていく。うーん、美しいです。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

追記 DVDにはポランスキー監督はあの「白銀のレーサー」を監督する予定だったとか。偶々近くに「ローズマリーの赤ちゃん」ゲラ刷りのホンがあり、読んでみたら面白かったのでこちらにしたとかというインタビュー映像が追記されていました。

 

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         私の好きなポランスキー監督作品

「シューテム・アップ」オラオラ、かかって来い! 全弾発射だぜ!! と言う映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シューテム・アップ」(2007)です。

NYの風来坊スミス(クライブ・オーウェン)は、或る時男達に追われている妊婦に出会う。そのシュチエーションが気に入らなかった彼は、敵の拳銃を取り上げて妊婦を助けるが、彼女は流れ弾に当たり即死。出産したばかり子供をそのまま放置しようとするが出来なくて、付き合いのある娼婦ドンナ(モニカ・ベルッチ)に助けを求める。女を追っていたハーツ(ポール・ジアマッティ)は執拗に追跡してくるのだった…

ハードアクションというよりジョン・ウーアクションのコメディ映画の様で少しばかり弾け気味です。でもアクション満載で面白いです。もう少しバジェットがあれば、加えてもう少し弾け方を押さえれば、もう少し良い映画になったと思います。

上院議員専用機からスカイダイブし、空中ガンファイトはちょっとやり過ぎですよね。まあ、監督も楽しんで製作しているようですが。少しばかり弾け気味なので、そこがやはり気になります。

クライブ・オーウェンはいつも通りですが、この作品、モニカ・ベルッチがなかなか良いなと感じました。何かいい味が出ており驚きました。偶然かも知れませんが。

そして、米国は銃の国なのですね。皆さん、さまになっており邦画であれば、こんな風に行かないでしょうね。何やら嘘っぽく見えて来るので…

このブログ作成に作品をVODにて鑑賞しています。           八点鐘

 

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      このブログで紹介したガンファイト映画の一部ですが…

「SS-GB」ドイツ国防軍がシーライオン作戦を成功裏に終えた世界を描いた作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する作品は「SS-GB」(2017)です。映画ではなくTVミニシリーズです。

1940年7月に始まったバトル・オブ・ブリテンに敗北した英国は、続く独国防軍によるシーライオン作戦によってブリテン島南部を占領されてしまう。チャーチルは処刑され国王ジョージ6世は幽閉されていた。1941年11月スコットランドヤードのアーチャー警視(サム・ライリー)は、SS-GBケラーマン中将の殺人課で働いていた。アーチャー警視はある闇商人殺人事件を担当していた。殺された男はウィリアム・スポート、原子物理学者であることが判明した。彼には弟ジョンがおり、そのジョンの所在が分かり追跡を開始する。そんな時独本国から何やら曰く有り気なフート大佐が着任するだった…

2017年BBCが製作したTVミニシリーズ六話物です。原作があの「国際諜報局」のレン・デイトンが1978年に発表した同名小説を映像化したものです。すこしネタバレするとこの作品も原子爆弾物です。

この作品は、パラレルワールド風な戦時サスペンススリラーと言うもので、小説はとても良く出来ていました。このミニシリーズもあまり改変しなくて小説の持ち味を巧く残しデイトンファンなら先ず先ず楽しめる作品になっていると思います。

但し、この手のミニシリーズは全体に冗長で、この作品もそうですが、加えてバジェットの関係でラスト、ブリングルサンズ研究所襲撃が簡単に描かれているだけで色々と改変されているのは頂けませんが、全体にうまく纏めていると思います。特に第四話辺りからサスペンスたっぷりでかなり楽しめると思います。

黒で決めたスタイルのアーチャー警視を演じるサム・ライリー、なかなか良い感じです。少しやり過ぎと言う感じもありますが。又、カール・マルクスの遺体をソ連へ返還する式典等少し嫌みな感じもしますが、これが英国式ユーモアなのでしょう。

 

ブログ作成にこのミニシリーズをアマゾンプライムにて鑑賞しています。  八点鐘

 

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「泥棒を消せ」アラン・ドロンがハリウッドで主演したノワールスリラーですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「泥棒を消せ」(1965)です。

 

     

 

米国サンフランシスコ、エディ(アラン・ドロン)は前科者だが妻クリスティン(アン・マーグレット)と幸せに暮らしていた。が、ある時チャイナタウンで強盗殺人事件が起き、刑事マイク(ヴァン・ヘフリン)は、その昔強盗事件で負傷してその時の容疑者であるエディを逆恨みしており、今回もエディを証人喚問の為拘束した。

その為彼は職を失った。そんな時兄ウォルター(ジャック・パランス)が訪れ、でかいヤマの仕事の話を始め、悲劇の始まりになるのだった…

監督はラルフ・ネルソン、「野のユリ」と言う作品が有名です。このブログでは「砦の29人」「まごころを君に」を紹介しています。

映画の雰囲気は、あのロバート・ワイズ監督「拳銃の報酬」によく似ており、又貧困が犯罪を誘発するタイプの犯罪映画になっており、その辺りが古臭さを隠せず、今の感覚で鑑賞すると、いま一つの作品になっておりそこが残念なところです。

でも、この映画の美点は、ヒチコック映画で有名な撮影監督ロバート・バークスの美しいショットでしょう。鑑賞したDVDの画質も良く、ケイパーシーン前後の描写はとても良く、思わず顔がほころびました。ラストはフィッシャーマンズワーフでロケをしており、うーん、美しいです。

「ラスベガス万才」のアン・マーグレット、「シェーン」のジャック・パランス、ヴァン・ヘフリンを思い出しながら、楽しんで鑑賞しました。勿論、アラン・ドロンもなかなかシャープで、うーん、美しいです。

このブログ作成に輸入DVDを鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 音楽はラロ・シフリン、これも良かった、美しいです。

 

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